INTERVIEW
唯丸®︎(BLACKSHEEP SYNDROME.)× 火寺バジル(魔法少女になり隊)
2021.06.11UPDATE
2021年06月号掲載
BLACKSHEEP SYNDROME.:唯丸®
魔法少女になり隊:火寺バジル(Vo)
インタビュアー:吉羽 さおり Photo by うつみさな
取材場所:下北沢 propaganda
-バジルさんはアイドルが好きということですが、メンズ・アイドルにも興味がありますか?
バジル:私はもともとアイドルオタクで、AKB48から始まって今は乃木坂46が好きで、ひとりでライヴやイベントに行くくらいアイドルが好きなんですけど。今、メンズ・アイドルもめちゃめちゃ数が多いですよね。メンズ・アイドル戦国時代が来るんじゃないかっていう話は、ちらほらと聞いてます。
唯丸®︎:そうですね。でも、似たようなことをやっているグループばっかりなんですよ。同じようなグループが増えても、シーンは拡大しないと思うんです。
バジル:あぁ、なるほど。
唯丸®︎:芯があって、こういう音楽がやりたい、俺たちはこうだっていう志を持って活動しているグループがほぼいないんですよね。たぶん、3組くらいじゃないですか。
バジル:少ない(笑)。なんとなく知っている情報だとチェキとかファン・サービスがすごくて、距離が近いイメージがあったりするからファン同士もケンカしちゃったりとか、対バンとかやっても、推し以外興味ないですみたいな方とかもいると思うんですけど、メンズ・アイドルのライヴや対バン・イベントだとどういう感じなんですか?
唯丸®︎:興味ない人はたぶん、フロアから出ちゃっている感じですかね。化粧直しする時間みたいな。僕らは、メンズ・アイドルとは共演したくないんですよ。
バジル:決まってますもんね。推しがいるから、そのグループが好きみたいな。女性アイドルだと、このグループではこの子は好きみたいな感じで、いろんな現場を増やしたいっていう感じだけど。女の子は、"この人一筋"っていう感じだから。メンズ・アイドル同士の対バンでもそういう感じになっちゃうんですかね。
唯丸®︎:そうですね。あとは音楽性でいうと、僕らはラウドロック寄りの激しい音楽なので。そういうバンド・サウンドを好むメンズ・アイドルのファンは少ない感じかもしれない。うるさいなって感じでフロアを出てしまうというか。
バジル:結構、アウェイになることもあるんですね。私たちもいろんなジャンルと対バンするんですけど、アウェイな感じも多くて。最終的にうちのメンバーのgariさん──ボブで、タンクトップで半パンのシャウトしている男の人がいるんです。キモかわいいんだけど、本人はかわいいと主張しているメンバーで。よくイベントではgariさんが近寄って行くと、前にいる女の子が"嫌ーっ"ってなっていたんですけど(笑)。最後には爆笑してくれて、ハートをがっちり掴んで帰れることも多いんです。最終的に、興味がない子たちもなんとなく楽しかったなって思ってくれたらいいから、アウェイでも頑張ろうみたいな感じで。
唯丸®︎:僕らは、メンズのイベントに出たことがなかったんです。女の子のアイドルとかのイベントにしか出ていなくて。
バジル:女の子のアイドルとやるときって、自分らのファンの子たちから叩かれたりしないんですか? "女の子のアイドルと一緒にやるの?"って。
唯丸®︎:基本的にはそういう気持ちもあると思うんです。でも、何回もやっているし、特にそういうことも言ってこないし(笑)。楽しいって言ってくれるんですよね。女の子って、女の子が好きじゃないですか。
バジル:たしかに。
唯丸®︎:かっこいい女の子アイドルが出ると、ちゃんとそのライヴも観てくれるので、その女の子のアイドルの運営さんからもありがとうございますって言われて。俺らも、せっかくだから、チェキ会とか行きなよってけしかけて、均衡を保つというか(笑)。
バジル:平和なんですね。
-メンズ・アイドルの中でもBLACKSHEEP SYNDROME.は異色ですかね。
バジル:中学生くらいからずっとアイドルが好きで見ているんですけど、メンズ・アイドルはどういう文化で、どういうファン層なのかが想像がつかないから、興味があるんですよね。今、男の子も美意識が高い人がいっぱいいるじゃないですか。それだけ男の子もアイドルになりたいとか、自分をさらに高めていきたいとかっていう人が増えているからこそ、メンズ・アイドルも増えているのかなと思っているんですけど。どうなんですかね。
