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INTERVIEW

摩天楼オペラ

2015.04.07UPDATE

2015年04月号掲載

摩天楼オペラ

Member:苑 (Vo) 彩雨 (Key)

Interviewer:荒金 良介

-楽曲の話に戻したいのですが、今回は全3曲とも個性的でアクの強い楽曲が揃いましたね。

彩雨:「Round & Round」は昔から骨組はあって、『AVALON』の制作が終わったあとに次どう曲を作るか話し合ったんですよ。僕がその骨組の続きを考えるときに劇的な要素を織り交ぜてアレンジしようと。「蟻の行進」も頭の片隅にそういう考えはあったと思います。

-「Round & Round」は彩雨さんの作曲ですよね。

彩雨:そうですね。この曲は"オペラ座の怪人"みたいなフレーズを混ぜて、映画音楽っぽくクワイアを乗せつつ、サビはダンス・チューンみたいに仕上げようと。アレンジもスムーズにいきましたね。曲の最後でテンポを落としたところも音源ならではだし、ライヴはまた違うアレンジをしようかなと。

-フェード・アウトする終わり方もユニークですね。

彩雨:キーを丸ごと落とす感じで、再生スピードを遅くしてるんですよ。アイディアが以前からあったけど、あの手法は長いバンド人生の中でも1度しかできないと思うから(笑)。このタイミングでやってみました。

苑:「Round & Round」は高音すぎず、自分の表現したい歌いやすいキーで歌えました。あと、Aメロはちょっといやらしい感じがしないですか? それもうまくできたなと(笑)。

-歌詞も艶かしいですもんね。

苑:そうですね。なぜか彩雨の曲は女性目線の歌詞になったり、歌詞を書くうちにいやらしくなってくるんですよ(笑)。

彩雨:この曲のタイトルは僕らとお客さんが言うところなので、言いやすい言葉にして欲しいとお願いされて。例えば"Round & Roundは?"と言ったら、"それいいね!"というところから始まったんですよ。言いやすいフレーズを探る中で出てきた言葉で、そのままタイトルになりました。

-RATTの名曲を思い出すタイトルです。

苑・彩雨:ふふふふふ。

苑:今日、別の方からも同じことを言われました。

彩雨:違う世代だと、L'Arc~en~Cielなんですよ(笑)。

-なるほど。ラスト曲「蟻の行進」はかなりトリッキーな曲ですね。

苑:スタジオで"せーの!"でやってるようなロックをやりたかったんですよ。ドラムを見ながら、みんなで合わせるような曲が欲しくて。メンバーも理解してくれて、ギター・ソロ、キーボード・ソロもほぼリバーブもかけず、スタジオで5人でやってような空気感を出せたと思います。

-歌声もドスが効いてますよね。

苑:最近ライヴでもああいうモードに入る場面があるので、それをレコーディングでもパッケージしたいなと。それで最初のシャウトもライヴでやってるようなニュアンスを落とし込みました。「蟻の行進」は構築美というより、人間の生々しさが合う曲だと思ったので、ヴォーカルもライヴっぽくしたんですよ。

彩雨:言い忘れてましたけど、今回は"ファンタジー"という言葉もキーワードにあったんですよ。バグパイプを使ったのもそういうところにあるんですよね。この曲はファンタジーという言葉が頭の中にあったから、リフはドリアン・スケールのフレーズを入れて、RPGっぽいテイストを入れることで、ミスマッチなものが化学反応を起こしてる雰囲気を出せたらいいなと。シンセ・ソロもあえて笛でやったり、ハッとする劇的な仕掛けを意識しました。あと、途中でテクノっぽいアレンジにしたところを含め、驚きの要素をふんだんに取り込みました。次の摩天楼オペラを示す意味でも入口的な3曲になったと思います。これを引っ提げてツアーを回りますけど、2015年の摩天楼を示せるシングルとツアーになるんじゃないかな。

-「蟻の行進」は、ディズニーランドのホーンテッドマンションみたいな空気感もありますよね。

彩雨:あっ、それです!

苑:そういうことですね。

-それでいいんですか(笑)?

苑:今もそういう曲を作ってるんですよ。彩雨も"ハッとするパートを作りたい"と言ってましたが、"次どうなるんだろ?"と思わせる曲を作りたくて。

-笛とギターが掛け合うパートもとても面白いですね。

彩雨:メルヘン感も出てますよね。あそこは普通の音にしなくて良かったです。

-今作を出したあとはレコ発ツアーですか?

苑:5月6日から全国ツアーが11本あります。この3曲を主軸にしたセットリストを組んで、このあとに何を出すかはまだ未定だけど、次への展開を感じられるツアーにしたいですね。"『AVALON』プラス新曲3曲やりましたではなく、こういう方向に向かっているんだよ"という内容を提示したいですね。