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INTERVIEW

OUTRAGE

2018.01.17UPDATE

2018年01月号掲載

OUTRAGE

メンバー:丹下 眞也(Dr)

インタビュアー:荒金 良介

-石間さんとの共演を含め、アンコールのセッションも非常に楽しめました。

お祭りだから、みんなが知ってる曲をやろうと。実はANGEL WITCHの「Angel Witch」をセッションでやらせてほしいと言ったけど、俺たちも本編でやるから、それでもいいなら大丈夫だよと言われて。同じ曲を2回プレイするのもあれだから、泣く泣く諦めました。

-そうだったんですね。IRON MAIDENの「Prowler」は満面の笑みでドラムを叩く丹下さんが印象的でした。

ある意味、自分の本当のルーツですから。あと、UNITEDの大谷(慎吾/Gt)さんと一緒にツイン・ギターで演奏すると、いままでのOUTRAGEと全然違うから、それも楽しかったです。

-大谷さんは阿部さんとは対照的で、キレッキレのソリッドなギターですもんね。

阿部さんはブルージーでラフだけど、大谷さんはクリックの頭に合わせたような音色だから、一緒にやっても面白かったですね。

-それと、「Prowler」は橋本(直樹)さんの歌声にもすごくハマッてました。

最初にコピーしたのがIRON MAIDENだから、自然に歌えるのかなと。あと、Paul Di'Anno(ex- IRON MAIDEN/Vo)の音域にも合ってるんでしょうね。OUTRAGEの初代ヴォーカリストが抜けて、誰を入れようと考えたときに、ハイトーンの人にはあまり興味がなかったんですよ。

-あっ、そうなんですか?

ミドル・トーンと低い声が出せる人――Paul Di'Annoや、『サーペンス・アルバス』(WHITESNAKEのアルバム『白蛇の紋章~サーペンス・アルバス』/原題『Whitesnake』)以前のブルージーなDavid Coverdale、TANKのAlgy Wardとか、太くてブルージーな声がいいなと。橋本さんはそれに近かったから。実は名古屋のCROWLEYの方もオーディションに応募してくれたけど、ハイトーンだったからそれはちょっと違うなと。

-丹下さんの中に明確なヴォーカル像があったんですね。あと偶然かもしれませんが、「Prowler」、「Whiplash」のカバーはいずれもそのバンドの1stアルバム収録曲です。それも新作『Raging Out』の衝動的な作風と通じる選曲だなと。

有名バンドで、1stアルバムよりもいい作品を作ってるバンドは少ないと思うんですよ。METALLICAの"ブラック・アルバム"(『Metallica』)は一千何百万枚と売れたかもしれないけど、『Kill 'Em All』のハチャメチャさには敵わないから。OUTRAGEも"ペケレイジ(1987年リリースの1stアルバム『Outrage』)"にはなかなか敵わないし、どうやっても追いつけない。20歳のころって、わけのわからないエネルギーってあるじゃないですか。それを意図的に再現しても無理ですからね。今回(『Raging Out』)ボーナス・トラックで昔の曲(「Death Trap」、「Step on it」)をやりましたけど、正直かっこ良くできるわけがないから、断れば良かったんですけどね(笑)。昔と比べたら、上手にはなったかもしれないけど、パンクやメタルは初期衝動、荒々しさが魅力だと思うから。

-ボートラの「Death Trap」、「Step on it」もめちゃくちゃかっこ良かったですよ。新作で初期衝動を再現するのは困難かもしれませんが、気持ちの部分で絶対に負けない、むしろ超えてやるんだ! というOUTRAGEの魂の爆発ぶりを注入することに成功していたし、そこに感動しました。

おじさんになったな、というアルバムにはしたくなかったので。20歳のころはよくわかってなかったけど、今回も無我夢中にやったら、わけのわからないものができるんじゃないかと(笑)。みんなが30周年と言うんで、そこでひらめいたところはあります。30年って、そんなの関係ないじゃんって。その裏返しで、限界まで速くやってやろうと。30年って言われることに腹が立った部分もあったから。ロック・バンドはそんなのどうでもいいじゃんと思うと、曲もどうでもよくなっちゃって。

-はははは(笑)、それがプラスに働いたと。

偶然、メンバー全員がそういう気持ちに向いたのかなと。曲作りでも誰々に似ていると、ツッコまれるよね、恥ずかしいよねと言っていたけど。今回は"まぁいいや、若いころはそんなの気にしてなかったし"って......まぁ、開き直りですよね。

-それと、新作についてひとつだけ質問があるんですよ。新作のボーナスに「Mother (coming home)」というバラードが収録されています。歌詞は"阿部&丹下コンビ"の共作ですが、あの歌詞に込めた想いは?

それもいろんな人に30年、30年って言われたから、バラードを入れた方がいいんだろうけど、別にいいんじゃないって(笑)。でもいい曲だから、ボーナスで入れようと。歌詞に関しては......うちの母は認知症なんですよ。それはみなさんの家族にも起きることかもしれないから、アルバムにも入れたいなと。僕よりも苦労しているアーティストはいるだろうけど、自分もギリギリと言えばギリギリで......。今日も"CLUB CITTA'川崎に行くよ"と言って、いなくなると、"(丹下)眞也は死んじゃったのか?"と母が父に聞くみたいで。父が"死んでないよ、川崎に行ったんだよ"と答えるんですよ。幻聴、幻視があるから、ハチャメチャなんですよ。

-そういう状況なんですね。

ファンの人が俺のブログを読んで、実はうちの母もそうですとか、他にも脳梗塞で倒れた彼女が認知症みたいになったという声を貰って。アーティストがそういうことを発信してくれると、勇気づけられるという手紙を貰うこともあったから。歌詞はうちの母のことばかりじゃないけど......年老いた母に対する感謝の気持ちを書きたくて。歌詞の中に"小さくなった背中で窓の外をずっと見ている"という内容があるんですけど、うちの母は窓の外をみて、誰かがいるように見えるのか、ずっと喋り掛けているんですよ。それも誰かから攻められている内容で、家族を守るために対抗しているんですよ"あっち行け!"みたいなことを言って。認知症でもいろいろ症状があるだろうけど、うちの母は家族を守っているんですよね。