DISC REVIEW
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4度の来日を実現させ、日本でもファンベースを築いているノース・カロライナの6人組がEpitaphを離れ、自主レーベルからリリースした5作目のアルバム。Annabel Leeという女性キャラクターを主人公に人間の多面性を追求してきたスクリーモ版ロック・オペラ"Annabel Trilogy"の完結編となる今回は、バンドの頭脳であるShawn Milke(Vo/Gt)が子供のころ、影響を受けたというMadeleine L'Engleの小説をモチーフにタイム・トラベルに言及しながら"鏡なしで自分自身を見たことがあるか?"という問いを投げかける。と言うと、難解な作品と思われそうだが、オーケストラも使い、シアトリカルな作風を意識した前作から一転、改めてヘヴィなサウンドを求めた今回は、前作よりもロック・アルバムとして楽しめるはずだ。 山口 智男