MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

SYU(from GALNERYUS)

2019.01.17UPDATE

2019年01月号掲載

SYU(from GALNERYUS)

Interviewer:荒金 良介

-とはいえ、歌詞はどこか統一感もありますよね。強い心だったり、痛みを乗り越えた先にある気持ちだったり......。

なんか、コンセプト感が出ちゃってますよね。それは狙ってないんですけどね。僕が書いた曲に関してどこか共通した匂いを各自が感じてくれたのかもしれないです。そこはミラクルやなって。GALNERYUSは狙ってそういうふうに作るんですけど、コンセプト作を2枚作ったからなのか、自然とそういう雰囲気が出たのかなと。ただ、「Chaotic Reality」と「CACOTOPIA」だけは僕が作詞作曲してます。「Chaotic Reality」はDOUGEN(AFTERZERO/THOUSAND EYES/UNDEAD CORPORATION)さん、AKANE(AKANE LIV/LIV MOON)さんのふたりにヴォーカルをお願いしてるんですよ。美女と野獣感を出したくて(笑)。

-ははは(笑)そんな意図があったんですね。

DOUGENさんには"歌詞を書いてもらって、自分はそれを揉んで歌うのが好きなんだ"と言われて。それなら、僕が歌詞を書きましょうと。AKANEさんは多忙だったんですけど、素晴らしいパフォーマンスをしてもらえたなと思ってます。で、「CACOTOPIA」は僕が歌ってるんですよ。だから、この曲はSYU100パーセントなんです。小野さんという素晴らしいヴォーカリストを間近で見て、勉強になることも多かったので、それを自分の歌入れにも反映させました。腹式呼吸、喉の使い方とか、そういう部分を学びましたからね。そのおかげで技術的に自分の歌は楽に録れました。

-「CACOTOPIA」のブラストビートから歌謡性のあるヴォーカルはビックリしました。

はははは(笑)。前の曲(「Chaotic Reality」)に素晴らしいデス・ヴォーカル(DOUGEN)がいるので、叫ぶのはやめようと。今回は曲調的にGALNERYUSではできないものも多々あるし、それでいてGALNERYUSと共通点が出せているのも良かったですね。

-GALNERYUSではやらないことにもトライしたかった?

GALNERYUSにはメロディック・スピード・メタルという基盤があるので、そこから脱しないように意識してますからね。ソロに関してはそこまで意識せず......と言いながらも、バリエーション豊かにしすぎても、という気持ちはありました。

-今作の中で一番チャレンジした曲というと?

どうだろう。「REASON」はGALNERYUSでやってきたことがモロに反映されてますし、「Chaotic Reality」、「CACOTOPIA」あたりですかね。「Chaotic Reality」は7弦ギターを使っているんですよ、最近GALNERYUSでは7弦は使ってないですけど。「CACOTOPIA」もGALNERYUSではやらないテンポ感なので。これはBPM214で、ライヴで弾けるかなって(笑)。

-「Chaotic Reality」はグルーヴ・メタル、ポスト・ハードコア、シンフォニック・メタルが溶け合った、ありえないハイブリッド感です。

無理矢理感はあるんですけど(笑)、素晴らしいヴォーカルが彩ってくれたし、ありえないデュエットというテーマもありましたからね。"DOUGENさんとAKANEさんが一緒に歌う!?"っていう。

-ギターの歪み具合はGALNERYUSのSYUさんとはまた違いますよね? Dimebag Darrell(PANTERA)を彷彿させるなと。

おっしゃることはわかります。機材やトータルのサウンドも全然違いますから。いつもの音とは真逆で、いい感じの中音域は残しているけど、カットしている部分もあるから。ソリッドなメタル感が出ているので、こういう音も楽しいですね。メロスピの中域が抜けるのが僕らしいと思うけど、こういう曲ならこの音がいいだろうと。DOUGENさんがどう思うのか不安だったんですけど、"超かっこいいですね、(曲の)締め方が好きっす!"と言ってくれて、嬉しかったです。

-SYUさんにしか作れない楽曲だと思います。

メロディには自信があるんですけど、コア系はあまり経験がないので、新鮮ですけど、不安はありましたね。

-いや、文句なしのかっこ良さです。それと「REASON」は今作の中で最もバトル感が炸裂してて、これは思わず笑っちゃうすごさですね。

歌録りのときもすごすぎてずっと爆笑してましたから(笑)。Fukiの歌唱力にはビックリするし、歌詞を書く力や伝える力もすごいなって。

-そのFukiさんの歌声に対して、SYUさんのギターが一歩も引いてないので、それもすごいですよ。

改めて自分のギター・ソロを聴いたら、しょぼいなぁと思ったので、リード、バッキングも録り直しました。そうじゃないと、対等に再生してもらえないから。悔しいとかじゃなく、そうしないと、作品としてダメだなと思ったんですよ。なので、この曲は大変でしたね。

-お互いが真剣勝負で挑んでいるのが伝わってきましたよ!

自分のギターにもいい影響がありましたね。あと、ほかにもゲスト・ミュージシャンがいて、「Euphoria」の途中のギター・ソロはCRY VENOMのJacky Vincentが弾いてくれたんですけど、それにも刺激を受けました。今の若い速弾きギタリストは僕らよりテンポ感が1.5倍ぐらい速いんですよ。速さはオリンピック級ですね。なので、負けてられないなと。

-あと、小野さんが歌った楽曲「哀傷」は配置がズルいですね。

あえてバラードを歌う小野さんの歌声が貴重だなと思うし、そこも聴きどころですね。ギターもいらないと思ってましたから。その曲は小野さんのヴォーカルを際立たせたくて。

-HARUKA(TEARS OF TRAGEDY)さんが歌った2曲に関してはいかがでした?

HARUちゃん(HARUKA)は本当にきれいな声でね! 僕の中では癒しの声なんですよ。TEARS OF TRAGEDYのCDを車で聴いたとき、渋滞にハマッちゃってイライラして運転していたけど、そこで曲を再生したら、一気にイライラが吹っ飛んだんですよ。HARUちゃんの声は透き通っているし、"イラつかなくていいんだよ"って言ってくれてる気がして(笑)。聴く人をホッとさせる歌声だなと思うし、歌詞も感情的になりすぎずに人間的だし、優しさが出てるなと。Fukiとは対照的なので、そこがまたいいですよね。

-HARUKAさんが歌った「未完成の翼」の歌詞も生きるエネルギーを貰えるいい内容ですね。

この曲は"ポジティヴ疾走"という仮タイトルでした。聴く人をポジティヴな気持ちにさせてくれるようなって、それは狙いどおりにできました。今回は、実際に僕自身が各ヴォーカリストのライヴを観て、そこで心躍った感覚を聴いてくれた人にも感じてもらいたかったんですよ。それが伝わってくれたらいいなと。で、GALNERYUSの15周年ライヴ(EX THEATER ROPPONGIにて開催の"GALNERYUS 15th Anniversary ~Radiance~ The Notes Of Our Glory")が2月1日にあるんですけど、当日ゲスト出演してもらえるヴォーカリストに、このソロ作の曲をGALNERYUSのメンバーによる演奏で歌ってもらおうと思ってます。それも楽しみにしてもらえたらなと。