INTERVIEW
OUTRAGE
2018.09.07UPDATE
2018年09月号掲載
Member:丹下 眞也(Dr)
Interviewer:荒金 良介
-では、『Raging Out』の楽曲をライヴでプレイした手応えは?
ツアー5ヶ所で「Mother」以外全曲やったんですけど、想像どおりというか。どれもライヴ感のある曲ばかりなので、どこに置いても違和感がなかったんですよ。今後、どこにこれらの楽曲を置いてもいいなと確信しました。むしろ代表曲の一部になるんじゃないかと思う曲もありましたからね。
-丹下さんの中で代表曲になりうる曲というと?
「Doomsday Machine」、「Outrage」はライヴでやり続けてもいいのかなと思います。
-「Doomsday Machine」は盛り上がるお客さんがいる一方で、結構聴いている人も多かったですよね?
そうなんですよ! 身体的にはノレるけど、いわゆるOUTRAGEのビートとは違うし、メロディの方が耳に入りますからね。
-何気にシンガロング・ナンバーですよね?
うん。スラッシュ的な曲ではないし、これまでOUTRAGEにないタイプの曲ですね。曲を作っているときはそう思わなかったけど、こういうメロディだと、お客さんは歌ってくれるんだなと。ひとつのヒントになりました。サビのメロディの言葉の詰め方がわかりやすいのかなって。音程と言葉の詰め方は自分で作ったけど、実は納得してなかったんですね。本当はもっと言葉を詰めたかったし、もっと人が歌えるメロディにしたくて模索していたのに、それが逆だったみたいな(笑)。あと、サビは出遅れた感じで歌が乗るんですけど、本当は頭で合わせたかったのに、アイディアが出てこなくて。それを詰めてないからこそ、歌いやすくなったのかなと思います。
-結果的に良かったと(笑)。これは今だからこそ話せることですか?
ほんとにそうなんですよ(笑)。ライヴをやらないと、気づいてなかったですね。
-最新作は過去のどの曲と合わせても混ざりが良かった?
今回のDVDもそうですけど、デビュー作(1987年リリースの1stミニ・アルバム『outrage』)から『Raging Out』までバランス良く取り上げているけど、新作の曲はどの時代の曲とも違和感なくやれるんですよね。大きいのはチューニングで、新曲はノーマル・チューニングが多いんですよ。そうなると、若々しいフィーリングが戻るし、エネルギーも出ますからね。新曲で尖ったエッジが復活したので、特に『THE FINAL DAY』(1991年リリースの4thアルバム)以前の曲とは混ざりはいいですね。だから、直樹復活の1作目は混じらないことはないけど、また雰囲気が違うんですよ。
-なるほど。
なので、セットリストの幅は広がりました。今まではノーマル、半音下げ、一音下げ、一音半下げとかいっぱいありすぎて、そのブロックでは同じ時代の曲しかできなかったんですよ。今は最新曲と『THE FINAL DAY』以前の曲を同じブロックに入れることができますからね。
-今作の音像もめちゃくちゃ生々しいですね!
映像の音を貰ったときにメンバー全員一致でこのままでいいんじゃない、という感じだったから。ヴォーカルにリバーブをかけるバージョンもあったけど、ぼんやりするし、ライヴを体験した人からすると、違うんじゃないと思うだろうから。あの場の雰囲気を最大限に伝えようとすると、変な加工はいらないのかなって。
-ええ、臨場感のある映像とサウンドも良かったです。それと照明の関係もあるのか、ちょっとセピアがかった映画を思わせるライヴ映像で、これはバンドの意図を汲んだものなんですか?
いや、バンド側の意図ではないです。こういうものができましたと言われたので、気持ち明るめにしてもらったぐらいです。でもセピアっぽい処理はされてますね。ライヴの規模を踏まえても、きれいな映像を出すには光の量が足りないので、より雰囲気が伝わる映像にしてくれたんじゃないかと思います。豪華できれいな映像よりも、その場にいるような感じを味わってもらえたらいいなと。