MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

LIVE REPORT

AIBECK

2023.09.15 @Zepp Shinjuku (TOKYO)

Writer : 長澤 智典 Photographer:ポテヤマムラ

昨年10月にZepp Haneda(TOKYO)公演をソールド・アウトさせたAIBECKが、次に掲げたワンマン公演の場が、同じZepp系列の箱であり、今年新たに誕生したZepp Shinjuku (TOKYO)だった。9月15日、AIBECKは"AIBECK 4th ONE MAN LIVE"と題したワンマン・ライヴを開催。フロアの奥まで人が詰め掛けた当日の模様を、ここにお伝えしたい。

会場を埋め尽くした観客たち。オープニング映像を受け、荘厳なSEが流れだす。その音が猛々しさを増すのに合わせて、メンバーらが舞台へ次々と姿を現した。 ライヴは、進化し続けるAIBECKの姿勢を示すように、新曲「Pink Chain」からスタート。新衣装を身に纏ったメンバーらは、舞台の上で力強い声を上げる。感情の揺れに合わせ変幻してゆく重厚且つトリッキーな楽曲に乗せ、6人は気持ちの高ぶるままに"Pink Chain/鎖の世界で"と声を張り上げる。まだまだ理性の鎖を解き放った程度。でも、観客たちは身体を揺さぶっていた。メンバーの張りのある声にも、どんどん熱が漲りだすのがわかる。

客席に背中を向け、横一列に並んだメンバーたち。"さぁ始めようか"の声を合図に、大神のんの歌声がフロアに矢のように放たれ、AIBECKは「STAY GOLD」を歌唱。この空間にスケールの大きな景色を描きながら、今にも喉が割けんばかりの声を上げ、熱い歌声で観客たちの気持ちをガツガツと焚きつける。いや、現状を自らの手で塗り替えてやると、6人は高ぶる気持ちのままに歌っていた。間奏ではフロアとステージの熱い声のやりとりも。誰もが爆発したがっている。AIBECKの導きに誘われるように、オーディエンスも現実を消し去り、理性を壊したくてウズウズしているように見えた。それはメンバーも同じだろう。

MCで語った、ひなたゆかの"僕を信じてください"の声も嬉しい。"あなたの周りにいる人たちは全員仲間です"と語ったリーダーの塩藤さやのの頼もしい声。"あなたの笑顔が見れるワンマンを心待ちにしてました"という大神のんの言葉は、ここにいる全員の気持ちだ。

「OSE!!」の登場を合図に、フロア中の人たちが両手を高く上げて、メンバーと一緒に"Ose"と声を上げて暴れだす。舞台上の6人も一緒に声を張り上げ、"遊ぼうぜ!!"と熱く誘い掛ける。ここは祭りの会場だ。理屈も屁理屈も関係ない、ただただ気持ちが沸き立つままにぶち上がればいい。観客たちも、フロアで飛び跳ね、声を張り上げ、6人に熱いエールをぶつけ続ける。極上で激烈なダンス・ロックに乗せ、身体が騒ぐままに暴れ回れ。それ以外に今、何が必要なんだ。"Ose ose ose"の大合唱、それがすべての答えだ!!

新衣装の紹介を挟み、"祭りだ、踊れ"の声を合図に「HELLO」ヘ。メンバー自身の攻めたラップも刺激的だが、オーディエンスと一緒に声を重ね合わせてアガっていく感覚が、とてもエモい。サビでもメンバーらと観客たちが一緒に身体を揺らし、共に声を張り上げ続けていた。雄々しく攻めた6人の声も気持ちを騒がせれば、次々と転調を繰り返し、どんどん激しさとスケールを上げていく様が気持ちを熱くさせる。共に"Wow"と大きく手を広げ、声を上げずにはいられない。騒ぎながら、この声を世界中へ届けたい。

