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LIVE REPORT

SCREAM OUT FEST 2010

2010.02.06 @渋谷 CLUB QUATTRO

Writer MAY-E

満員の会場に目が覚めるような強烈な電子ビートをブチかましてくれたのが、神戸出身のFEAR, AND LOATHING LAS VEGASだ。BREATHE CALORINA~ATTACK ATTACK!直系のエレクトロ×スクリーモ・サウンドなのだが、前者らにも劣らない巧みな演奏力とメロディー・センスを備えた注目株。平均年齢19歳という若さもあってかパフォーマンスに若干のあどけなさが残るが、今後注目していきたいユニークなバンドが日本にまた一つ誕生した。
ここでも圧倒的な人気の高さを見せつけたCROSSFAITHはこの日、新曲も披露。キレのあるステージングとパワフルな演奏力で、早くもフロアを熱気の渦に変えていた。

海外勢の一番手はフロリダ出身のBROADWAY。09年にリリースされたデビュー・アルバム『Kingdoms』の作風と強烈な存在感から"ポスト SAOSIN"との呼び声も高いバンドだが、サウンドが持つ独特の緊迫感がライヴでもびしびしと伝わってくるし、メロディとスクリームを使い分けるヴォーカル・ワークも上手いなど、その実力は十分。まだ伸びしろもあるし、インタビューではこれからやりたい音楽も明確に掲げている。成長が楽しみなバンドだ。

続いては、待望の初来日となるBLESSTHEFALL。
セカンド・アルバム『Witness』から「What's Left Of Me~To Hell and Back」でスタートしたのだが、バンドがステージに登場した瞬間の爆発力、圧倒的な演奏力、スケール、全てがケタ違い。衝撃と同時に深く感動!シーンの中でも色モノとして見られがちなバンドだったBLESSTHEFALLだが、これは本物だ。フロントに立つ長身イケメンの新メンバーBeau Bokan(Vo)の飾らないキャラもまた魅力。Beau加入前のファースト・アルバム『His Last Walk』からも多くをプレイしていたが全く違和感がない。ステージ映えするBeauのその姿を見て、前任ヴォーカリストのCraig(現ESCAPE THE FATE)を超えるポテンシャルを持ったヴォーカリストであることを再確認する。終演後、会場から一際大きな歓声がおくられていた事もその証拠だろう。

本イベントのトリを飾ったのは、サード・アルバム『The Emptiness』をリリースしたばかりのALESANA。このコンセプチュアルなアルバム『The Emptiness』を、そのままライヴで再現してみせた。こういう見せ方をしたのは、なんと日本でのこのショーが初だったとか。メンバー6人が黒いスーツにタイを締めて、『The Emptiness』のストーリーからそのまま飛び出してきたようだ。 09のショーより一体感が更に増している。切れ味も一層鋭くなった。アルバムでも感じられたが、Shawn Milkeのヴォーカル力が格段にアップしたことで見応えだけでなく聞き応えも増している。何よりも目を奪われるのは、まるで何かに取りつかれたような、 Dennis Leeの渾身のマイク・パフォーマンス。フロアを睨みつける瞳。陶酔しながら吐き出される咆哮。噛み殺されそうな激しい狂気がステージに渦巻いていて、微動だに出来なかった。
アンコールでは過去作の人気曲「Ambrosia」を披露、この日一番の爆発的な盛り上がり見せて幕を閉じた。

スクリーモというジャンルを軸に国内外のバラエティに富んだラインナップで送られた2日間。新たな発見があり、気づきがあり、そして感動があった。SCREAM OUT FEST 2010、大成功だったと言えるだろう。

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