INTERVIEW
COMRIZED
2023.03.13UPDATE
2023年03月号掲載
LEIWAN、AIBECK、EMPATHYという今をときめくアイドル・グループ3組が所属するCOMRIZED managementが、"COMRIZED"名義でシングル『生誕祭』をリリース!激ロックでは同作品をきっかけにそれぞれ3組から代表メンバー1名と事務所代表による座談会を敢行した。アイドルと切り離せない一大イベント"生誕祭"をテーマにした表題曲にまつわるメンバーの想い、また収録された3組それぞれの楽曲や各々の特色について、さらに毎週合同で定期公演を行うなど、独自の空気感をもってアイドル・シーンに切り込むCOMRIZED managementならではの魅力まで、和気あいあいと語り合う時間となった。
COMRIZED management:ミヤタ社長(代表)
LEIWAN:澪・モンスター
AIBECK:大神のん
EMPATHY:キャン・リサ
Interviewer:MAtSU(GEKIROCK CLOTHING) Photographer:濱谷 幸江
-まず、先日リリースした『生誕祭』についてですが、COMRIZED名義で出したのは初めてですよね。リード・トラックも同じ名前なので事務所の名刺代わりになる曲かなと思っていたんですが、ひたすら同じワードが続くリリックに衝撃を受けました(笑)。覚えやすさを意図しているところもあるかと思いますが、COMRIZED名義で初めて出すフィジカルにこの楽曲を選んだ意図や経緯があればおうかがいしたいです。
ミヤタ:そんな意図あるわけないでしょ(笑)。
一同:(笑)
ミヤタ:冗談です(笑)。生誕祭って毎日どこか日本全国で行われてるんですけど、生誕祭のときって特別に何か歌うんですよね。だけど、そのときに歌う曲っていうのがないんですよ。自分の好きな曲を歌うのが主流なんですけど、生誕祭の曲ってなくて。じゃあもう作って無料でばらまいて、全国のアイドルに歌ってもらおうかなって思ったんです。でも歌詞覚えるの大変じゃないですか、じゃあ"ハー"と"ピー"だけだったら歌えるんじゃね、と思って。天才じゃないですか?
-天才です(笑)。
ミヤタ:実はワンコーラス全部ちゃんと歌詞書いてたんですよ。めっちゃいい歌詞。
-構想段階では別で歌詞があったってことですか?
ミヤタ:そうです。それで、みんなで歌える曲を作ろうと思って作り変えました。だからもうそろそろ無料配布、ダウンロードできるようにします。
-まずフィジカルで出しておいて、あとから配布?
ミヤタ:そうです。ライヴ音源を無料配布します。
-歌いまわしとか難しそうだなって思ったんですけど。
ミヤタ:気持ちですよね。
-テンションでっていうことですね。好きなように歌ってくれと?
ミヤタ:だからメンバーのレコーディングも気持ちでやってましたもんね。
大神:ひとりずつとかじゃないです。何人かでブース入れられて、"せーの"です(笑)。
一同:(笑)
ミヤタ:だから全然わからんやつもいるし、めっちゃ歌えてるやつもいるし。
大神:"ハ"と"ピ"ばっかりだから、途中でどこ歌ってるかわからなくなるんですよね。"今これどこ!?"みたいな。"今これどこ!?"も音源に入ってます。
一同:(笑)
大神:"あぁ?"とか笑い声とかも入ってます。
-なるほど、完全アドリブだったんですね。生誕祭って、さっきおっしゃっていた通りアイドル活動の醍醐味のひとつだと思うんですけど、みなさんの生誕祭にまつわる思い出を聞かせてほしいです。
大神:いつでも自分が主人公だと思ってステージには立ってるけど、それはメンバー全員同じ気持ちだと思うので、自分だけが主役になる日ってその日だけなんですよね。毎年不思議な感覚で、ちょっと苦手だったりします、緊張するから。誰もステージにいないとかみんな自分だけを観てるとか、いつもだったら"これこれ!"と思うけど、生誕祭だと......自分のオタクとかグループのオタクが、自分のことだけを考えて作ってくれた日なんですよね。お花とかケーキとか、愛が形になって見える日って唯一その日なのかなって思う。
-たしかに、のんさんは主人公としてメンバーを引っ張っていってるイメージです。
大神:全然全然(笑)。やっぱりうちの事務所変だなと思いますね。だってプロデューサーの生誕祭やったり振付師の先生の生誕祭やったり。とにかく感謝と愛を大事にしているハートフルな事務所だと思います。
-事務所としてお客さんに愛されてて、素晴らしいと思います。
ミヤタ:テーマは大家族なんで。
-澪さんは今年2デイズで生誕祭開催でしたね、特別な生誕祭の思い出はありますか?
