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INTERVIEW

唯丸®︎(BLACKSHEEP SYNDROME.)× 火寺バジル(魔法少女になり隊)

2021.06.11UPDATE

2021年06月号掲載

唯丸®︎(BLACKSHEEP SYNDROME.)× 火寺バジル(魔法少女になり隊)

BLACKSHEEP SYNDROME.の唯丸®による連続対談企画第3弾のゲストは、魔法少女になり隊から火寺バジルが登場! 独自の道を切り拓くメンズ・アイドル・グループのフロントマン 唯丸®と、バンドのヴォーカリストでありながらアイドル好きの火寺バジルの邂逅となった今回は、互いのライヴに懸ける想いや、ファンとの関係性などが窺えるトークが繰り広げられた時間となった。

BLACKSHEEP SYNDROME.:唯丸®
魔法少女になり隊:火寺バジル(Vo)
インタビュアー:吉羽 さおり Photo by うつみさな
取材場所:下北沢 propaganda


バンドを始める以前と以降の自分も違っているので、ひとりでもいろんなことをやってみたいなっていうのはありますね(バジル)


-第3回のゲストは、魔法少女になり隊の火寺バジルさんです。おふたりは、今日が初めましてなんですね。

バジル:そうなんです。本当に初めましてなので、なんで私を選んでくれたんだろうっていうのが気になっています。

唯丸®︎:これは直感だったんですよ。僕は、自分の直感に絶対に間違いはないという、謎の理論があって(笑)。で、いきなり次はバジルさんだなって思ってお願いしたんです。激ロックと言えば、バジルさんというイメージもすごくあったし。

バジル:たしかに(笑)。連載コラムも3年くらいやらせてもらったので。

唯丸®︎:なので、改めまして今日はよろしくお願いします。僕は今BLACKSHEEP SYNDROME.というグループで、メンズ・アイドルをやっているんですけど。メンズ・アイドルは誰かご存知ですか?

バジル:私アイドルが大好きなんですけど、メンズ・アイドルの方々とは本当に縁がなくて、対バン経験もないんです。なので今回お話をいただいて、初めてお会いできました(笑)。BLACKSHEEP SYNDROME.のMVをいくつか拝見して、あとちゃんもも◎(バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHIの大桃子サンライズ)さん田中(聖)さんとの対談(※2021年4月、5月号掲載)も読んできました。

唯丸®︎:ありがとうございます!

バジル:楽曲を自分で作っているアイドルって珍しいですよね。しかも、フロントメンバーとかじゃなくて、アイドルで"フロントマン"という言い方をするのも面白いなって思っていて。

唯丸®︎:そうなんですよ。SUPER BEAVERが"フロントマン"って言っていたので、かっけぇって思って、フロントマンって言い出しました。

バジル:そうだったんですか(笑)。それは、センターというか、真ん中の人っていう意味合いで使っているんですか。

唯丸®︎:いろんな捉え方があるんですけど。一番は、自分が引っ張っていくグループなので、自分が全部矢面に立つ、全部受け止めますという意味があるんです。

バジル:なるほど。でもきっかけはSUPER BEAVERの渋谷(龍太/Vo)さんだったと(笑)。

唯丸®︎:お会いしたことないんですけどね。でも、カッコいいなというのがきっかけでした。

-バジルさんはいろいろとリサーチをしてきてくれたんですね。

バジル:初めましてだったので、どんな方なのかなって思って。唯丸®︎さんは、ラジオのパーソナリティもやっていますよね。

唯丸®︎:声の仕事をやりたいっていうのもあるんですけど、話すのが好きなんです。初めましての人と話をして、この人はどういう人なんだろうなって知るのが楽しいというか。

バジル:私も喋るのが好きなんです。今、ネット・ラジオでパーソナリティをやらせてもらっていて。2014年にバンドを結成してから昨年の10月まで魔女に呪いにかけられていて、喋れなかったんです。これまでは、全部筆談でやっていたんですよ。対バン相手と楽屋でコミュニケーションを図るのも筆談で、インタビューもラジオも筆談でやっていて。そうやって6~7年徹底的に誰とも喋らずにきたんですけど。喋れるようになって、縁があってラジオのパーソナリティをやらせてもらうことになったんですけど、急にひとりで1時間喋ることになっちゃったから、差が激しくて(笑)。

