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INTERVIEW

唯丸®︎(BLACKSHEEP SYNDROME.)× 鬱P(おはようございます/ボカロP)

2021.09.10UPDATE

2021年09月号掲載

唯丸®︎(BLACKSHEEP SYNDROME.)× 鬱P(おはようございます/ボカロP)

BLACKSHEEP SYNDROME.:唯丸®︎
おはようございます/ボカロP:鬱P
インタビュアー:吉羽 さおり Photo by fukumaru
取材場所:Music Bar ROCKAHOLIC-Shibuya-


いつ何がやりたくなるかわからないですし、何かしらブームがあってやりたいって思ったときに、やれる状況を作っておきたい(鬱P)


-アイドルを手掛けることで、他の活動に還元されているようなことはありますか?

唯丸®︎:還元とはまた違うかもしれないですけど、アイドルをプロデュースして、例えば入ってきたときは"何も取り柄がないんですけど、できますか?"って言っていたような子が人気になってくると、人の人生を変えられるんだなというか(笑)。まだまだだけど、本人が自信を持てるようになってきているなとか、ちょっと変わるきっかけになったらいいなと思いますね。

鬱P:その感じは同じくあると思うんですけど、逆にそれがあまりポジティヴな影響ではないような感じもありますね。どちらかというと、人の人生、背負っちゃってるなっていうか。

唯丸®︎:そうですよね(笑)。

鬱P:最終的にこのグループに加入して良かったって思ってほしいですけど、今はまだ現在進行形なので、ただただプレッシャーがあるという感じで。実家に住んでいた未成年の子がこのためにひとり暮らしを始めるとかもあるので、そうなると、マジか頑張らないとなっていう(笑)。嬉しさよりも、プレッシャーのほうが強いですね。

唯丸®︎:そういうことでは、身が引き締まる。

鬱P:それが責任感的な成長と言われれば、そうかもしれないですけどね。

-おふたりともプロデューサーとしては、メンバーに対してどういうスタンスでいる感じですか?

唯丸®︎:僕から見て思うところは伝えていきたいなと思うんですけど、受け取り方はその子次第でもあるので。わりとそれぞれに任せてはいて、それが知らず知らずに曲がってきちゃうところは、ちょっと軌道修正とかはしないとなというのはありますね。それを本人に伝えてやるのか、それともこっちサイドでうまく軌道修正していくのかは、その時々で。0から100まで全部やってあげるのも違うと思うし、気づかせることも大事だなと思うんです。でも、気づけない人はたぶんずっと気づけないんですよね。気づいた子が伸びるっていうか。

-難しいですね。メンバーが女性の場合はどうですか?

鬱P:あまり自分からは言わないですね。最終的な相談を持ってこられるみたいなことが多いというか。僕以外にもうひとり運営がいて、基本的に現場で対応するとか普段のことはそちら側がやっているので、どちらかというと僕はあまり家に帰ってこない父親的な感じかもしれないですね(笑)。たまに帰ってきたら、"最近こんなことがあって~"みたいな話を聞くっていうか。じゃあこうしたらいいんじゃない? って言うくらいで。そもそも、募集をしたときになんでも自分の好きなことがやれますよ、その代わり全部自分でやらないといけないですよ、という感じでやっているので、あまりこちら側から指示は出してはいないんですよね。どうにかなりませんかねと言われたら、僕も何か言いますけど。それよりは、やりたいこと重視という。

唯丸®︎:たしかに。自分が何者になりたいのかっていうのは、大切ですよね。アーティストとして最低限、持っていなきゃいけないんだけど。

-そこがふわっとしている子もいますよね、人気者になりたいとか。

鬱P:そうですね。オーディションでは、自主的に何かやりたいっていうのを持っている人を選んでいったので。歌とかルックスとかではなくて、グループとしてのコンセプトに合っていた人を選ぶというか。要はハングリー精神があってというところがありましたね。

唯丸®︎:それは大事ですね。

-外から見ていたアイドル・シーンと、実際やってみての違いっていうのは感じますか?

