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INTERVIEW

OUTRAGE

2016.03.05UPDATE

2016年03月号掲載

OUTRAGE

Member:丹下 眞也(Dr)

Interviewer:荒金 良介

-3人編成時代に必要以上に構えなくなった?

うん、そうですね。素の部分って、隠そうと思えば隠せるんですよ。でもついポロッと出ちゃうから、それなら最初から素のままでいいじゃんって。隠して見破られる方が恥ずかしいですからね。

-それが今のいい空気感に繋がっているんですね。

ロックは危険なものであってほしい気持ちもあるけど、そうじゃなくてもいいのかなと。例えばスラッシュ・メタルやパンク・ロックが出てきたときのような危険な香りがするのも音楽の良さだけど......バラードじゃなくてもジーンとくる曲があったり、すごい破壊力があるのにホッとする曲があってもいい。自分たちのライヴでも驚異的な何かを感じさせるというより、じんわり伝わるアプローチでもいいのかなと。

-そういう考えに至ったのはなぜですか?

年齢も関係あるんでしょうけど、ミュージシャン・サイドとリスナー・サイドで分けて考える必要はないのかなと。家でも気楽に音楽を聴いてるし、毎日自然に流れているのが音楽だから。ミュージシャン・サイドになったときも、自然に沸き上がるものをやればいいんじゃないかと。"OUTRAGEだから、こういうステージにしなきゃ!"みたいな気持ちはあまりないですね。

-ライヴ開演前にMOTÖRHEADの曲をずっと流してましたよね。OUTRAGEのルーツとしても最重要バンドのひとつですが、Lemmy Kilmisterが亡くなった今、丹下さんの心境を聞きたいと思っていたんですよ。

Lemmyがお亡くなりになったことは残念だし、特にもうライヴを観ることができないのは残念でしょうがないけど。"人間は生まれて死んでいくもの、深く考えなくてもいいじゃねえか"、みたいなことを教えてくれたのはLemmyだと思うんですよね。だから、悲しくはないんですよね。Lemmyも、"お前は俺の息子でもないから悲しむ必要もないし、俺がいなくてもロックは続く。お前はお前で好きなことをやって楽しめよ!"と言うと思うんですよ。MOTÖRHEADの音楽はずっと残り続けるし、僕がMOTÖRHEADから受けた影響がなくなるわけじゃない。だからこそ、Lemmyに"自分が健康なときは好きなことをやって楽しめよ、人に左右されずに自分が思う人生を送りなさい"と言われたような気持ちですね。

-わかりました。そして5月1日(日)には2回目となる"LOUD∞OUT FEST"が開催されます。まず昨年の1回目を振り返っていかがでした?

LOUDNESSは大先輩だし、一緒にやらせてもらうだけでドキドキでしたけど。やり終えて、もちろんLOUDNESSの凄みを感じましたけど、ひとつ共通点も見えたんですよね。あ、やっぱりお互いに音楽が好きなミュージシャン同士なんだなと。だから、2回目はもう少し肩の荷が下りるところもあるし、もっと自分たちらしさをアピールできるんじゃないかと。

-共演したsadsとHER NAME IN BLOODに関してはどうですか?

同じですね。清春(黒夢/sads)さんが続けているのも人間のパワーがあるからだと思うんですよ。その人間のパワーが音楽に出るんですよね。LOUDNESS、sads、HER NAME IN BLOOD、OUTRAGE、カラーはそれぞれ違いますけど、音の力強さは人間が持つパワーなんだなと改めて思いました。ちょっと話は逸れますけど、Ken Yokoyamaさんとラジオ番組で対談したんですよ。彼からは懐の深さを感じますし、ああいう人が作る音楽は自然と説得力があるんだなと。で、"LOUD∞OUT FEST 2015"の話に戻りますけど、高崎(晃/Gt)さんという人間の懐の大きさというか、ロック好きの度合いというか......彼は究極のロック・バカだと思うんですよ。

-ええ。

ロック・バカのエネルギーが心から手に伝わって、手から弦に伝わって、あの音になるんですよね。だから、もっとロック・バカにならなきゃダメだなと。それは『GENESIS I』を作ってるときにも思いました。この人たちはロック・バカだな、だからこんな音を出せるんだなって。音楽をやるうえでは感じたことをダイレクトに出すことが1番いいなと。これまでは"OUTRAGEとは?"みたいなことを考えていたけど、今は"このメンバー4人の現在とは?"を考えた方がいいなと。橋本、阿部、安井(義博/Ba)、丹下のパッションの集まりをストレートに出すことが1番ですね。

-OUTRAGEの過去作の中でそれができた作品というと?

『THE FINAL DAY』(1991年リリースの4thアルバム)と『LIFE UNTIL DEAF』(1995年リリースの6thアルバム)ですね。

-やはりその2枚になるんですか?

そうですね。1番気楽に作ったアルバムですからね。『THE FINAL DAY』は初めての海外レコーディングで、プロデューサー(Stefan Kaufmann)からも"俺に任せとけ、お前らは演奏するだけでいいから"と言われて。ドイツだったので、ビールを飲んだりして、環境も良かったんですよ。そういう気楽な感じがOUTRAGEに向いているんでしょうね。