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LIVE REPORT

ギルガメッシュ

2014.04.01 @渋谷CLUB QUATTRO

Reported by 沖 さやこ

2013年11月にフル・アルバム『MONSTER』、今年3月に結成10周年を記念したベスト・アルバム『LIVE BEST』をリリースしたギルガメッシュが、2枚のアルバムのレコ発として国内でワンマン・ツアーを開催し、5月からはヨーロッパ・ツアーを行う。その初日、渋谷CLUB QUATTRO公演に足を運んだ。チケットは勿論ソールド・アウトで、開演前からフロアは若者から大人までかなりの数のライヴ・ジャンキーたちで敷き詰められている。今回の国内ツアーには全てオープニング・アクトが招かれ、この日はMAKE MY DAYが登場。Isam(Vo)の激しいスクリームで突き動かし、Julian(Gt/Vo)のクリーン・パートでは映えるメロディに陶酔する。新ベーシストU-ske加入1発目のライヴということもあり、フレッシュなグルーヴが生々しかった。LMFAOの「Party Rock Anthem」のカヴァーなど全7曲でフロアを魅了。ギルガメッシュへの敬意が強く感じられるステージだった。

そしてホストのギルガメッシュが『MONSTER』の1曲目である「Intro」をSEにステージへ現れた。まず投下されたのは「patchwork」。イントロからかなり巨大な歓声だ。イベント・ライヴは多数出演していたギルガメッシュだが、自身の冠のライヴは昨年10月のSHIBUYA-AXぶり。メンバーもファンもこの日を待ちわびていたのだろう。Яyoはドラムを叩きつつも立ち上がりフロアを煽り、鮮やかに飛び回る弐のギター、うわもの楽器のようにメロディアスな愁のベースと、ダークな楽曲でありつつも痛快に響いてゆくサウンドスケープに一気に高揚した。アッパー・ナンバー「Drain」から「VOLTAGE」になだれ込むと、フロアは力強いシンガロングとダイヴが。全身でギルガメッシュの音楽を楽しむ観客の熱を肌で感じ、これぞライヴでしか味わえない醍醐味だ、と当たり前のことをしみじみと噛み締めてしまうほど、純粋で清らかな空気が流れていた。

"千葉からやってきましたギルガメッシュです"と挨拶をし"『MONSTER』と『LIVE BEST』の2枚を引っ提げてのツアーということで(中略)新旧織り交ぜてのセットリストでギルガメッシュを堪能してくれればと思います"と続けた左迅。その後彼はすし詰めのフロアを気遣い"みんな貴重な時間を割いて今日来てくれてるからさ、俺らも全力で音楽を届けていきます!"と叫ぶ。こういう人間性も彼らの魅力のひとつだ。フロアを制圧するくらいラウドでありつつも、リスナーと距離を感じさせないキャッチーさを兼ね揃える。まさしくギター・キッズそのものと言わんばかりに演奏に没頭する弐、ステージのいちばん後ろで音の全てをスケール感のあるドラムでしっかりとまとめるЯyo、この兄弟の音色は一切ぶれない。特に弐は演奏中、突拍子もないダンスをしたりと一見飄々としているように見えるが、出す音ひとつひとつがとにかく強い。そして愁の奏でる低音が楽曲に繊細なニュアンスを加え、左迅の歌と美しいメロディ、シャウト、ラップが重なる――これはギルガメッシュにしか出せない、なんとも絶妙なバランスという個性だ。「ULTIMATE 4」の歌詞の"誰も真似が出来ない MUSIC"という言葉はまさしくその通りで、今もそれを貫き通している姿勢に強く心を打たれた。次々と新旧織り交ぜた楽曲を畳みかけるも、曲と曲の温度差や違和感をまったく感じさせないのは、彼らが10年間しっかりと自分たちの音楽を熱い魂でもって作り上げているからだろう。

中盤には左迅の歌うメロディが映える疾走感がありつつも切なさが漂う楽曲を入れ、後半は「遮断」から怒涛のブチ上げナンバーの応酬。"俺たちに生きる意味を与えてくれたのは音楽とライヴと、ここにいるみんなだ!"と叫んだ左迅への返答か、フロアは疲れるどころか更にヒート・アップする。思わず頬が緩むほどのハッピーな空間。ライヴに行き始めた10代の頃に感じた、この時間が終わらなければいいのに、という気持ちが蘇るとてもピュアな時間だった。左迅が観客に向かって10年間の活動できたことへの感謝を伝え、"10年間磨き上げた音楽を武器に、命をかけて全力で音楽を届けていきます"と代表曲とも言える「evolution」へ。ラストに演奏された「お前に捧げる醜い声」と共に、脳天をぶち抜く歓喜の熱狂の渦が巻き起こった。アンコールで2曲披露すると、左迅は力強く"つらいときにみんなが支えてくれたから、今回のツアーでは俺らがみんなの希望になってきたいと思います。ツアー行ってきます!"と自信に満ちた笑顔で叫んだ。両手でガッツポーズしながらステージを後をした彼の背中の頼もしさに、10年という歴史と圧倒的な自信を噛み締める。活動休止の危機を乗り越え、10年という節目を迎えたギルガメッシュ。まだまだ彼らは勢いを止めるわけがない――そう確信させる夜だった。

Photo by 西槇 太一 / 佐々木 佳士

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