INTERVIEW
GALNERYUS
2019.10.23UPDATE
2019年11月号掲載
Member:SYU(Gt) Masatoshi “SHO” Ono(Vo) YUHKI(Key)
Interviewer:荒金 良介
-そういう意味でもめちゃくちゃ攻めてますよね。あと、「FIGHTING OF ETERNITY」も神聖なコーラスがあり、メロディも抜群に良くて。
YUHKI:それは僕が書いた曲なんですけど、「MY HOPE IS GONE」と「GLORY」の間にくる曲が欲しいと言われて、わりと素直に曲作りできましたね。
SYU:嫉妬しましたからね。デモを貰ったときに、イラッとくるんですよ。
Ono&YUHKI:ははははは(笑)。
SYU:またいいメロを書いてきやがった! って。
YUHKI:SYUもそうだろうけど、また同じ感じじゃんとは思われたくないし。でも、自分たちのスタイルもあるので、曲の中に常にいろんな要素を入れていきたいんですよね。だから、「THE END OF THE LINE」のユニゾン・パートに対して、僕なりのアンサンブル・リード・パートみたいなものを入れました。ふたりで違うことをやったり、追いかけたり、ハーモニーしたり、そういうインスト・パートを作ったんですよ。
SYU:「FIGHTING OF ETERNITY」ではギターとキーボードがまったく違うことをしながら進んでいて、しかもバッキングのギターとベースがクラシカルな旋律を入れてますからね。
YUHKI:ふたりのリードのみならず、ライヴではTAKAさんのベースが重要な役割を果たすので、バンド全体のアンサンブルを考えて作ってます。
SYU:オーケストラがいるようなバンド・アレンジですもんね。
YUHKI:それは今までにやったことがないチャレンジでした。
-ええ、ものすごく聴き応えのあるパートでした。
SYU:僕はどストレートですけど、YUHKIさんは凄まじい変化球ですからね。
Ono:「FIGHTING OF ETERNITY」はYUHKIさんの曲だなぁと。よくこんなキャッチーなメロディが浮かぶなぁと。
YUHKI:それはOnoさんの歌を想定しているからですよ。ほかのヴォーカリストだったら出てこなかったですね。
SYU:イメージがしやすいですからね。この曲のOnoさんの歌詞も面白くて。
Ono:「THERE'S NO ESCAPE」(2014年リリースのフル・アルバム『VETELGYUS』収録曲)で歌詞が書けないという歌詞を書いたんですけど、今回は好きなブラックバス釣りのことを書こうと。
-えっ、歌詞はブラックバスのことだったんですか!
Ono:だから、タイトルは"FISHING OF ETERNITY"でもいいんじゃないかと(笑)。
SYU:それをうまく置き換えてますからね。アルバム名を踏まえていただけるなら、問題ないかなと。
Ono:あからさまに釣りのことは歌ってないですからね(笑)。
-「REMAIN BEHIND」は唯一のバラードで、これも名曲だと思います。
SYU:「You're the Only...」(1992年リリースの小野正利3rdシングル表題曲)もあり、Onoさんにバラードを歌わせないわけにはいかないだろうと。今回もばっちりハマッてると思います。
Ono:当初はガルネリの自分とポップスの自分の違いを出さなきゃいけないという意識があったけど、こういうバラードを歌うときは小野正利でいいのかなと。
SYU:我々はファンですからね! この曲はライヴならではのアレンジを施すつもりなので、そっちも楽しみにしてほしいですね。
YUHKI:今までのバラードだと、ストリングスやティンパニも入れていたけど、今回は装飾をしないで歌をなるべく前に出しました。
-そして、このアルバム名にはどんな意味合いが?
SYU:ダークで、リフも多くて、メロディは悲しげで......絶望感と言いますか。闇を彷徨うような雰囲気とか、曲が出てくるなかでそういう作風にしたいなと。アルバム名は早く決めるほうなんです。それによって統一感も出てくるから。
-ダークさの中にちゃんと光りや明るさ、希望も感じられる作風ですよね。
SYU:今回はコンセプト作ではないので、そこは自由度が上がっているところでしょうね。
YUHKI:曲に起承転結があるし、ドラマチックですから。コンセプト作ではなくても一本筋の通った作品になったと思います。
-アルバム名の"煉獄の中へ"というのは、終わりの始まりだったり、何かしらのターニング・ポイントだったり、現実を受け入れることで沸き上がるポジティヴなエネルギーみたいなものを感じます。
SYU:そう感じてもらえたら、嬉しいですね。聴き終えて、何もしたくなくなるような絶望感はないと思うし、「ROAMING IN MY MEMORY」も光が差し込むような雰囲気がありますから。
Ono:うん、救いがあるというか、ダークな曲調と歌詞だとしても、それから何かがあって進んでいくということですからね。前向きな気持ちでダークなものを作ってます。
SYU:"だけど頑張ろう"感というか。そういう曲を知らず知らずのうちに作ってるかもしれない。
Ono:歌っているときも、"あぁ、頑張ろう!"と思いましたからね。
SYU:ダークな世界観を提示しつつも、ポジティヴな気持ちを捨てずに生きていきたいので。アルバム名で煉獄に行くとは言うてますけど、勝つのは俺たちだ! って。難しい楽曲に負けずにね......。
YUHKI:自分との闘いだからね(笑)。
SYU:頭を振れる曲も多いし、ライヴ映えする楽曲ばかりだなと、いつも以上に感じております。今回はバラードでもライヴ映えするだろうなと思うので、ライヴが楽しみでしゃあないなと。「THE END OF THE LINE」のガルネリ史上最長のユニゾン・パートも自分たちの精神力、フィジカルの限界に挑むような気持ちなので、それも見届けてほしいですね。
Ono:とにかく頑張りますよ!