DISC REVIEW
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なりたいものになるために、彼女たちはそうなるべく動いたわけだ。"D-X"という言葉を冠した今作において、TRiDENTは「Spoopy」をPaleduskのDaisuke(DAIDAI/Gt)と共に制作、「CRY OUT」ではPENGUIN RESEARCH堀江晶太(Ba)とタッグを組むことで、確実に新領域へと到達してみせたのである。ここに挙げた2曲以外も各曲で外部アレンジャーとのコラボが図られており、そうしたプロセスから得られるものをすべて貪欲に吸収したうえで、バンドとしてのポテンシャルを高めることに繋げてみせた、というところが今作から窺える最大の特徴と言えよう。そしてそんな今作を踏み台にしながら次のフェーズに移行していくところまでが、おそらくひとつのストーリーとなるに違いない。 杉江 由紀