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INTERVIEW

GYZE

2018.06.12UPDATE

2018年06月号掲載

GYZE

Member:Ryoji(Gt/Vo) Shuji(Dr) Aruta(Ba/Vo)

Interviewer:山本 真由

海外での評価も高いメロディック・デス・メタル・バンド GYZEが、初となるシングル『龍吟』をリリースする。今作は、"北海道150年事業"の応援ソングにも決定し、多くのリスナーの耳に留まるであろうことが意識された、渾身の1枚となっている。激しくも日本的な美しさを持った収録曲は、ノリやすく感情移入しやすく、ライヴ・バンドとしての魅力が詰まっており、GYZEの入門編としてぴったりの内容だ。また、国内盤に収録されているMarc HudsonDRAGONFORCE)をフィーチャーしたクリーン・ヴォーカル・バージョンも聴きやすい。そんな圧倒的自信作であるという今作について、メンバー3人にメール・インタビューで迫った。

-1stシングル『龍吟』の完成、おめでとうございます。今作が初のシングルということになりますが、今回シングルという形で出そうということになったのはどうしてですか?

Ryoji:まず、「龍吟」のデモができた段階でメンバーからすごく評価されたんです。"これまでに聴いてきたどのアーティストのどの曲よりも一番好きだ"と。そのときはまだ"きっと何かエネルギーやマジックのある曲なんだろうな~"と言って流してました。その同時期にとある取材を受けたときに、"北海道150周年"の話題になってピンと来たんです。それはこの曲が持つ雰囲気とリンクするなと思って。そして、"シングルとして聴いてもらうべきだ!"と思いました。

Shuji:今作の「龍吟」に関しては、特に心に響いた楽曲で、いち早くみんなに聴いてほしいなと思っていたのでとても嬉しいです! この曲は特に思い入れが深いです!

-前作のアルバム・リリース(2017年リリースの3rdアルバム『Northern Hell Song』)から1年3ヶ月ほどですが、今作に着手されたのはいつごろからでしょうか?

Ryoji:4thアルバム用の15曲以上は2017年のうちに仕上げてました。今回の曲は2018年の2月以降に書いたもので、シングルの話も急に浮上しました。

Aruta:レコーディングに関しては、北海道に滞在してアレンジから進めていきました。デモの時点で"これはイケる!"という確信があったので、作業自体はすごくスムーズでしたね。1週間ほどですべて終わったと思います。

Shuji:仙台行きの飛行機の中でRyojiにデモを聴かされたんですが、久しぶりに自分のどツボすぎる曲に出会ったなと思いました!

-今作の冒頭を飾るTrack.1「Japanese Elegy」は、主旋律が和っぽい音階で、怒濤のようなドラミングで疾走感があるなかに和楽器のような音も鳴っていて、まさにGYZEらしい、パワフルなのに繊細な楽曲だと感じました。自然の音も取り入れたりしていますが、この曲のアレンジで特に大事にしているのはどんなところですか?

Ryoji:GYZEにとって定番のBPM190の2ビートに、おっしゃるとおり日本的な音階が際立つことを意識しました。それと会場でオーディエンスが合唱できるメロディ。1音1音が非常に大事で、シンプルにする難しさはありましたね。作業の終わり間際でShujiのドラムに変更があったんですが、それによりこの曲がガラッと変わりました。個人的には表題曲よりも衝撃がありましたね。この衝撃はGYZEの初期のアンセム「Desire」(2014年日本リリースの『FASCINATING VIOLENCE』収録曲)ができたときと同じ、もしくはそれ以上のマジックがあると思いますね!

Shuji:デモ段階では、ドラミングは激しくなくイントロも8ビートでした! ですが、やっぱり"GYZEは2ビート、ツーバスでしょ!"とのことで、だいぶドラムに関しては変身させました!

-また、歌詞はほとんど英語詞だった中に、いきなり般若心経の引用が出てきたりするところも面白いですよね。なぜ般若心経を入れようと思いついたのでしょうか?

Ryoji:この曲は日本の悲しき歴史を伝えようとしました。それは第2次世界大戦だったり、アイヌ侵略だったり......。般若心経は、内容が好きなのと、日本人としてのアイデンティティを出したかったこと、響きが世界で唯一無二になると感じたからですね。とはいえ僕は仏教を信仰してる意識は低いし、どちらかといえば神道が好きだったりします。言うならばジャパニーズ・ペイガンってところですかね。

-そして、タイトル・トラックでもある「龍吟」は叙情的なメロディですが、コーラスが入ったり、コール&レスポンスのようなシンガロング・パートがあったりと、ライヴ映えしそうな楽曲ですね。制作段階から、ライヴでのイメージはできていたのでしょうか?

Ryoji:まず日本人しか使わないであろう音階を使うことを意識しました。あとは、メンバー3人の顔が浮かぶような、そしてオーディエンスの顔が浮かぶような曲にしたかったんです。アレンジもメンバーのアイディアもたくさん入ってます。メンバー全員で"オー"ってコーラスしてるところは、特にお気に入りです。GYZEも前身バンドから数えて10年以上ステージに立ち続けているバンドになりました。40日間で36回、ヨーロッパでプレイして"ライヴがなんなのか?"がわかってきました。昔は"芸術の追求こそが作曲だ!"と思っていたけど、GYZEはライヴをしていくバンドなので、無意識にライヴを想定したパートも多くなりましたね。デス・メタルやメタルという言葉で、取っつきにくい人にも聴いてもらいたい曲だし、メタルを何十年も聴いてきた人たちにも響く曲にしたいと思いましたね。

Shuji:そうですね、ライヴでのイメージは3人ともしていました! これからGYZEはもっとみんなと一緒に歌って、一緒にライヴを作り上げていくバンドになりたいです! 今作でGYZEでは初のヴォーカル・コーラスもチャレンジしました。三重奏も注目して聴いてもらえたら嬉しいです!