鬱P:もともとは自分から積極的に見ようとはしてなかった気がしますね。バンドをやっているので、バンドから見える部分というか、バンドでもアイドル側から対バンに誘われたり、サーキット・イベントで一緒になったり、あとは作家として曲を書き下ろすこともたまにありましたし、そういうので間接的になんとなくは知っていたというのはありました。なので、実際始めるとなってもうひとりの運営に、どれを観に行ったらいい? という感じで、そこからちょこちょことライヴを観に行って勉強をしましたね。どれ系の曲を聴けばいいかとか。いったん勉強をしてから始めた感じでした。

-その勉強した感触はどうですか?

鬱P:曲の面では、ここがもっとこうだったら面白いのになというのを溜めていって、それで自分でやっているという感じですね。シーンに対してどう思っていたかというよりは、これやってないならこれをやろうって感じで判断をしていたというか。ロック・バンドの曲をアイドルが歌ってるだけみたいなものにしないようにというのは、思いましたね。オケはロック・バンドだけど、しっかりとアイドルが歌う内容とか、メロディにしようっていうのはありました。

-活動をしてきて何か変化とか、わかってきたことはありますか?

鬱P:お客さんの感覚と作ってる感覚はまた違うので、聴き手のポイントも押せるようにと変わった感じはありますね。例えば、3曲くらいあったとして、これが一番受けるんだ? っていうのがあって。毎回意外な曲がお客さんにハマるんですよね。

唯丸®︎:その気持ちはすっごくわかります。

鬱P:これがボカロやバンドとはまた違った、アイドル・ファンのツボなんだなっていう。

唯丸®︎:刺さり方が違うんですよね。

鬱P:それがまだわかりきってはいないから、そのへんを現在進行形でやっているという感じですね。もちろん狙ったものもウケるんですけど、ノーマークだったものが、これいいって言われるとか。だから、バンドばかりやっていたときや、ボカロばかりやっていたときにはわからなかったところがわかるようになってきて、クリエイティヴ的には刺激があります。バンドを始めたときにもそれはあったんですけど、アイドルはアイドルでまた、それがあって。

-グループによってはキャリアを積んでいくことで、グループのストーリーも生まれてきますよね。そうしたストーリー性は大事にするんですか?

唯丸®︎:大前提として、いいものは変わらないと思っているんですけど、一方では"初期は良かったけど......"とか、よく言うじゃないですか。でも、今は今でまた違う良さがあるよねとか、プラスされていくエッセンスや、そのメンバーならではのエッセンスを取り入れて変化していくのもいいと思いますね。アイドルが面白いなって思うのは、バンドと違ってとまではいかないですけど、追加メンバーが受け入れられる感じがあるんですよね。4人組が5人になって、また3年後にはふたり入って7人になってとか、バージョンアップする感覚があって。4人のときは、シャウトはなかったのに、5人目のメンバーでシャウトが入って、シャウトの曲ができてとか。そういうプラスになり続けられるような存在でいたいなっていうのはあるんですよね。

-では、それぞれ今後やってみたいことはありますか。

鬱P:今の段階ではないですね。今後というよりは、これやってみたいと思ったときにやれるような状況を作っておきたいです。

唯丸®︎:それは大事ですね。

鬱P:自分の立場的にも時間的にも、もちろん金銭的にも。いつ何がやりたくなるかわからないですし、何かしらブームがあってこれやりたいって思ったときに、それがやれるという状況を自分が作っておきたいというか。今の段階では何もないですけど、どちらかというとそれですかね。

唯丸®︎:僕はそうだな......今の活動やプロデュースはもちろんマストであるんですけど、僕が僕じゃない何かになって何かをやるとかはありかな。

鬱P:それこそ曲作れるなら、匿名でボカロとかどうですか。

唯丸®︎:ボカロは通ったことなかったですけど、面白そうですね。

BLACKSHEEP SYNDROME.
LIVE INFORMATION

"ワンマンライヴ"
12月9日(木)中野サンプラザ

VENUE INFORMATION
Music Bar ROCKAHOLIC-Shibuya-

東京都渋谷区宇田川町11-1 柳光ビル別館B1
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