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INTERVIEW

ナノ

2016.10.24UPDATE

2016年10月号掲載

ナノ

Interviewer:沖 さやこ

-アニメver.のTrack.2「bittersweet」はcomicoで連載中の漫画"カカオ79%"のタイアップ曲。これは主人公の男女のうち、一ノ瀬勇君の心情がそのまま描かれているのかなと思いましたが。

そうです。"カカオ79%"は一見コミカルな青春ストーリーだから、ふわっとした恋愛ソングの方が合うんじゃないかという考えもあると思うんですけど、自分の場合は捻くれてるので(笑)。カカオ79パーセントのチョコレートって苦いじゃないですか。だから作者さんは、コミカルな雰囲気や青春の裏にある苦しみやほろ苦さをイメージして作品を描いていらっしゃるんじゃないかと自分は勝手に解釈して。それで歌詞も恋愛のつらい部分や葛藤、大人の要素を入れてみました。作品に寄せた曲ではありますけど、やっぱりいい出来事があったとしたら、それをいいと感じるのはそれまでに陰の要素があったからだと思うんです。だからこういう歌詞になりましたね。

-ナノさんがラヴ・ソングとは。おまけに切ない片想い。

そうなんですよ。ラヴ・ソング自体これまでほぼ作ってないので、リスナーのみなさんも意外に思うだろうな(笑)。新しい挑戦でしたね。自分の場合はタイアップ曲を制作するとき、主人公に自分を置き換えてみて想像しながら書くことが多いんですけど、今回は一ノ瀬勇に気持ちを持っていって。彼の見せるコミカルな部分は、つらい気持ちを隠そうとするがゆえなのかなと思ったので、こういう歌詞になりましたね。ストーリーを思い浮かべながら勇になりきって歌いました。

-ナノver.のTrack.2「HolloWorld」はナノさんが作詞で、作曲はMY FIRST STORYのSho(Gt/※活動休止中)さん。MY FIRST STORYとのタッグは2013年にリリースした3rdシングル表題曲「SAVIOR OF SONG」以来です。

はい。ずっとまた一緒にやりたいと思っていたので、すっごく久しぶりにコラボできたのが嬉しいです。

-このインタビューの時点ではまだレコーディング前とのことで、私もまだ音源を聴けていないのですが、どんな楽曲なのでしょう?

もちろんSho君の曲なのでロックなんですけど、WEST GROUNDとSho君は同じロックでも全然違って。Sho君はMY FIRST STORYの活動があるから、音作りもバンドならではの強みがあるロックに仕上がっているので、ナノにとっても新鮮な楽曲になるんじゃないかと思います。自分が書いた歌詞は素直なものになりました。いつもより捻くれていないというか、ストレートですね。いつものように内面の葛藤を描く歌詞というよりは、タイアップもついていないので、表向きでロックな歌詞になっていると思います。それはSho君のエネルギーの影響もありますね。

-ナノさんが思うShoさんの魅力とは?

自分にはバンドの経験がまったくないので、自分にないものを持っていることがすごく魅力的ですね。曲を作るだけでなく、その曲を表現するパフォーマーでもあるので、エネルギーが外に向いていることを曲からも感じます。Sho君の作る曲には、自分がパフォームしている経験が入っているんですよね。それも、然るべきところに間があって歌いやすい。ステージに立ったことがある人ならではの観点が曲に入っていると思います。

-ナノさんもライヴをたくさんやっていらっしゃるので、共鳴する部分もありますよね。

ライヴはやるたびに必ず刺激や発見があるので、本当にきりがないですね。マンネリ化することはないと思います。自分のパフォーマンスをどこまで磨けるかは大きな課題だし、どこまでも磨いていけるものだと思うので、ライヴのたびに"次はどうやって進化できるか?"と考えています。だからライヴはこれからもどんどんやっていきたいですね。

-Shoさんから歌詞に関してのオーダーはあったんですか?

まったくないです。ここ数年で一番自由な作詞作業だったんじゃないかな(笑)。歌詞に関する感想はSho君から聞いてないので、ちょっと怖いですけど(笑)。レコーディングではSho君の意見を聞きながら歌いたいですね。5周年に向けて、これでまた新しい引き出しを開けられたかなと。いろんなことに挑戦するのは本当に刺激的だから、今回Sho君と一緒にやれて良かったですね。曲に対しては愛しかないので、曲を超えたいとは思わないけど、いい曲に負けない歌詞を書きたいし、負けないパフォーマンスをしたい。与えられた期待を超えたいです。

-まさしく自分との戦い。ナノさんが自分と向き合うことはかなり重要なことなんですね。

人と戦うのは大嫌いですけど、自分と戦うのは専門分野かもしれないですね(笑)。自分を表現したり自分を強く持つことは自分にしかできないことだし、誰かにそれを任せることはできない。事務所やレコード会社も"ミュージシャン・ナノ"をしっかり支えてくれるけど、それを強く発信するのは自分にしかできないこと。それを忘れたらいけないと思ってます。だからこの1年で自分と向き合う時間がしっかり取れて本当に良かったですね。

-このインタビューが世に出回るころにはデビュー5周年に向けた5つのトピックのうち4つが発表されていますし、そちらも楽しみにしています。

自分にとってデビュー5周年は本当に大きなマイルストーンなんです。5年という期間はいろいろ成長できる長さでもあるし、5年という節目の機会を利用して自分と向き合って振り返るというのは大事だと思うんですよね。だからものすごく気合いが入っています。デビューしたころは5年先のことなんて見えてなかったけど、いざ5周年を目の前にしたら"いやいや、まだまだ全然やりたいことあるぞ、こんなもんじゃないぞ!"という心境ですね。

-ナノさんはまだまだやりたいことがたくさんある。

まだまだありますね。100年経ってもやりきれないと思います(笑)。やっていないことも、今できないことも、これからやればいい。来年の予定はもうかなりがっしり組んでいるし、今までにないものを発信していけると思うので、本当に楽しみにしていてほしいですね。『DREAMCATCHER』は5周年に向けての一発目のシングルですし、今の時点でも5周年に向けて吸収できるものはまだまだあると思うので。リスナーさんにも楽しみにしていてほしいけど、それ以上に自分が楽しみです。