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INTERVIEW

摩天楼オペラ

2016.11.04UPDATE

2016年11月号掲載

摩天楼オペラ

Member:苑(Vo) 彩雨(Key) 燿(Ba) 悠(Dr)

Interviewer:荒金 良介

-この曲は自分の中にあるどのへんの引き出しを探しました?

苑:前向きなメロスピが好きなんですよ。ただ、明るいだけのメタルではなく、切ないメロディも好きなので、明るさに必ず哀愁がつきまとうテイストですね。X JAPANに出会った小学生のころを思い出しました。

-そこまで遡ったんですか。

苑:はい。僕の始まりはX JAPANですからね。ヴィジュアル系とヘヴィ・メタルの両方をやってるバンドじゃないですか。『ART OF LIFE』(1993年リリースの4thアルバム)から入ったんですけど、ジャケットもYOSHIKIさんの顔半分が骸骨になっているし、普通じゃないなってシビれましたからね。曲もヘヴィ・メタルとクラシックが融合していたので、"こんな音楽があるんだ!"と思って衝撃を受けました。今回はそこに戻ろうと。

-苑さんからこの曲を提示されたときはどう思いました?

彩雨:摩天楼オペラらしい曲だなと。最初は骨組みだけでアレンジはなかったけど、4人が完成形を共有できましたからね。

燿:メロディが苑君っぽいし、いい曲だなと思いました。

悠:僕は腕の不調を抱えていたので、そのことで頭がいっぱいでした。自分が満足にドラムを叩けなかったから、やっていけるのかなという不安の方が大きくて。でも、この曲は自分が高校生のころに叩いていたアプローチを詰め込んでます。僕も明るいメロスピが好きで、当時はX JAPAN、HELLOWEENをよく聴いてましたからね。ドラムはかなりシンプルにしました。

-彩雨さんはどうですか?

彩雨:今でもX JAPANはいますけど、00年代のX JAPANになりたいなと。我々が本流だと思うんですよ。この作品を作って、よりいっそうそういうふうに思いました。自分がこの業界を担う存在だからこそ、どうするべきかを考えるようになったんです。今まではただ思いついたことをやっていたけど、今は責任感に溢れてますね。

苑:メタル界では、これはシンフォニック、これはジャーマンとか、いろんなサブ・ジャンル名をつけられるけど、そのカテゴリーさえも飛び越えたいってこと?

彩雨:いや......うまく言い表せる言葉が出てこないけど、ヴィジュアル方面からはメタル・バンドと言われ、メタル方面からはヴィジュアル系じゃんと言われ、この人たちは違うことをやってると言われることが多々あった気がして。そうじゃなく、"摩天楼オペラを見習え"みたいな。

悠:う~ん、なんとなくはわかった(笑)。

-自分たちなりの王道を突き詰めていこうと?

彩雨:そうですね。僕はこのバンドが王道だと思っているんですよ。そう思って今作の制作に臨んだので、その意識の違いはありますね。

-では、「PHOENIX」ができたあとは今作の制作もスムーズに?

苑:一本線ができてからは、ガーッと行けましたね。彩雨がすぐに今回のコンセプトに沿うメタル曲を作ってくれたし、僕と彩雨が作っていないロック寄りの曲を燿が作ってくれて、1枚のミニ・アルバムとしてバランスが良くなったなと。

彩雨:最初の打ち合わせではシングルの予定だったけど、新体制一発目なので、曲を増やしたいと思ったんですよ。

-なるほど。冒頭を飾るTrack.1「The RISING」からの「PHOENIX」は組曲的な流れがありますね。

彩雨:「The RISING」は船出というか、旅立ちみたいなイメージでしたからね。今はライヴのSEに使っているんですよ。やっぱり全国ツアーもやりたいので、早く音源を出したかったんです。

-Track.4「GREEN WORKER」は燿さんが作った曲ですけど、これは他とは色合いの違う曲調を意識して?

燿:8ビートの曲がなかったし、今メンバーにギターがいないので、リフものの曲が欲しいなと。スピード・メタル系のリフだとギター優先になるんですけど、この曲のテンポだと、ギターとベースでユニゾンできますからね。そういう曲もあったらいいなと思って。