澪:最初生誕祭やりたくなくて、やらないって言い張って。1年目は自分の誕生日公開してなかったんですよ、デビューしたとき。毎日誕生日っていうカモフラで。自分が主役になる日が嫌で、アイドル始める前学校行ってたときって、クラスの明るい子たちとかが誕生日になるとクラスでピザ頼んだりするじゃないですか。
ミヤタ:頼まないよ。
一同:(笑)
澪:うちの学校であったの! とにかくそういう、周りに人がいる人は楽しい日だけど、そうじゃない人はただ虚しいだけだから自分の誕生日嫌いで、やりたくなくて、自分の誕生日に人集めるとか嫌だったんですけど。だから1年目は"地球襲来祭(LEIWAN 澪・モンスター(未知なる生命体地球襲来記念日))"っていう名前でやらされて。
ミヤタ:やらされましたね。
一同:(笑)
澪:本当にやりたくなかった。
ミヤタ:生誕祭って、やりたい子と私やりたくないですっていう子がいるんですよね。
-そうなんですか?
ミヤタ:プレッシャーになるから。人集まるんかなとか、あの子のときこんな盛り上がったのに私大丈夫かなとか。不安要素があるんですけど、みんなやったらやったで良かったってなる。2,000パーセントの確率で言えます。
澪:そのやりたくないの究極形がデビューしたときの澪で、ボイコットしようと思ったんですけどできなくて。でも3年くらい経って宮田さんに勝手に誕生日公開されて、クソだと思ったけど(笑)、しゃーなしやり始めたんです。でも自分じゃなくて、こんな自分を推してくれてるオタクさんが輝ける日にすればいいかと考えるようになって。自分のオタクさんがすごく喜んでくれるから、この日は自分を応援してくれてる人に感謝を伝える日なのかって思ったら、前よりやれるようになって、今年は2日間やりたいって自分から思えました。自分の歌が好きだから歌うとみんな喜んでくれて。自分のオタクさんがずっと澪のソロコンを見たいって言ってくれてたから、やったらみんな喜んでくれるかなって思って2日間やりました。成長したなって思いましたね。みんな喜んでて良かったです。
-自分のためじゃなくてみんなのためにやったと。
ミヤタ:感謝祭ですね。
澪:そうです。
大神:いつもありがとうって言ってても、オタクさんたちって自分に言われてるけど自分じゃないみたいな感覚で聞いてるけど、生誕祭の日って絶対自分のオタクにあなただよって唯一名指しで、本当に直で感謝を言える日だから、ちょっと気恥ずかしさはありますよね。
澪:私はEMPATHYの加入と被ってたんですよ。(生誕祭を)やるって発表したあとに加入の発表だったから、マジでひとりも来なかったらヤバいなって思ってたけどみんな来てくれて。しかもその1週間後くらいにワンマンだったからラッシュだったんですよ。生誕やる前も何かあって、生誕やってエンパ(EMPATHY)のワンマン("EMPATHY 2nd ONEMAN LIVE")があって、LEIWANの周年("LEIWAN 4th Anniversary 『LEIWANDERLAND』")が翌週にあって、もうフル稼働だったんですけど。自分のオタクさんは何も文句言わないでついてきてくれたので、人々は温かいなと。
-キャンさんはこれから初めての生誕祭をやることになるかと思いますが、どんな生誕祭にしたいですか?
キャン:やりたくないです(笑)。
大神:デカいシマエナガのパネル用意してもらえば?
