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INTERVIEW

ぶらっくしーぷしんどろーむ。

2020.06.18UPDATE

2020年06月号掲載

ぶらっくしーぷしんどろーむ。

Member:唯丸®

Interviewer:山口 哲生

"元祖過激派ラウド系メンズアイドル"と名乗り、凄まじい勢いでメンズ・アイドル・シーンを駆け上がっている"ぶらっくしーぷしんどろーむ。"。彼ら5人は現在、6月27日に無観客ワンマン・ライヴを開催し、それを生配信する予定になっている。"予定"と書いているのは、この取材を行ったのは5月某日──新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が全国に発令されている真っ只中であり、本文にもあるのだが、場合によっては無観客ライヴですら開催できるかわからないという状況だったからだ。この記事が世に出る頃には何かしらの"結論"が出ていると思うのだが、本稿ではグループの中心人物である唯丸®が話してくれた現状をそのまま記録している。日々刻々と情報が更新されていく不確定な状況で今、彼の瞳にはどんな景色が映っているのか。そこからは、彼らがこれから進んでいこうとしているひとつの道が浮かび上がってきた。

-まずは、この状況下で、普段どんなことをしているのかというところからお聞きできればと思うんですけど、どんな毎日を過ごされていますか?

それがあんまり変わらないんですよ。作詞作曲とかをしつつ、新しく始めたこととしては通販と配信業務ですね。今年の3月に自社ブランドを立ち上げたんですけど、全然動かしていなくて(苦笑)。そこでグッズの販売をしたりしてます。あとは動画配信のサービスみたいなものを始めました。

-ぶらっくしーぷしんどろーむ。としてはYouTubeで生配信をされたり、お客さんとインターネットを使ったライヴ・トークをされたりしていますけども、様々なことが中止になってしまっているなかで、何かすぐに動いたほうがいいと。

そうですね。自分の中にその気持ちはあって。ただ、やるなら他とはちょっと違ったことをやってみたいなと思っていたんですけど、まぁ、なかなか難しいですよね。

-ファンの方たちとライヴとはまた違うコミュニケーションをしてみていかがでしたか?

メンバーがモチベーションを維持できているというのは大きいかなと思います。今は自粛期間なので、集まってはいけないとか、そういうのはあると思うんですけど、あくまでも僕らは発信する側、自粛されているファンの方々に何かを届ける側だと思っていて。他のグループって配信とかも特にやらずに自粛していることも多いと思うんですけど。

-配信されるとしたら、ご自宅で何かをされることが多いんでしょうか。

そうですね。今はアイドルというよりも、配信者になっちゃってますね(苦笑)。そういうなかで週3回スタジオ・ライヴを生配信できているというのは、ライヴ・グループならではというか。やっぱりファンのみなさんはライヴが観たいと思うので。

-何かを配信するのであれば、自分たちの売りであるライヴを見せたほうがいいんじゃないかと。

そうですね。できるかぎりではあるんですけど。

-唯丸®さんはメンバーでもあり、グループのプロデューサーでもあるわけですけど、プロデューサーとしては現在の状況をどう受け止めていますか?

うーん......考える期間がすごくできたというのはあって。5月25日に渋谷TSUTAYA O-EASTで主催イベント("ひつじFES vol.11~見えない壁 編")をやる予定だったんですけど、それが中止になって、6月27日は無観客で生配信をしようと思ってはいるんですけど、今はできるかどうかの瀬戸際ではあるんですよ。

-そうなんですか?

6月まで緊急事態宣言が延びなければ使えるんですけど、もし延びたら場所も使えないんですよ。そうなったら中止です。

-なるほど......。

ただ、中止になったとしても、次回のことを練ることができるというか。あのときにああしておけばよかった......ってなるんじゃなくて、中止になってしまったことで、じゃあ次はもっといいものを提供しようっていう、その期間が増えるだけだと思うので、イベント中止になってしまうことも後ろ向きには捉えていない感じではありますね。

-そこもプラスに考えて。

そうです。まぁ、普段考える暇がないくらい常に忙しいので......(笑)。でも、今は全然ラフな感じというか。自粛が解除されたらまずこれをやって、これをやって......みたいな。いいスタート・ダッシュが切れるような企画は作れています。

-あ、それはもう作れているんですね。これから考えるのではなく。

もう明確にありますね。だからもう、いつ解除されてもすぐに動けます。

-グループの活動を振り返ると、2月17日に渋谷TSUTAYA O-EASTで"3rd ONEMAN LIVE 『キミと観る景色』"を開催されました。チケット完売という形でしたけども、振り返ってみるとどんなライヴでしたか?

もうずいぶん前のことに感じますね(苦笑)。

-しかも世の中がこんな状況ですし、余計に早く感じそうな......。

......もう1回やりたいですね。

─というと?

