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INTERVIEW

Ailiph Doepa

2019.12.20UPDATE

2019年12月号掲載

Ailiph Doepa

Member:Eyegargoyle(Vo)

Interviewer:荒金 良介

ラウド・シーンで頭角を現しつつあるAiliph Doepaが3曲入りニュー・シングル『Cocoon』を完成! 今年はすべての楽曲を手掛けるEyegargoyle以外のメンバー3人が作った楽曲を収録した9曲入りアルバム『We made this』を来場者に無料付与するなど、いろんな面白い試みにチャレンジしている彼ら。今作もまた"含み"のある内容になっており、後に明かされる壮大なプロジェクトへの予兆を孕んだスピリチュアルな1枚に仕上がっている。世間をザワつかせているバンドの首謀者 Eyegargoyle単独で話を訊いた。


ドーパが戻った雰囲気も感じてもらいつつ、今までとは違う違和感を覚えた人もいると思う


-昨年は"DEAD POP FESTiVAL"に出演した4ヶ月後に前作『OXYGEN』(2018年リリースの3rdアルバム)を出して、いい流れでしたよね。それ以降のバンド状況から教えてもらえますか?

今年2月までツアー("Ailiph Doepa 3rd Album「OXYGEN」 Release Tour 「酸素活動(しなさい) TOUR」")をやって、"DEAD POP FESTiVAL"の影響なのか、地方のライヴの動員も伸びたんですよ。だから、今作のツアーでは俺らだけでも回れるなぁ、という段階に突入してます。で、2月の渋谷 CYCLONEでのワンマンは前回100数十人だったのが、2ヶ月前にソールドしましたからね。そのCYCLONEで次のプロジェクトに移行しようと思い、ライヴのエンドロールで伏線を張って、僕がサナギになったような映像を流して、"音楽に疲れました、曲を作るのをやめたので、ほかのメンバーが曲を書いて、それだけで1枚アルバムを出します"と告知したんですよ。

-それが『We made this』のことですよね。

はい。実験的な作品だからメディア展開はせず、"CD強制付与GIG"、"CD強制付与TOUR"ということで、無料でCDを配布するイベントをやったんですよ。7月に初めて企画をやって、それもソールドしたし、9月の地方ツアーもいい感じでしたからね。で、"CD強制付与TOUR"の最後に"実は僕、曲を作ってました。『Cocoon』が出ます!"という流れですね。

-ほかのメンバー3人の楽曲のみの作品を出そうと思った理由は?

単純に面白そうだから、前からやってみたくて。でもスベる可能性もあるから、いいタイミングでフワッとやれないかなと。年末にクラウドファンディングをやったんですけど、「Lemon」(『OXYGEN』収録曲)が僕は一番好きな曲だったので、ガッツリしたMVを作りたくて。140万かかるから、これはクラウドファンディングが必要だなと。そしたらまさかの250万以上集まっちゃって。ゴール100万円だったのに、200万も突破したんでアルバムも作っちゃおうと。で、売る必要はないから無料で配布したんですよ。

-なるほど。

自分のアイディアとタイミングも合致したから、いい繋ぎになったのかなと。そのCDはとっくに廃盤にしました。

-クラウドファンディングでお金が集まらなければ、『We made this』は出さなかったかもしれない?

そうですね。ネタが切れたときのアイディアとして取っておいたから。普段は俺が曲を作っているけど、ほかのメンバーが作ることでまた違うドーパ(Ailiph Doepa)を感じてもらいたくて。今までもメンバーが曲を持ってくることもあったけど、却下してたんですよ。良くも悪くもドーパっぽくないから。あんま人の曲に気持ちを乗せるのが得意じゃないんで、自分も適当になってしまうんですよ。自分が作った曲しか愛せないところがあって。だから、『We made this』の歌詞も自分で書いたけど、めちゃくちゃ適当です。

-はっきり言い切ってますが(笑)。

歌詞カードもつけてないんですよ、自分で耳コピしてって。『We made this』に関してはアナザー・ストーリーというか、俺がドーパの雇われヴォーカルだったらみたいな立ち位置ですね。今まで自分がやってきたことの逆をやりたくて。レコーディングも楽しかったです。いつもなら言い回し、曲間にもこだわるけど、全部一発OKにしました(笑)。人のこだわりって、自分にはどうでもいいことなんだなって。

-そこで新たな発見はありました?

俺がこだわってることも他人からしたら、大したことないんだなって。自分のスタンスは変わらないけど、良くも悪くもラフになりました。僕の中では2022年ぐらいまで計画は作ってて、今回もその伏線になってるんですよ。

-そんな先まで展望があるんですね!

まだ詰め切れてないところもあるんですけどね。気持ち的にはラフに音楽を楽しもうかなと。こだわりすぎないほうが楽にできるし、考えが行き詰って、音楽をやめちゃう人もいるだろうから。今回のツアー・ファイナルは史上最大キャパなので、ここだけ気合を入れて臨もうと。

-ええ、それも追って聞きます。今作は『We made this』を挟みつつ、『OXYGEN』からは約1年ぶりのシングルで。今回はEyegargoyleさんが手掛けた楽曲を収録しているわけですよね?

そうです。『We made this』からの振れ幅も感じてほしくて。あの作品をスルーした人はそうでもないかもしれないけど、"やっぱり俺の作る曲のほうがいいでしょ!"って(笑)。一度ほかのメンバーの料理を楽しんでもらって、メイン・シェフの料理がうまいやろ! ってしてます。

-なるほど(笑)。

来年は大きな動きをしようと思っているので、その予兆というか、それで1、2曲目のテイストをガラッと変えているんですよ。今回のシングルでドーパが戻った雰囲気も感じてもらいつつ、今までとは違う違和感を覚えた人もいると思うんですよ。その違和感を持ち続けてもらって、来年の動きでそういうことだったんだ! と思ってもらえたらいいなと。1曲目(「Galactic Kamadouma」)はMVも出してて、俺的には渾身の1曲のつもりなんですけど、ネットでは"またドーパがわけわかんない曲書いてる!"って言われてて、あれぇ? と思って(笑)。

-自分的にはまったくそんなつもりはなく?

俺的には超キャッチーな売れ線のつもりで作ったんですけど、"また未来を先取りしてる!"とか言われて。いやいや、そうじゃないんだけどなって思いました(笑)。

-「DANGEROUSMAMA」はキャッチーな曲調ですけど、「Galactic Kamadouma」と表題曲はドーパらしい混沌感があるなと思いました。

表題曲ではフィーチャリングを試したくて、そこでまたドーパの可能性が広がればいいなと。今回は次に向かうためのプロジェクトみたいな感じで、ジャケも善と悪みたいな感じに仕上がってます。「DANGEROUSMAMA」にはデス・ヴォイスも入ってないですからね......これ以上は細かく言えないんですけど。