キャン:それは嬉しい! ファンの人にどういうのやってほしいか聞いてやりたいですね。
-日頃の感謝の気持ちとしてお返しするみたいな感じですね。
キャン:ありがとうを伝えたいですね。
-"自分が今日の主役"ってすごく緊張しますよね。それを乗り越えるとひと皮向けて次のステップに進めるので大事なイベントですよね。
ミヤタ:大事です、再確認できるので。この人はちゃんと応援してくれてるなとか、この人は実はあんまり応援してくれてなかったんだなとか。
一同:(笑)
-COMRIZEDと言えばやはりミヤタ社長も生誕祭をやってるということで、初めて聞いたときびっくりしました(笑)。あまりいないですよね。
ミヤタ:でもたまにいますよ。俺の知ってる限りだと日本に3名くらい(笑)。
一同:(笑)
大神:やりたい放題できるから楽しい。
-弾き語りとかやってましたよね。
ミヤタ:昔はやってましたね。生誕祭はお祭りですね。だからチケット代も0円にして、もう"みんなおいで!"みたいな感じでやってます。だから毎年一番動員多いです。
大神:Tシャツまで作ったの。AIBECKは毎年やりたいものやってて、1年目は全員ミヤタさんのお面作って全員ミヤタさんでAIBECKやって。去年はめくるとミヤタさんの顔になるTシャツを自分たちで作って。だから今年は何しようかなってずっと考えてる。
-事務所全員で盛り上げていく動きって素晴らしいなと思っていつも拝見しています。次に、このシングルに収録されているそれぞれのグループの曲について掘り下げていければと思います。収録曲はみんなで話し合って決めた感じですかね?
ミヤタ:私が決めました。
-この3曲をチョイスしたポイントを教えていただけますか?
ミヤタ:各グループの自己紹介ソングですよね。昔CDって名刺代わりに渡すっていう文化があったんですけど今はないんですよ。だけどその古き良き風潮をやったら面白いかなと思って。だから裏面に"配る用のCD"って書いてあるんですよ。オタクさんって1枚じゃなくて2枚、3枚買うので、配りやすいように。全部戦略です。もっと言っちゃうと、EMPATHYもリリイベをしたかったんですよね。でもリリースしてなかったらリリイベってできないんですよ。じゃあ1枚に入れたらできるじゃんって思って。
-たしかに全グループの楽曲入れたら全員で回れますね。
ミヤタ:そうなんですよ。ただ「生誕祭」だけだとしょうもないので(笑)。
一同:(笑)
ミヤタ:各グループ1曲ずつ入れて、ちゃんとEMPATHYもAIBECKもLEIWANも、リリイベで一緒に全国回れるように作りましたね。ちゃんと考えてんだよ!
澪:それ聞いた。
一同:(笑)
大神:思いついたときに"俺天才!"って言いながら話してきたじゃん。
ミヤタ:(笑)
-LEIWANの「ライライ」についてですが、どういう思いで作られた曲ですか?
澪:死ぬなよって曲です。曲をパッと聴いたらチャイナ系のサウンドで、聴いててもライヴでも楽しい、明るい曲なんですけど、リリースされたときに芸能人の方の自殺がすごく多くて。それをミヤタさんが"死んだら終わりやんな"って澪にLINEしてきたときがあって、"死んだらだめよな"みたいな。ちょうどLEIWANもリリースしなきゃいけないときだったから、ミヤタさんが作って、歌詞に"死んだら負けだよ血迷うな"とか入ってて。私もわりとあまり生きていくことに前向きじゃないほうだったんですけど、これ歌うからには生きていかんと。歌って届ける側だから。これを聴いたオタクさんが、すごく病んでる方だったんですけど、"「ライライ」を聴いて生きようと思った"って言ってくれるんですよね。前向かなくてもいいから、とりあえず死んだら全部終わっちゃうから、とにかく生きててほしいって自分は歌ってて思います。LEIWANのライヴ来てくれてる人、COMRIZEDのライヴ来てくれてる人、無責任なこと言えないけど、生きてれば自分が楽しいと思える場所がたぶんどこかにあるから、そういうのに気づける曲だといいなと、落ちてた側の人間だからこそ考えてますね。
-LEIWANには思わず応援したくなっちゃう、独特な空気感があるんですよね。それをなんにも意識しないでやってるところが本当に天才だなと思ってるんですけど、普段の立ち振る舞いは何か考えてやってるんですか?
ミヤタ:自然体でいなさいとは言ってますね。
澪:今何聞かれてるの?