この前"人生ゲーム"をやったんですよ。それで言うと"4月、5月に良くないことがあったので、振り出しに戻る"みたいな(笑)。今の状況をプラスに捉えようとはしているんですけど、やっぱり"ここからだ!"っていうところでこういう事態になってしまったので、あそこからもう一度やり直したい気持ちは正直あるんですよ。僕としては3月15日の激ロックさんのイベント("東京激ロックDJパーティー EDGE-CRUSHER Vol.144 SPECIAL")にもめちゃくちゃ出たかったんですけど、それも(開催中止になり)すごく残念で。また出たいです。

-そういった悔しさは間違いなくありますよね。あと、新曲「ココロノシンパシー」のMVを公開されました。ぶらっくしーぷしんどろーむ。らしいピコリーモを軸にした曲になっていますが、弾みをつけようと思っていたこのタイミングに、どういう曲を持ってこようと思っていましたか?

これも今となってはみたいな感じになってしまうんですけど、アイドルアイドルしていないものというか、自分の好きな感じの曲というか。僕はあんまり理論派ではないので、直感で曲を作ることが結構多いんですよ。だから、アイドル・ソングとか俺らあんまよくわかんないから、みたいな感じの曲です(笑)。

-歌詞に関してはいかがですか? 前回のインタビュー(※2020年1月号掲載)でぶらっくしーぷしんどろーむ。の歌詞は反社会的なもの、病んでいるもの、自分たちらしくない前向きなものの3つの軸があるというお話をされていて。その中で言うと「ココロノシンパシー」は"病んでいるもの"に当てはまると思うんですが。

自分で驚いたんですけど、この現状にめちゃくちゃ合っている歌詞になったんですよね。落ちサビに、"いつかー。また会えたらいいな/あの日に戻れたら"っていう歌詞があるんですけど、配信ライヴでやっているときに、それこそ2月ぐらいに戻りたいな......と思って。歌詞の目線的にはちょっと病んでる系なんですけど、ひと皮剥けましたというか、ちょっと大人な感じですね。

-病んでる系ではありつつ、"こいにおちていく音がした"とか、ラヴ・ソング的なところもありますよね。

うーん......そうなんですけどね。

-ちょっと違いましたか(苦笑)?

いや、これって自殺の歌なんですよ。

-"おちていく"ってそういうことですか!?

だから漢字で書いてないんです。意図的(=故意)に落ちていくというか。で、"心に穴があいた"んです。その人の形の穴が空いてしまったら、その人でしかその穴は埋まらないじゃないですか。

-なんか急に鳥肌が......(苦笑)。そういうトリックみたいなものを仕掛けようかなと思いながら書いていたんですか?

そうですね。実はこういう曲って結構多いんですよ。こういうものにしようって決めるのも結構直感的にではあるんですけどね。

-そういうタイプの歌詞を書くのが好きだったり?

まぁ、そうですね。そういう歌詞のほうが楽しいっていうところはあります。わりと全曲そういう感じで書いてますし。

-また改めて歌詞を見てみたくなりますね。例えばですけど、今回のコロナウイルスによって世の中が大きく動いたことで、歌詞のあり方みたいなものも変わっていくんじゃないかと思うんですが。

あぁ、たしかにそうですよね。僕らの場合で言えば次にZepp DiverCity(TOKYO)でやる予定で、その次も見据えているんですけど、言ってみればNGワードというか、良くない表現みたいなものもあると思うんですよ。そこはどうしようかなと思うところはあるんですけど、まぁ、そういうのはなんとでもやってきたので。最悪グループ名を変えるとか(笑)。

-まぁ、一度変えてはいますけど(笑)。

(笑)そうやってちょっと見つからないようにする感じっていうか。

-それに「ココロノシンパシー」のように実はこういう歌詞で......という方向にもできそうですしね。唯丸®さんとしては、他のグループやアーティストに楽曲提供をしてみたいと思ったりします?

自分のところのグループ以外で曲を作るのがあまり好きじゃないので、作曲はしないと思います。作詞はやってみたいですけど。

-なぜまた作詞はOKなんですか?

作詞って手直しが全然来ないんですよ。

-はははははは(笑)。

作曲って時間をかけてすごく細かいところにこだわったとしても、"ここをこうしてください"って言われることが多くて。こっちとしては"こういう感じにしたほうがいいと思うよ"と言っても、やっぱりあっちにはコンセプトがしっかりあるから、"いや、こういうふうにしたいので、ここを変えてください"、"ここにブレイク入れてください"とか言われると、なんか嫌なので(笑)。でも、歌詞は論破できるんですよ。ここにはこういう意味があって、ここに伏線が張ってあって、こうなっているっていう。