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INTERVIEW

ゆくえしれずつれづれ

2017.08.07UPDATE

2017年08月号掲載

ゆくえしれずつれづれ

Member:◎屋しだれ まれ・A・小町 英艶奴 子子子

Interviewer:吉羽 さおり

-「Helpless」は疾走感があるバンド・サウンドで、これもまたグッと歌が刺さる曲です。今、苦しい状況にいる人、葛藤している人には響く内容になっています。

しだれ:曲名は"Helpless"ですが、救いの曲でもあるし、今後ずっと助けられるんだろうなという曲だと思います。

艶奴:この曲は、歌詞的に一番わかりやすくて、まっすぐに伝わる歌詞だなと思ってます。メロディも切なさがあって。この前のライヴのときも、歌詞が刺さってしまって、唯一泣きそうになった曲でした。今の自分、自分たちのための歌詞というか。そんな感じがしています。

小町:小町は3曲とも、"わたしたちの"という意味合いでは考えていないんです。でも、今回の3曲は今までの曲とは違って、歌う方も聴く人も、形は違えど、今までで一番近いところで感じ合っているんじゃないかなと思っています。

-今年に入ってのシングル『MISS SINS』、そしてこの『Loud Asymmetry』で、より表現力も出てきて、チャレンジもある曲となっています。今のつれづれはどんなヴィジョンがあって、どういうところに向かっていると思いますか。

しだれ:誰もヴィジョンは持っていないんですよね、常にヴィジョンがない、行き先がないからゆくえしれずつれづれで。......でも、本当は行き先があった方がいい気がしているんですけどね、じゃないと迷子になっちゃうので。

子子子:でも、ずっとないイメージ。

しだれ:いろんなインタビューで、"つれづれの夢はなんですか、目標はなんですか"と聞かれるんですけど、毎回違うことを答えていますね(笑)。

-そのぶん新しい曲で、今とその先を提示するというか。

しだれ:特に今回は5ヶ月ぶりの新曲なので、それがより強くあると思います。この5ヶ月の間で5月にはカナダ・ツアー("Next Music from Tokyo vol 10 in Canada")があったり、そのあとには東名阪無料ワンマン・ツアー"pandemic"があって。だんだんとライヴに新しい人が増えてきたんですよね。

艶奴:若い人が増えたような気がする。

子子子:同時にコアな人も増えた気もする、ゴリゴリな感じの(笑)。ラウドの音楽フェスに行ってますという方とかも、たくさん見かけるようになりました。

しだれ:今回は、リードの曲もジャケットもわかりやすいので、ヴィジョンではないですけど、より新しい人に知ってもらえるようにとは思ってます。

-先ほど話に出た、カナダ・ツアーはどうでしたか。

しだれ:カナダには10日間いて、ライヴを4本やったんですけど、反応としては初見ながら日本よりも良かったかもしれないですね。つれづれを含めて日本のアーティスト5組で回ったツアーだったんですけど、どんな音楽でもノってくれて、すごいなと思いました。

子子子:アイドルはつれづれだけで。

しだれ:バンドでもつれづれでも同じように盛り上がってくれたんです。爆音が好きなのかな?

-日本でのライヴの感じを、そのまま持っていったステージをしたんですか。

しだれ:ほぼそのままやっていました。ただ、きっと音楽のノリは伝わると思うけど、歌詞の内容までは伝わらないんじゃないかと思ったので。そこをもうちょっとわかりやすくしようと思って、振り付けを一緒にできるようにしたりとか。あとは、フロアに出てめちゃくちゃ暴れるとか、わかりやすい表現方法は使いました。インパクトを残すことや視覚に残るようにすることを意識したステージでしたね。

小町:後ろの人も、みんなそれぞれの楽しみ方をしていたんです。そういう後ろの人にもステージから手を伸ばしたり、表情が伝わるようにというのは意識しました。向こうもそれに応えてくれていたし、一体感もあって。すごいなぁというか。

子子子:わかりやすく反応を返してくれるところがありましたね。

しだれ:人気の曲が、日本とあまり変わらなかったのは面白かったですね。普段の日本のライヴで盛り上がる、「我我」(『MISS SINS』収録曲)とか「つれづれ賛歌」(2016年リリースの1stミニ・アルバム『Antino未deology』収録曲)はすごく好きだって言われました。そこは、一緒なんだなって思って。

-そうやって初見の海外リスナーの心を掴んだアプローチを、逆に日本でやってみるのはどうなんでしょう。

しだれ:それは海外でしかやってないですね。日本でやったら、きっと鬱陶しいだろうなと思って(笑)。子子子は表現をちょっと変えてたよね。

子子子:言葉が伝わらないぶん、ひとりひとりをさらによく見て伝えるようにというのは意識していました。

しだれ:いつも以上に伝えようとしていたみたいで。それは日本にも、ぜひ持ち帰ってほしいですね。

子子子:どうしても日本だと、人見知りのわたしが出てしまうんですよね(笑)。

-ライヴ本数としては少なかったけれど、そういった前作から5ヶ月間の濃い時間が、このシングル『Loud Asymmetry』に詰め込まれていそうですね。。

しだれ:ツアーやライヴが少なかったぶん、いろんなことを考え込んでしまうことも多かったですね。つれづれのことはもちろん、自分の人間性とか自己嫌悪に陥ることも多くて(笑)。そういう溜め込んだ思いを、この新曲にすべて注ぎ込んでしまったので。しだれにとっては苦しいシングル曲でしたね。

小町:そうだね、すごく考える時間があった。今は、グループを左右する時期だと思うんです。左右するところに立たされてしまっているので、ここから今後のことについて見つけていっているところです。