DISC REVIEW
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今最も踊らせてくれるラウド系バンドの1つ"サンエル"が、期待通り抜群の安定感を持った新作を届けてくれた。アッパーでライヴ映えのするTrack.2、ダブステップもハードコアも多様な要素を高揚感たっぷりにまとめ上げたTrack.3、そして間違いなくライヴで大合唱になるTrack.5は、キッズの心の支えとなるアンセムになるだろう。しっかりしたメロディの核と、タフなヘヴィネスを併せ持ちつつも、エモ・バンドともメタルコア・バンドとも一線を画す楽曲のノリやすさは、EDMとの融合という今どきの派手さだけでなく、ポップパンクのカラッとした響きにも裏付けされている。また、テクニカルではあるけれども、リスナーを置き去りにしない曲展開とキャッチーでわかりやすいサビという、ある一線を越えて大きな舞台へ羽ばたくバンドにとって欠かせない土台もしっかり持っているので、ヘヴィなパートもポップに楽しませてくれる。 山本 真由