唯丸®︎:(笑)めちゃくちゃ大変じゃないですか。

バジル:最初はどう喋っていいかわからなくて、なかなか言葉が出てこなくて。

唯丸®︎:それはめっちゃわかります。

バジル:今は段々と慣れてきたところで。私も声のお仕事もいいなと思いつつ、今はライヴがなかなかできない状況なので、いろいろと準備をしている期間ではあります。

-今日はおふたりで存分に喋ってください。

バジル:はい。唯丸®︎さんはグループを結成して何年くらいなんですか。

唯丸®︎:3年目です。まだホヤホヤですね。僕はさっきも言いましたけど、直感で動くタイプで。あれやってみたいなって思ったら、理由づけなく動いてしまうんですよね。その"やってみたい"が理由になればいいなっていうか。

バジル:アイドルのプロデュースとか、いろんなことをやってますよね。最初のちゃんもも◎さんとの対談のお話でも、ちゃんもも◎さんも唯丸®︎さんも、これをやったら面白そうっていうことを実現させるタイプじゃないですか。私も、面白そうっていうことや友達との会話の流れから、いろんなことが始まることが多いんです。私、趣味がサバゲーなんですけど、一緒にアパレルをやっている人はサバゲー仲間で。

唯丸®︎:へぇ! サバゲーにも興味があるけど(笑)。どうやって繋がっていったんですか。

バジル:私がアパレルをやることになるきっかけは、激ロックのゲキクロ(GEKIROCK CLOTHING)でモデルをやり始めて、そこからゲキクロで1日店長をやらないかっていう話をいただいて。私とブランドでコラボをして、8月26日のバジルの日に1日店長をしたんです。翌年のバジルの日は2デイズでやって、1日は店長をやって、もう1日は仲のいいカメラマンさんとヘアメイクとスタイリストさんでタッグを組んで、自分たちでZINEを作って、そのZINEを販売したり、写真展みたいなことをやったんです。そのイベントに来てくれたりZINEを見てくれたりしたサバゲーの友達が、"こんなに自分でやれるんだったら、自分のブランドとかやりたくないの?"って。やりたいですけど、なかなかって言ったら、"じゃあ、一緒にやろうよ"って言ってくれたんです。その人はスタイリストもやるし、グッズ製作とかアパレル周りのことをやっている人だから、ふたりで一緒に始めることになったんですよ。

唯丸®︎:創作欲が高いし、やるからには自分でっていうのがあるんですね。

バジル:毎年ひとつ新しいことに何か挑戦するというのを目標にしていて。昨年はコーヒーを作ったんです。私が、コーヒーが好きで、将来的に自分で理想の喫茶店を作りたいんだというのを、コーヒー屋さんの友達に話していたら、"じゃあ一緒にコーヒーを出す?"って言ってくれたんですよ。それで、佐賀の工場まで行って豆を焙煎して、自分好みのブレンドを作って販売しているんです。

唯丸®︎:本格的! すごいですね。

-行動力がありますね。

バジル:人間いつか死ぬわけだし、生きているうちにやりたいことをやろうっていう(笑)。今年はまだ言えないんですけど、またまったく新しいことをしようと作戦を練っているところです。

唯丸®︎:それだけ行動力があるバジルさんは、バンドで活動する前に個人でライヴするとかもあったんですか?

バジル:バンドを結成する以前は、普通に学生でした。先輩のgari(VJ/Vo)さんに呼ばれて、一緒にバンドやろうって言われて。私は歌うことに憧れがあったし、それも自分がいいと選ばれることなんて恵まれたことだから、挑戦してみようって思ったんです。そこから制作した音源をロッキング・オンのコンテスト("RO69JACK 2014")に応募したら優勝をして、メジャー・デビューをしてっていう感じで、右も左もわからないなか急に自分の生活が180°変わって。バンドを始める以前と以降の自分も違っているので、ひとりでもいろんなことをやってみたいなっていうのはありますね。

-その自分がやりたいこともどんどん実現していってますね。

唯丸®︎:すごいですよね。あまり周りにいないタイプの人かもしれない。

バジル:楽しいことが大好きなんですよね。楽しそうなところとか、これやったら面白そうとかを考えるのが好きなんです。でも、これやったら面白そうって思ってくれる仲間を増やすのは、簡単じゃないことで。ただ、魔法少女になり隊っていうバンドもそんな悪ふざけのところから大きくなっていってるバンドで、"これやったら面白そう"をみんなで実現していこうというバンドなので、私自身もその思考になっていってますね。