唯丸®︎:そこまで考えている人は、たぶんいないと思います。おそらくなんですけど、ちやほやされたいと、金を稼ぎたいっていうのがあると思うんですよ。実際、僕は以前ヴィジュアル系バンドをやっていたんです。そのときはお金がなかったし、大変だったんですけど。メンズ・アイドルを始めて、音楽や活動で稼げるようにはなっていて。
バジル:少し前にSNSでいろんな業界の人と話していて。そこで、メンズ・アイドルではないけど、ライヴ後にチェキ会をする人と、あとはバンドマンとかいろんなライヴハウスの人とかと、"なんでバンドマンはチェキをやらないの?"っていう議論になったんです。メンズ・アイドルやヴィジュアル系の人とかってたまにチェキ会をやるじゃないですか。そっちのほうが、ファンも会えて嬉しいし、感想とかも直接伝えらえるしさらに好きになってもらえるし、金銭面でも良くなるしというのがあるけど、なんでバンドマンはお金がないない言いながらバンドやっているのか、意味がわかりませんって言われて。そういうふうに見たらそうなのかもしれないなと思うんですけどね。そのときは、作品とライヴで勝負したいところがあるから、やらない人が多いんじゃないかという話で落ち着いたんですけど。私は、もし自分がそれをやったらそっちに体力を持っていかれちゃうだろうなって。全力を出し切ったライヴ後にチェキ会をやっているアイドルさんとか、すごいなって思っているんです。終演してから列が途切れるまでずっと、アイドルでい続けるのはすごいなって。
唯丸®︎:大変なんですよ~(笑)。でも、全然苦ではないんですけどね。僕はキッズだったから、ライヴを楽しんでほしい。楽しみ方は自由ですけど、観てほしいのはあります。でも、メンズ・アイドルのファンは好きなメンバーを見に来ているというのが強いんです。なので、特典会メインみたいなところは正直あるんですよね。ニーズがどこにあるのかっていったら、ライヴじゃなく特典会なんだなと。だったら特典会やりますよっていうのは、僕の意見ではあります。で、それで満足してもらえるんだったら、君らのニーズに応えるんだから、こっちはライヴもやるし、こっちのニーズにも応えろよっていうスタンスなので(笑)。
バジル:(笑)お互いにニーズを満たしているわけですね。
-その特典会で話すことで、自分たちに還元されるものはあるんですか?
唯丸®︎:あると思います。基本的にSNSでは結構強い言葉を言っている女の子も、面と向かってみると意外とかわいいんだなっていうのがあるし、その本心を聞けるし。僕たちのファンは、意外とちゃんと曲を聴いてくれている子が多いんです。
バジル:ライヴって、必ず会える約束の日じゃないですか。ライヴがあることで、この日までにバイトを頑張るとか、テストがあるけど頑張ろうみたいな。この日があるから頑張れるっていうのはあると思うんです。特典会だけでもそうなるかもしれないけど、やっぱり目の前で、全力でパフォーマンスしてくれるのを観て、"ライヴ楽しかったよ"って伝えるために特典会があるのは、なんていうか──
唯丸®︎:ハッピーセットみたいですよね(笑)。システム的には理に適っているなって思うんですよ。
バジル:私も自分のアパレルのイベントとかでファンの方に会って直接話をして......と言っても、当時は全部筆談だったんですけど。実は、昨年頭にポリープの手術をしてからまだライヴに復帰できていなくて。コロナ禍もあって、ずっとライヴができなくて、まだそこから1回もファンに会ってないんですよね。今、会ったら感極まって泣いてしまいそうで(笑)。
-待ち遠しいですよね。
唯丸®︎:もちろんこのあとはライヴもあるんですよね。何か一緒にやりましょうよ。
バジル:ぜひ、お願いします。私たちもサウンド的には一応ラウドロックだから、全然問題なさそうですしね。
唯丸®︎:じゃあ、唐突なんですけど、バジルさんが甘いものがお好きということで──さっき、スイーツ食べちゃいましたが(笑)。これも、気に入ってもらえるといいんですけど。
バジル:シフォンケーキですね、嬉しい! おいしそう。
唯丸®︎:せっかくなので、キャンドルもいくつか買ってきました(※この日の日付のキャンドルも取り出す)。
バジル:誕生日みたい(笑)。
唯丸®︎:じゃあ、誕生日おめでとうございますってことで!
BLACKSHEEP SYNDROME.
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