INTERVIEW
OUTRAGE
2015.10.07UPDATE
2015年10月号掲載
Member:丹下 眞也(Dr)
Interviewer:荒金 良介
-(笑)
僕らもMETALLICAが出て来る前は、VAN HALEN、UFO、SCORPIONSをコピーしてましたからね。スラッシュ・メタルというより、ハード・ロック・バンドだったんですね。その一方で外道のカバーをやると、NWOBHMにも通じるようなメタルになるんですよ。自由にやると、自分たちのルーツが勝手に出るんだなと。これは自分で言うのも変だけど、これが30数年やってきた重みなのかなと。ポジティヴな意味で、結局何をやっても変わらないじゃんって。自分たちの音ができあがった証拠かなと。
-それは今作全体を通して言えますね。
そうですね。未発表曲が同じ作品に入っても、何の違和感もないですから。
-ちなみに橋本さんが選んで残った候補は、はっぴいえんどだけですか?
それと頭脳警察(Track.3「ふざけるんじゃねえよ」)と外道ですね。BLUES CREATIONも橋本から出たけど、選曲したのは自分です。アナーキー(Track.2「あぶらむし」)は安井、THE MOPS(Track.1「御意見無用」)とStrawberry Path(Track.7「メリー・ジェーン」)は自分です。
-今回、改めて橋本さんの歌唱力の素晴しさを痛感しました。特にはっぴいえんどの「空いろのくれよん」は聴き惚れてしまいました。
僕も1番好きですね。リスナーとしてもグッとくるものがあるなと。「空いろのくれよん」も、歌えるだろうけどハマるか心配だったんです。でも見事にハマりましたね。
-未発表曲は昔のものばかりなんですか?
新しいもので言えば、「THE SHADOW OF FEAR」(Track.12)、「EVIL ROCK」(Track.8)は前作『OUTRAGED』のときにデモだけ録って、出さなかった曲ですね。
-Track.11「SUNNY DAZE」はBLACK SABBATH風のドゥーミーな曲調ですね。
橋本が辞めるころにあった曲で、これを出さなかったのも心残りだったんでしょうね。その流れで3人時代に入りますからね。「BURIED ALIVE」は3人時代に収録しましたが、4人時代にデモを作っていた曲ですからね。
-そうだったんですね。「SUNNY DAZE」のイントロのジャジーなベースも珍しいアプローチだなと。
あのころから枠がハズれて、3人時代で自由になって、4人に戻ったときにまたスラッシュを意識して、前作の『OUTRAGED』でまたそれを広げて、今回のカバーでさらに広げたという。これは後づけになるかもしれないけど、振り返ると、バンドの歴史が全部入った作品だなと。
-たしかにそうですね。あと、最後に収録された「荒城の月」(Track.13)のインストも良かったです。
「荒城の月」はSCORPIONSのカバーが有名だから、歌まで入れてしまうと、同じになるのでインストでやろうと。今回は日本のバンドのカバーをするから、日本という繋がりもあるし、OUTRAGEが和を出すと、どうなるかなって。
-過去に「River」をアコースティックで披露してくれたことがありましたが、今回のカバー曲を聴きながら、ふとアコースティックでやってもハマるだろうなと思いました。
特にカバー曲はプリミティヴ、原始的だと思うんですよ。まあ、70年代だから、曲もラフだったり、勢いで作ってますからね。アコースティックでも似合うと思います。BLUES CREATIONの曲もアコースティックで行けるかなと。
-70年代の音楽はアコースティックでやっても通用する強度というか、自由度があるのかもしれませんね。
そうですね。Pro Toolsが出る前とあとではレコーディングの環境は全然違いますからね。Pro Toolsが出る前のレコーディング方法はいいよなあ、という思いもありますからね。便利じゃないからこそ、いい部分もたくさんあったと思うんですよ。僕らもそういうところに一度立ち返ろう、という気持ちはあったかもしれないですね。