LIVE REPORT
TRiDENT
2025.01.24 @Spotify O-EAST
Writer : 杉江 由紀 Photographer:nishinaga "saicho" isao、青木功太
かわいい子たちは旅を経ていっそうの団結力と頼もしさを身に付け帰ってきた、ということだろう。昔からある例のことわざは、やはり間違っていないようだ。
"O-EAST(Spotify O-EAST)最高です、ありがとう! あっという間に「TRiDENT DUX TOUR 24-25」が今日ここでファイナルを迎えましたが、私たちにとっては今回が過去最多本数のツアーになりました。アルバム『DUX』を出して2ヶ月半かけて回った10ヶ所は、初めて行ったところもいろいろあったし、長いようでとっても短かったです"(ASAKA/Vo/Gt)
"今までは東名阪とかやったから、ちゃんとこうして10本のライヴをやってこられたのが嬉しかったよな。あと、今回はセトリも各地でほぼ変えずにやっていったんですよ。それがほんまにバンドとして日々ブラッシュアップされていく感じがありました。そして、移動時間も3人ずっと一緒やったんでそれも全部楽しかったです!"(SERINA/Ba/Cho)
"ツアー終わっちゃうのが悲しすぎる! 今日もみんなの声がデカすぎてヤバい。さっきなんて嬉しすぎて泣いちゃいそうだったもん。でも、堪えた(笑)"(NAGISA/Dr)
TRiDENTが昨秋リリースした2ndフル・アルバム『DUX』は、ここまでに発表してきた3枚のミニ・アルバム『D-X』、『Dream Up』、『spice "X"』を集約した上で、堀江晶太(PENGUIN RESEARCH/Ba)が制作に参加した新曲「Haha!」、AliAのEREN(Gt)が手掛けた新境地のバラード「U」、さらに今や彼女たちにとっての代表曲としてライヴでもガチ盛り上がりする「CRY OUT」等も詰め込んだ、大充実の仕上がりとなっていたことは未だ記憶に新しいわけだが、その作品を携えての年を跨いだ全国ツアーで、TRiDENTはライヴ・バンドとしての経験値を飛躍的に高めたものと思われる。
まさに曲タイトル通りの破壊力を持つ「KICKASS」で幕開けした、この夜の渋谷O-EAST公演では、しょっぱなからワイルドでいて隙のない演奏ぶりを披露したことで聴衆側も煽られたのかフロアではモッシュ、リフト、サーフ、ダイヴの波状攻撃が巻き起こることに。かと思えば、SERINAのスラップ・ベースがバキバキに決まっていた「Haha!」では、NAGISAの刻む力強いビートに合わせて、観客たちが踊りながら暴れるという事態が起きただけでなく、曲間ではASAKAのトリッキーなギター・ソロも投下され、その上サビでは、オーディエンスが自発的に"Wow Wow"とシンガロングをしてみせるエモい一幕も。
また、本編中盤では本来ASAKAが愛犬、ぷてぃ君のために作ったというバラード系ラヴ・ソング「U」を、"今日はここに来てくれているみんなに向けて歌いたいと思います"と語ってから、丁寧に歌い上げていく場面もあり、単にブチアガるだけにとどまらないかたちで、TRiDENTの音楽をじっくり堪能するひとときを過ごすこともできた。
"今回のツアーでは改めて、みんなから言葉では表せないものをたくさん貰いました。私たちはそれに対して次の活動で恩返しをしていくべく、今年はここからどんどんいいお知らせをしていけるようにしていきます。今日の段階ではまだ何も言えませんが、みんなに「TRiDENTに付いて来て良かった」って思ってもらえるようなことをやっていくつもりです。だから、モタモタしてたら追いてっちゃうよ(笑)。もちろん、そうならないよう、私たちも全員をいつか「約束のあの場所」に連れて行けるように頑張るので、まだまだ付いて来てください! よろしくお願いします!"(ASAKA)
頑張り屋でもあるかわいい子たちの旅が、ここからもより佳きものとなりますように――。
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