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INTERVIEW

ゆくえしれずつれづれ

2018.09.06UPDATE

2018年09月号掲載

ゆくえしれずつれづれ

Member:◎屋しだれ まれ・A・小町 英艶奴 メイユイメイ

Interviewer:吉羽 さおり

-そしてアルバムを締めくくるのが、ここまでのシングルの中でも大きな変化となった「Loud Asymmetry」です。これは大事な曲になりましたね。

しだれ:この曲はリリース(※2017年8月にシングルとしてリリースした)から1年くらい、ずっとわたしたちを引っ張ってくれた強い曲なので、この曲で終わるのは誇らしいというか、"いつもありがとう"という気持ちですね。

-曲として育ってきた感もある。

しだれ:最初にやったときって、そんなに盛り上がる曲でもなかったんです。アイドル特有のミックスが打ちやすい曲ではなく、ずっとシャウトとメロディがある曲なので。でも何回もライヴでやっていくうちに、誰もが楽しめる、自然と身体が揺れるような曲になっていって。一緒に成長していった曲になったなと思ってます。

-今回は初回限定盤でそれぞれのソロ曲も収録されました。これがまた実にそれぞれのキャラクターが出た曲になっているんですが、まずはメイさんの曲「Hue」。歌がすごく映える、聴かせる曲になりました。

メイ:わたしはアコースティック・ギターを弾くんですけど、アコースティック・ギターで弾き語りをできるような曲っていうのを作っていただいたみたいで。今回のアルバムは強くて激しい系の曲が多いんですけど、唯一静かな曲というか。

しだれ:優しい感じがするね。

メイ:ただ、歌うのは難しかったです。

-ソロ曲を作るにあたって、メイさんからのリクエストはあったんですか。

メイ:いや、ないんです。きたのがこの曲で。でも作る前に、自分がどういう人間かっていうのはいろいろ聞かれました。

しだれ:質問されてたね。インタビューみたいに(笑)。

メイ:それで作っていただいたのが、この曲と歌詞だったので。最初に聴いたときは泣きましたね。いい曲だなぁって。レコーディングのとき、"これは歌えないな"って冷や汗をかいたりしましたけど、途中から入り込んでいくことができました。ちょっとうるっとしたことはありましたけどね。

-艶奴さんのソロ曲「Call my name Miss Felis」は、とても艶奴さんらしいというか、艶奴さんが好きそうなポップでラウドな曲になりました。

艶奴:わたしは"リクエストある?"って聞かれたときに、いわゆる"ロキノン系で"って言ったら、この曲上がってきました。脱退が決まる前からすごく好きな曲だったんですけど、脱退が決まってから聴くと泣きそうになるんです。歌詞も、作詞をするGESSHI類さんが艶奴のことを考えて作ってくれたものなので、想いが重なるというか、気持ちも込めやすくて。録ったのは去年の10月とかだったんですけど。

-そのころって、脱退の意志はすでに伝えていたんですか。

艶奴:まだ伝えてなかったんです。だからこそ余計にいろんな想いが押し寄せてきて。次に歌ったら泣きますね(笑)。こうして、わたしにとっては最後のアルバムで、自分の曲を残せることが嬉しかったです。ここに自分を刻めるというか。

-小町さんの曲「Existence Metaphysical」は詩的な語りがあったりして、ぐっと引き込んでいく曲ですね。

小町:わたしは特にリクエストすることもなく、インタビューをされることもなくで、これが届いたんです。すごく好きです。感情的なような、でも感情を見せないような曲で、"聴いた人はどう思うんだろうな"と思いながらやってましたね。共感とかではなく、小町をのぞき込んでいるように聴いてくれているのかなって。自分ではとても気に入ってる曲で、"わたしが曲になったな"と思っているんですが、みんながどうやって受け取っているのか、不思議な気持ちになりますね。この曲は、予定していたレコーディング日の前日に、"今日録るぞ"ってなって(笑)。何もイメージをせずにポンと録ったのがそのまま形になっているんです。逆に、考えなかったのが良かったのかなと思いますね。

しだれ:なんかめっちゃ朝だったよね。朝4時くらいに小町のソロ曲ができました。

小町:(笑)

-しだれさんの曲は「黒白夜」です。

しだれ:この曲は自分のことが含まれていますね。自分はそんなにきれいな人間じゃなくて、すごくドロドロした人間だなってずっと思っていて。実際、"汚れきったわたし"とか歌っているんですけど(笑)。でも"輝いて"とか"変わっていく"という言葉もあって、自分に言い聞かせる曲でもあるし、希望が含まれた曲でもあります。これもレコーディングは一発録りの勢いで、下手くそなんですけど、録り直さない方がいいだろうっていうことで、そのままの気持ちをパッケージしちゃおうということになったんです。荒っぽいところもいっぱいありますけど、そのぶんガツンと伝わるんだなっていうのは、この曲が出て初めて思いました。今まで応援してくれる人には、"すごく良かったよ"って感動してもらえて。自分の下手な歌でも気持ちが動かせるんだなっていうのが、すごく嬉しかったし。1回失敗した人とか、自分のことを汚いって思っている人でも、一緒に成長していきたいし寄り添っていきたい、自分も頑張りたいという思いが入ってます。

-聴いたときの最初の印象が、"初期のつれづれを思わせるな"っていうことだったんですよね。

しだれ:"叙情派"って言われていたころですね。それはすごく思いました。歌もそんな感じですね。