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LIVE REPORT

アイリフドーパ

2024.10.08 @恵比寿LIQUIDROOM

Writer : 吉羽 さおり Photographer:Takahiro Takinami

アイリフドーパが、10月8日の"ドーパの日"に恒例のライヴ企画"アイリフドーパ presents 「DOPANOHI -AWAKENING-」"を恵比寿LIQUIDROOMで開催した。

打首獄門同好会を迎えてのツーマンとなった今回のライヴは、4年越しで実現したもの。2020年4月に打首(打首獄門同好会)をゲストに迎え、同会場でアイリフドーパ結成10周年の集大成ライヴ"Unveiling Creatures Anthem Tour Final & Ailiph Doepa 10th Anniversary 「AWAKE」"を開催予定だったが、コロナ禍であえなく中止となった経緯もあり、待望の一夜となったわけだ。打首のステージで大澤敦史(Gt/Vo)は、"本来、2020年に10周年おめでとうと言うはずだったけど──改めて、アイリフドーパ14周年おめでとうございます"と祝し、いつかやろうと話していたライヴがようやく叶ったと、積年の思いも乗った重量感増し増しのサウンドで会場を揺るがす。「デリシャスティック」では事前に配布されたうまい棒を掲げ、「筋肉マイフレンド」では観客も一体となって深くスクワットし、「島国DNA」では2匹のマグロの浮き輪が元気良くフロアをダイブする。ドーパ(アイリフドーパ)のファンも打首のライヴの楽しみ方をしっかりと心得ており、会場に熱気を立ち上らせた。

"ついに来たかこの日が。ドーパの日でございます。始めようぜ"というEyegargoyle(Vo)の叫びで、「DEUS EX MACHINA」でスタートしたアイリフドーパのライヴは、大きなシンガロングで沸き、フロアにはサークルが出現。多彩なジャンル間を縦横無尽に行き来するしなやかで重厚なバンド・アンサンブルと、奇天烈にポップなメロディとが合わさったカオスなサウンドで早くも観客の頭と身体をシャッフルしていく。今夏にリリースしたプログレッシヴな「DEATH BABOON」では観客を右に左にと揺さぶり、ヘヴィなグロウルとビートを叩き込んでいった。フロアのノリは抜群だ。今回のドーパの日は週のど真ん中で、平日開催となったが過去最高の動員になったという。"すでに勝ち確なんです。最高の日にしたい"(Eyegargoyle)と「Edo Word」、「SE・SA・ME」を連投してさらなるヘヴィネスの深淵へと観客を連れ立っていった。

中盤、改めて4年前を振り返ったEyegargoyleは、当時バンドが乗ってきたところでのコロナ禍で、いろんなことがぶち壊されたと語る。"でも4年前の俺、安心しろ。見たかった景色、見てるから"と興奮に沸き立つLIQUIDROOMに放つ。また、この4年でより強い曲もできたと後半は、今年リリースしたシングル『I made this for you』から「O・B・E・L・I・S・K」と「借り暮Ra死のヘカトンケイル」、そして"アイリフドーパの曲は難しいので普段こういうことはしないですが、できたてほやほやの曲を"とライヴ翌日の10月9日に配信された新曲「NEVES」を初披露した。この「NEVES」もまた、いくつもの要素が結合した歪にしてなぜだかキャッチーなケルベロス的なサウンドとなっているが、Donaldy Ketchup(Dr)、RedZibra(Ba)、Paprika Papriko(Gt)共にアグレッシヴなアンサンブルで魅せる曲にもなっている。

この日、Eyegargoyleは新衣装のお披露目でもあったが、あまりの激しさにさっそく衣装のパンツが破れてしまうハプニングも発生。それでも続く「Millennium Song」でフロアへと飛び込んで、クラウドサーフで後方のPAからステージへと往復する。勢いは止まらないなかラストは、「My right hand thumb is a Kraken」。打首のステージではフロアをまぐろが飛び交ったが、この曲ではエビやカニ等甲殻類の浮き輪(フロート)が宙を舞う。観客のジャンプや歓声が一段と高く上がって最高に無茶苦茶で、晴れやかな祝祭感が爆音とともに会場を駆け抜けていくライヴとなった。

アンコールでは、打首の大澤とjunko(Ba)もフロアへと飛び込んで観客と揉みくちゃになり、またクラウドサーフする等、この4年越しのツーマン・ライヴを祝した。今回、強力な新曲が披露されたが現在6thアルバムの制作も進行中ということで、その完成も待ち遠しい。

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