MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

OUTRAGE

2017.10.11UPDATE

2017年10月号掲載

OUTRAGE

Member:安井 義博(Ba)

Interviewer:荒金 良介

-ですよね。今年の"LOUD∞OUT FEST The Tour 2017"(5月に開催されたLOUDNESSとの共同イベント)、OUTRAGE主催の"極悪祭 2017"でライヴを観たときも、橋本さんのヴォーカルやパフォーマンスはこれまでと違うところにギアが入っているなと。一度脱退する前の、あの狂気を帯びた橋本さんが戻ってきた印象を受けました。

うん、俺もそう思う。昔は普段から狂気だったけど(笑)、今はパフォーマンスのときにそれが出る感じだからね。今は全員が楽しんでライヴをやってるし、仕事だとも思ってやってないし。最初のころは、観た人を圧倒させたい! という考えしかなかったから、30年を経て、それがまた蘇ってきたという。

-それは本当に素晴らしいことです。

それをやれる余裕も出てきたのかなと。かといって、こなれた演奏もしたくないしね。暴投を頭にぶつけたれ! みたいな(笑)。前はただ単にぶつけようって感じだったけど、今は顎先に向かってぶつけようみたいな。だから、余計にタチが悪いのかもしれないね(笑)。あと、客観的に聴いて思うのは、アグレッシヴだけど、キャッチーだなと。子供って、勝手に歌詞を乗せて歌ったりするでしょ。そういうノリでできた曲もあるんだよね。そのひらめいた言葉が面白いから、英語にして歌詞に入れちゃおうって。だから、30年どころか、頭の中は40年前に戻ったのかもしれない(笑)。

-「Territorial Dispute」の中に「MY FINAL DAY」(『THE FINAL DAY』収録曲)を思わせる歌詞があったり。

言葉遊びでそういうものを入れたりね。歌詞はネイティヴの人と練るんだけど、今回はまた新しいアメリカ人の飲み友達とやったから、そのノリでやったところもあるしね。「Machete...」もそうだから。

-「Machete...」は「THE DAY OF RAGE」(1990年リリースの3rdアルバム『THE GREAT BLUE』収録曲)っぽい曲調です。

うん、それは狙った。あの曲は自分が暴れたくなるから、また違う感じでやりたいなと思って。曲名はDanny Trejoの映画"Machete"からとって、歌詞は映画"Desperado"のTrejoの役名である"Navajas"を入れてるんですよ。"THE DAY OF RAGE"は"怒りの日"みたいな意味だけど、「Machete...」は殺戮な感じで、アメリカのアホなバイオレンス映画みたいなイメージですね(笑)。

-「Hysteric Creatures」における安井さんのプレイは、故Lemmy Kilmister(MOTORHEAD/Vo/Ba)を憑依させて?

これこそMOTORHEAD、G.B.H.、初期METALLICAをごっちゃにした感じですね。あと、「We Warn All Belongs」は阿部(洋介/Gt)さんの曲なんだけど、「BLIND TO REALITY」(1989年リリースの2ndアルバム表題曲)みたいなリフだなって思ったんだけど、それも本人は狙ったというか、素直にやったのかなと。

-そして、今作の最後に「Outrage」という曲名がありますが、これまたラストに一番大きな爆弾を投げつける凄まじい楽曲です。曲調的に「MY FINAL DAY」、「MEGALOMANIA」(『LIFE UNTIL DEAF』収録曲)に通じるところもあり、後半は空耳的に「SAD SURVIVOR」(『THE FINAL DAY』収録曲)を彷彿させる歌詞を乗せてますね。

それもさっき言った言葉遊びで、これ「SAD SURVIVOR」に似とるわ! ってわかる人にはわかるというね。集大成っぽい曲で、これが最後の曲です! みたいな感じもあるかなって。普通、こういう曲がまた最後にこないだろうしね。曲的にはMETALLICAの「Whiplash」とか、そういう感じですね。

-あと、初回限定盤のみ収録の3曲についても訊かせてください。

今回レコーディングするにあたって、最初に「Death Trap」、「Step on it」を録ったんですよ。テストも兼ねて、ほんとにスタジオ一発録り。

-これはほんとに生々しいですね!

うん、何も処理してないし、よく聴いてもらえば実力がわかると思うので、粗を探してください(笑)。橋本直樹が入って作った最初の2曲だから。同じ『Outrage』収録曲でも「UNDER CONTROL OF LAW」、「EDGE OF DEATH」は前のヴォーカルの曲だからね。

-それと「Mother (coming home)」は本編に入れてもおかしくない名曲ですよね。今作の嵐吹き荒れる作風には合わないから、ハズしたのかもしれませんが。

それもあるね。ギターはUli Jon Roth、ベースはUliを引き立てる人みたいな(笑)。この曲はあまりやることがないもんでね。あと、この歳になると、親への感謝もあるから、それを歌詞に書いてね。それと自分の中のこじつけでマザー・アースじゃないけど、地球、宇宙、自然の一部なんだって、広い意味で解釈してもらってもいいかなと。これまでバラードが入ってない作品は『LIFE UNTIL DEAF』と『WHO WE ARE』しかないから、今回もバラードが入るだろうと思った人もいるかもしれないけど......初回限定盤にしか入ってないのかよ! って。それも"なんだこりゃメタル"ですね(笑)。