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LIVE REPORT

LEIWAN

2022.08.01 @渋谷Spotify O-EAST

Writer 宮﨑 大樹 Photo by セキグチ、ポテ ヤマムラ

言ってしまえば、令和に誕生したライヴ・アイドルは、それ以前に誕生したライヴ・アイドルと比べて不利だと言える。なぜなら彼女たちにとって実質的なライヴ演出のひとつになっている、コールをはじめとしたファンの声出しが制限されているからだ。そんな逆境をものともせず、コロナ禍でも精力的に活動し、勢力を増しているグループがある。令和元年に誕生した4人組、"下克上"を掲げるLEIWANだ。8月1日に、彼女たちの5thワンマン・ライヴが渋谷Spotify O-EASTで行われた。この日のライヴは、リリース順に組まれたセットリスト然り、歴代衣装の早着替え然り、LEIWANが歩んできた道のりと彼女たちが遂げてきた進化の軌跡を辿っていくような時間になった。

SEが流れるなか、モニターには"2022/08/01"の文字が現れる。その日付の表示が少しずつ巻き戻っていき、"2019/02/01"でストップ。テロリズムンとして4人で初ライヴをした日にタイムスリップした。

大勢のファンが掲げたペンライトに出迎えられながら、ゆっくりとメンバーが登場。"LEIWAN、下克上始めます!"(澪・モンスター)の声から疾走感溢れるデジタル・ロック「事件勃発」で走り出すと、いきなりクライマックスかのような熱量でパフォーマンスを届ける。所属事務所の特徴とも言える、初見でも真似したくなる振付が一体感を生み、一斉に踊りだすフロアが壮観だ。曲間の数秒で衣装チェンジをして「IAR」、「モガイテ」を経て、幻想的な映像演出が投影されているあいだに再び衣装チェンジ。これまでのロックな流れから一転して、EDMナンバー「脳内リズム」へ。四つ打ちのリズムと中毒性抜群のメロディで身体を揺らすと、畳み掛けるように「YABAI」を投下した。

LEIWANの楽曲はどれもがライヴ・アンセムと言えるものばかりで、いかにライヴを重点に置いて楽曲が制作されているか、そしてメンバーのライヴに懸ける想いがどれだけ強いかが、楽曲とパフォーマンスを通して伝わってくる。ライヴならではの生感、メンバーの言葉から生まれた歌詞だからこそのリアルさは、思わず手に汗握るほどだ。そんな、LEIWANらしい熱いライヴの中で、最も泣ける時間になったのは「Cry」だろう。"私たちは、この曲を嬉し涙を流しながら歌う日もあったし、悲し涙を流しながら歌う日もありました。私たちは、私たちが今思う気持ちをストレートに君にぶつけることしかできないけど、それが私たちと君との本当の言葉なんだと思います。そしてこれからも、今も"――黒井マシロがそう語ってから始まったこの曲で、開けたサウンドに感情たっぷりの歌を乗せていき、白い照明とペンライトに包まれながらひとりひとり言葉を贈る。

"マシロは言葉にするのが苦手だけど、この3年半かけて君が「うん」ってうなずいてくれるから、自分の言葉を素直に話せるようになりました"(黒井マシロ)

"どんなときも、君の顔が浮かんで踏ん張る気持ちが出ました。いつも力をありがとう"(卯月彩華)

"私たちと君でLEIWAN。そう言い続けて3年間、これから先もずっとよろしくお願いします"(猫乃ねむ子)

"本当に君に出会えて良かったです。LEIWANでいさせてくれてありがとう。これからもずっとずっと一緒にいよう!"(澪・モンスター)

そうして、衣装チェンジをしてから「ダイジョウブ」へ。コロナ禍において思うようにライヴができない、ファンに会えないなかで、ファンに向けて"大丈夫だよ"の気持ちを込めたこの曲で、LEIWANメンバーは優しさと意志を感じさせる歌唱を届けた。

リリックがスクリーンに映し出され、感情を刺激する「下克上マウンテン」で再びアグレッシヴなパートへ突入。卯月彩華の魔法"うちゃうちゃピンク"をきっかけにインド音楽を取り入れたロック・ナンバー「NANde」、「ライライ」、そして"ここまで来るのに本当にいろんなことがあったので、嬉しい想いばかりさせてあげられたわけじゃなかったけど、私たちが誰かに後ろ指を指されるとき、君と私たちは前を指さしていきたいです"と澪・モンスターが話してから披露した「新牙 -SHINKIBA-」へ。気づけば、1曲目からノンストップで本編を駆け抜けていた。

アンコールのスタートは、新衣装&新曲をサプライズで披露。新曲「アブラカタブラ」は、ポップでガーリーな新境地を見せる1曲で、LEIWANの進化はこれからも続いていくのだと、そんな意志を感じさせた。

アンコールの時間に"大切なお知らせ"として、ベスト・アルバムのリリース・イベントおよび全国ツアーの継続、この日行われたイベントのDVD化の決定、さらに2023年7月14日に6thワンマンがZepp Shinjuku (TOKYO)で開催されることが発表! LEIWANメンバーも知らされていなかったようで、サプライズに驚き、抱き合う4人の姿に目頭が熱くなった。そんな4人は、最後に肩を組みながら、涙声で「『0』」をパフォーマンス。エモーショナルな1曲で、ライヴは大団円を迎えた。

感情をあっちこっちに振り回される、LEIWANのプロフィールにある"心躍るえぐるLIVE"を体現した彼女たち。さらなる大舞台、Zepp、そしてその先に向けて、LEIWANの下剋上は続く。


[Setlist]
1. 事件勃発
2. IAR
3. モガイテ
4. 脳内リズム
5. YABAI
6. 承認欲求
7. Cry
8. ダイジョウブ
9. 下克上マウンテン
10. NANde
11. ライライ
12. 新牙 -SHINKIBA-
13. アブラカタブラ
14. ブンシャカ
15. 〇〇アイドル撲滅運動
16. スタートライン
17. 『0』

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