INTERVIEW
OUTRAGE
2017.10.11UPDATE
2017年10月号掲載
Member:安井 義博(Ba)
Interviewer:荒金 良介
-今作は箸休めがないですもんね。
ない! でもいろんなディッシュがあるから、飽きないかなと。肉、魚、ピザ、野菜もある、みたいな。
-野菜みたいな曲ありましたっけ?
あっ、野菜はないね(笑)。
-ははははは(笑)。今作を過去の作品と比較すると、安井さんの中ではどんな位置づけになるんですか?
自分の中では橋本さんが入る前のヴォーカルでやっていた「UNDER CONTROL OF LAW」(1987年リリースの1st EP『Outrage』収録曲)、3人時代の「BLEED OUT」(2004年リリースの9thアルバム『CAUSE FOR PAUSE』収録曲)という曲を足した感じが基本で、そこに『THE FINAL DAY』(1991年リリースの4thアルバム)から『OUTRAGED』までの要素も散りばめているから、全部入ってる感じかな。でも基本は「UNDER CONTROL OF LAW」と「BLEED OUT」みたいな。1曲目(「Doomsday Machine」)がこういう曲調で来るとはたぶん誰も思わなかっただろうしね。最後の方にできた曲なんだけど。
-「Doomsday Machine」の重厚なドゥーミー感は、3人時代のOUTRAGEのエッセンスが入ってますよね。そこが近作とは決定的に違うところで。
初期OUTRAGEもそうだけど、3人時代も初期衝動でやってたからね。OUTRAGEはどっしりした人たちと思ってるかもしれないけど、ほんとただのアホだから。その本心を出しただけみたいな。丹下眞也(Dr)なんてしっかりしているように見えるけど、一番キチガイだから(笑)。これが線香花火の最後の輝きみたいにならないようにしなきゃね。
-初期OUTRAGEと3人時代は、"初期衝動"というキーワードでくくると、同じなんですね。
サウンドは違うけど、気持ちはまったく同じ。狙ってないからね。だから、自分の中で「UNDER CONTROL OF LAW」と「BLEED OUT」は同じに聴こえるんですよ。あと、今は自分のバンドCROCODILE BAMBIEもやってるから、OUTRAGEしかやってなかった時期は別の要素を取り入れたいと思っていたけど、それは自分のバンドでやればいいしね。
-棲み分けができたことで、やりたいことが明確になったと。今、安井さんが思うOUTRAGEらしさを言葉にすると?
"なんだこりゃメタル"!
-ははははは(笑)。
10代のころにどこかの楽器屋さんでコンテストがあったときに、みんなに"なんだこりゃ!"と言ってほしくて。メタルにもいろんな言い方があるけど、"なんだこりゃメタル"でいいんじゃないかって、また思い出したというか、それが30年経って出てきた(笑)。大人になっても、実は重要なキーワードだったんだなと。
今はメンバー全員が楽しんでライヴをやってるし、 最初のころの、観た人を圧倒させたい! という考えが30年を経て蘇ってきた
-ちなみに、今作の中で安井さんが書いた曲は?
ここ2作品の中では一番多いですね。「Hammer Down and Go」、「Territorial Dispute」、「Machete...」、「Hysteric Creatures」、「Spin」、「Wolf and Raven」です。
-全11曲中6曲が安井さんが書いたものなんですね。
そうですね。『SPIT』(1993年リリースの5thアルバム)、『LIFE UNTIL DEAF』(1995年リリースの6thアルバム)、『WHO WE ARE』(1997年リリースの7thアルバム)のころはまた違う要素を取り入れようと思っていたけど、今回はやりたいことしかやってないから、悩んでないし、素直にできましたね。気楽にいきましょうって。
-その意味では橋本さん復帰以降、バンドの状態は一番いいのかもしれないですね。
今、橋本さんも一番アグレッシヴなんじゃないかな。