－アルバム全体について言えることですが、1stアルバムですでに確立されていたGYZEのスタイルを、迷いなく推し進めた結果を凝縮した2ndアルバムという印象を強く受けました。迷いなく制作に入れたのではないですか？

作品を作るうえでの迷いはなかったですね。メジャー・デビューさせていただいても、変に大衆受けを目指して曲を作りたくないと考えていて、クリーン・ヴォイスが減ってたり、リード・ギターがしっかり鳴ってるような、自分の内面にあるイメージをしっかり出して作りたいと思っていました。結果として、作品は超メロデスになってもう大満足です。

－つらい時期だったという話ですが、どういった状況だったのですか？

1stを作り始めたあたりから、環境を変えて東京に出てきて、夢を追っていきながらも時間がどんどん経っていって、さらにその一方で人間とは何かというようなことに自分がすごくフォーカスして考えてしまっている時期だったんですよね。そのときのことがインスピレーションのもとになっていたり、エネルギーになってアウトプットに繋がっていたので、結果的にはいい経験になったなと今は思います。

－そこから抜け出せたきっかけはあったんですか？

頻繁に北海道に行っていましたね。あとは今マネジメントをしていただいている会社の社長に出会って、経験ではなく科学的にいろいろ教えていただいたことがあって。それから、悩みには理由があることとか、その理由とかを自分で考えていけるようになったのが大きかったですね。それからは強くなったように思います。去年は本当に悩んで1回全部終わらせようかとまで考えていたんですが、そういうときに助けられて今に至っています。

「BLACK SHADOW」でのギター・ソロの入りからの展開がすごく気持ちいいですね。この曲に限らず、ギター・ソロのパートはかなり練りこまれていて力を入れているように感じますが実際はいかがですか？

ギターに関して力を入れないことはないですね（笑）。この曲は18歳ぐらいのときに作った曲で、以前のバンドのSUICIDE HEAVENの作品にもオリジナル版が入っています。路上でエレキしてたときも必ずやっていた曲なんです。いつもは完璧主義なのでレコーディングは何テイクも録ったりセクションを分けたりするんですが、この曲は人間味を出したくて1テイクでいくようなやり方を試してみました。曲の構成は18歳の自分に聞かないとわからないですけどね（笑）。

－（笑）ギター・ソロそのものが減ってきた最近の流れがあって、特に若手ではギター・ヒーロー的な人も出てこなくなってきたような気がするんですけど、この曲を聴いていてそういう状況に対するアンチのような気すらしてきました。

ギター・ヒーローのような存在に僕自身がなりたいという気持ちがありますね。屍忌蛇さん（VOLCANO）がいて、Syuさん（GALNERYUS）がいて、その次がまだいないな、と思っているのでそれを受け継いでいって、打倒Alexi Laiho（CHILDREN OF BODOM）でいきたいと思っています。そういう自分像はしっかりと持っていたいと考えていますね。

－ワンマン・ツアーではサポート・ギタリストを入れていましたが、今後はどうなりますか？

ワンマン・ツアーまではやってもらいましたが、そのあとの追加公演では撮影もあったので3人だけでやりました。僕はエゴも強いギタリストだと思うんで、もうひとりギタリストを入れるのには慎重になってしまうんですよね。3人でやるときは"リアンプ"させてふたりギターがいるように鳴らすことも可能だし、そういういろんな機器の発達の中で、可能性のある新しいやり方のひとつなんじゃないかな、と思っています。今後もサポートが入るときもあるかもしれないですし、3人でやっちゃうときもあると思います。