そこへ畳み掛けるようにぶち込まれたのが、「OLEOLEO」だ。メンバーの煽りを受け、会場が熱いクラップを叩きだす。彼女たちが"オレオレオ オレオレオ"と歌う声に、観客たちが"オレオレオ オレオレオ"と声をぶつけ返す。途中に起きたミックスやオーイングも胸に熱い。誰もが気持ちを燃え滾らせ、"オレオレオ オレオレオ"と声を上げ続ける。熱い雄叫びのやりとりが理性をぶち壊す。今はただ、6人と一緒に声を張り上げ、拳やペンライトを高く振り続けていたい。メンバーの熱情とシンクロしているからこそ感じる、胸を熱く揺さぶる高揚感。張り裂けんばかりの声、もっともっと上げ続けたい!!
"これだけ気合いのあるフロアで嬉しいです"の声に、さらに気合いが入る。この日は国外からもファンが集結。今、AIBECKの支持が確実に世界中へ広がりだしている。

"声が枯れるまで声出せますかー"、"今日はあなたたちと私たちにしかできない声を響かせましょう"という煽りを合図に流れたのは、ミディアム・メロウでエモーショナルな「ITO」。抑揚を持ちながらも哀愁を帯びたヴォーカルに、共に声を重ねずにはいられない。次々と言葉を繰り出す6人の姿も印象的。歌心に溢れた楽曲だ。だからこそ魂が嬉しく奮え、6つの歌声を掴みたくて、舞台に向けて大きく手を伸ばしたくなる。落ちサビの"赤い糸が縺れ"の歌詞に合わせ、フロア中に赤いサイリウムが輝く景色も最高にエモい。アンセム・ソングのように声を張り上げてゆくところも美しい。

「愛恋色」でも6人は激しく揺れ動く感情を、語り掛けるようなエモい歌声に乗せてきた。場内から"Wow"の声が上がるのも嬉しい光景だ。サビに向かって感情が膨らめば、サビでは沸き立つ心の叫びを、彼女たちは轟音のグルーヴに乗せて解き放っていた。その声や戸惑いを覚えながらも見ている未来の姿へ、同じように思いを重ね合わせていたい。遠くを見つめあなたに向けて熱唱する歌声が、魂を震わせ、奮い立てていた。思いを詰め込んだひと言ひと言が気持ちを揺さぶるのは、それだけ剥き出しの感情で歌っていたからだ。

"愛空を 見上げ 踊りにいこう 君と"と歌う声を合図に激烈な音が鳴り響きだした。高揚感溢れるエモーショナルな「愛空-AISola-」に合わせ、フロアがツー・ステップ(ツーステ)を踏みながら騒ぎだす。AIBECKにはツー・ステップのナンバーがとても似合う。メッセージ性が強く、気持ちを奮い立てる歌詞とサウンドに絡み合う彼女たちのエモーショナルな歌声が、身体を激しく揺さぶる。"愛空を 歌え"の声に合わせてフロアから突き上がる拳、拳、拳。メンバーと観客たちが一斉にツー・ステップを踏むたびに大きく会場の床が揺れ動く。

"一緒にこの会場を揺らしていきたい"。6人は、これがAIBECK流のダンス・ロックだと示すように「PERFECT VISION」をブースト。未だかつてない衝撃を与えるように、スケールを大きく激烈且つエモいエレクトロでロックな楽曲のうえで、彼女たちは"誰の為の人生なんだ"、"己だろ"と歌い、"見てろ「今ここで証明してやる」"と叫びながら、身体を大きく折り畳めば、ジェット機が飛ぶような様で舞台の上を駆け巡っていた。野太くも高音域を生かした声がフロアに響き渡る。気持ちを強く奮い立てるメッセージと歌声が、感情を奮わす衝撃を持って刺さり続ける。

"もっともっと燃え上がっていこうぜ、頭振れ!!"の言葉を口火に飛び出した「Hi-HO」に合わせて演者と観客が荒ぶる声をぶつけ合う。彼女たちは"怠い怠い怠い"と叫びながら、みんなでバカ騒ぎしたくて腹の底から煽り続ける。メンバーたちの"Hi Ho"の声に向け、観客たちも共に声を張り上げ、拳を高く揺らしていた。

