DISC REVIEW
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愚民(※DIAURAファンの総称)の方々からすると、これほど待ち望んでいた作品もないに違いない。ライヴ・バンドとしてシーンの前線で闘い抜いてきた彼らには、いわゆる未音源化状態だったライヴ曲がいくつか存在するのだが、ここでは満を持するかたちでそれらを録音することになったのだという。ステージで叩き上げ続けてきた練度の高い楽曲たちだけに、当然どれも音の中に充填されている熱量はマックスボルテージぶりが顕著なこと請け合い。そのうえ、今作の冒頭を飾る表題曲は先鋭的な新曲で、歌詞の"取り憑いた悪夢を振り払うように/新たな章を始めよう"という表現からは、今現在のDIAURAが胸に抱いているのであろう野心と野望が窺える。どれだけキャリアを積もうと、彼らが尖った牙を持ったバンドであり続けていることは、愚民らにとっての誇りでもあるはず。6月まで続くツアー"ONEMAN TOUR『VARIANT[ISM]』"に向けたブースターとして投与推奨。 杉江 由紀