ミヤタ:って感じです(笑)。
一同:(笑)
-LEIWANはなぜこんなに親しみやすいのかなと。超特殊だなと思ってます。
澪:馬鹿だから(笑)。
一同:(笑)
-普通だったら仕事だからちゃんとしなきゃとか、この人は偉い人だから気に入られるようにしなきゃって考えて、少しでもかわいく振舞おうとするじゃないですか。
ミヤタ:よそはみんな作りすぎだよね。
澪:誰が偉くて誰が偉くないかわかんないんだもん。でも周りにいる人がすごく優しいから。
ミヤタ:でもマジで無理って言う人もいるよね(笑)。
澪:嫌われるときもあります。嫌われたと思うとごめんなさいって言って帰る(笑)。
一同:(笑)
-次にAIBECKの「STEPPER」についてです。AIBECKと言えばやっぱりツーステだと思っていますが、それだけでなく他のグループよりもリリックが直球というか話し言葉みたいなのが独特だなと思っています。これはメンバーで考えているんですか?
大神:ミヤタさんが全部考えてはいるんですけど、オタクとのエピソードとかメンバー同士の喧嘩とかも、うちは本当に家族みたいな事務所だから全部話すんですよ。なんならメンバーがミヤタさんとも喧嘩するし、普通に"は? うるせぇ"とか言ったりします。そういうエピソード一個一個、話し言葉ひとつひとつが歌詞になってますね。今こういうAIBECKになりたくてとか、今こんなことで悩んでてみたいなところもそうだし、ミヤタさんと喧嘩したとか、レコーディング中に言った言葉とか、AIBECKの曲は全部自分たちとフロアにいるAIBECKを応援してくれてるあなたの話だから、何も特別なことってなくて。
ミヤタ:だから気持ちが入りやすいんだよね。
大神:そう、日々の積み重ねの曲というか。勝手に自分が思ってるのが、AIBECKの曲って絶対前向きというか喧嘩腰というか、悔しがってもそこで終わらない曲ばかりで。あなたの人生は絶対にあなたが主人公だから負けんなよっていうつもりで歌ってます。「STEPPER」自体も、"イカれてる 間違った 現実の中で 目を背ける行為は 簡単だけど 向きあって 戦って 一緒に笑おう"って。例えば誰が敵になってもメンバー6人だけはこの世界であなたの味方だからという。同じ船に乗ってる海賊団のつもりでやってます。
-AIBECKのリリックは文字で見るよりもライヴで聴いたときに一番刺さるなと思ってます。ところでミヤタさんがすべての楽曲を手掛けていらっしゃいますけど、AIBECKの楽曲はロック調でアップテンポなんですが音が明るく軽快で、LEIWANのほうがより低音の効いた重い音色だなと個人的に思っていました。グループごとに作曲してるときに意識していることがもしあればお聞きしたいです。
ミヤタ:AIBECKは真面目に作ってますよ。
澪:え?
大神:AIBECKのときの歌詞の書き上がりマジで遅いんです。
ミヤタ:真面目に作ってるんで。
大神:ガチガチで遅くて。
ミヤタ:LEIWANの曲はふざけてます。
澪:嘘~?
一同:(笑)
大神:だからレコーディング当日4時間かけてできあがらないみたいな。
-当日に1から作ってるってことですか?
ミヤタ:それは全グループかな。
大神:別のブースから死んだ顔して出てくる。今EMPATHYにもいるから全然違えと思ったけど、AIBECKの歌詞書き上がったあと死んだ顔して出てくる。生気絞り取られたみたいな。
ミヤタ:だからみんなすごく優しいの。メンバー全員制作中めっちゃ優しいよ。
大神:本当に死にそうなんだもん。突然ぶっ倒れそう。
ミヤタ:カフェオレめっちゃ(目の前に)並ぶ。栄養ドリンクとかもめっちゃある。
一同:(笑)
大神:最近3つのグループの曲全部あわせたらミヤタさんの性格だなと思った。EMPATHYもやったからこそ思ったんだけど。AIBECKの部分もあるし、LEIWANさんの部分もあるし、EMPATHYの部分もあるし。
ミヤタ:ヤバいやつってバレるじゃん。
一同:(笑)
大神:いやヤバいやつよ(笑)。
ミヤタ:めっちゃヤバいよな。自分でも思う。病気です(笑)。他に頼めないんですよね。"これだけ著名な有名な方が書きますって言われても"いらないです。愛情で溢れてるんでって感じですね。最近よそからも作ってほしいってめっちゃ来るんですよ。けどそこに愛はないので作れないですよ。お金いらんし。たぶんやってるほうが稼げるんですけど、メンバー知らんし名前も知らんしどんなライヴするかも知らんしって感じです。