"あなたと私たち6人で、このフロアを満天の夜空にしましょう。あなたに向けたラヴ・ソングです"の言葉から、最後の曲として歌われたのは新曲「夜空星」。ミディアム系のヘヴィでアッパーな高揚チューンに誰もが身を預け、その場で心地よく上へ上へと揺れていた。メンバーらが高く飛び跳ねるたびに、オーディエンスも気持ちと身体を跳ね上げ、夜空に向かって両手を掲げていた。この空間に生まれていたのはキラキラな星の輝く夜空ではなく、極彩色でグリッターな夜空だったのがAIBECKらしい。

アンコール前の場内に響いていた"We are AIBECK"と叫び続ける観客たちの声も熱かった。アンコール前に、全国ツアーの開催、ニュー・アルバムとライヴ DVDのリリース、さらにアジア・ツアーを発表。そして彼女たちは、ここから新たな旅へ出航しようと、手にした大きなフラッグをはためかせ、「WANTED」を歌い始めた。AIBECKの海賊船に乗った6人は気持ちをひとつに自分たちの生き様を示せば、共に航海へと乗り出し、一緒に夢という宝物を見つけようと歌っていた。決意をひとつにしながら、ここから終わらない旅へ繰り出そうと声を上げ、最強の仲間たちと気持ちを重ね合わせていた。その夢、6人としっかり掴みにいきたい。

"AIBECKいっきまーす"の声を合図にフロアは大爆発、「CHEKILLER」のお出ましだ。オーディエンスもメンバーに全力で応え、一緒に両手を大きく上下すれば、熱いミックスもぶつけ合う。メンバーらの歌へ掛け合うように、熱いオーイングの声を張り上げる。フロアがエクササイズしてゆく様は圧巻だ。ボルテージは最高潮に音は止まない。

"君たちが作ってくれた景色、もっともっと世界へ届けよう。一緒に歌おう"。止まることなく楽曲は「Anthem」へ。この展開が熱い。6人は、決して諦めることない自分たちの生き様を胸に誓うように歌っていた。その声にエールを送るようにフロアから飛び交う熱情の声。"何度だって 這い上がれ"、"自分を信じて 突き進めばいい"の声に向けて、"Oh! Oh! Oh!"とフロア中から大きなアンセムが上がる。共に心をひとつに、誰もが6人と一緒に声を上げ、この場で声での熱い握手を交わしていた。"夢のようだけど、夢じゃない。一緒に掴み取ったリアルです。このフロアが宝物だって、あなたたちの声が最強だって世界に響かせてくれ"の言葉を受け、さらに高く上がる声、声、声。本気で高揚したその声をもっともっと世界中へ響かせろ!!

"世界を股に掛けようぜ"。最後にAIBECKは「STEPPER」をブチかました。会場中がツー・ステップ・モンスターになり、6人と一緒に騒ぎ狂う。メンバーが、オーディエンスがツー・ステップを踏みながら床を大きく揺らし続ける。この空間を、次は世界へ連れてゆく。そう思えたら、気持ちが嬉しく奮えた。今、彼女たちは世界に照準を合わせ、この世の人たちを日本のライヴ・アイドルの楽しさ、ツー・ステップの興奮と恍惚の世界へ連れ出そうとしている。次のステップへ踏み出すための姿を、この日AIBECKはしっかりと示していた。6人の声に合わせて無邪気に飛び跳ね続けるその様、無限に続いてほしい。ライヴを終えて口にした、"AIBECKは世界で一番幸せです"の声も嬉しいじゃないか。
次のアクションは、もうすぐだ。その動き、しっかりと追いかけろ!!!


[Setlist]
1. Pink Chain
2. STAY GOLD
3. OSE!!
4. HELLO
5. OLEOLEO
6. ITO
7. 愛恋色
8. 愛空-AISola-
9. PERFECT VISION
10. Hi-HO
11. 夜空星
En1. WANTED
En2. CHEKILLER
En3. Anthem
En4. STEPPER

  • 1