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INTERVIEW

DIAURA

2018.10.18UPDATE

2018年10月号掲載

DIAURA

メンバー:yo-ka(Vo) 佳衣(Gt) 翔也(Ba) 達也(Dr)

インタビュアー:藤谷 千明

ヴィジュアル系シーンを"独裁"するというコンセプトを掲げ、確固たる美意識の世界観を構築し、唯我独尊の道を歩むバンド DIAURA。そんな彼らの約1年半ぶりとなるニュー・シングル『MALICE』は、インスタントな"悪意"やお手軽な"共感"がはびこり、誰もが誰かの顔色を窺って本質が見えなくなってしまった現代社会に対するアンチテーゼが込められている。結成から約8年、移り変わりの激しいシーンの中でも決して流行にとらわれず、常に自分たちの美意識を貫き通し続ける4人に、本作に込められた想いを訊いた。


誰がなんと言おうと"これがDIAURAだ"ということを、この作品で提示したかった


-約1年ぶりの激ロック登場になります。この1年でバンドに起きた変化はありますか?

佳衣:メンバー各自で、考えること、思うことが増えたんじゃないかな。自分自身もそうですけど、曲に関してもライヴに関しても、ひとつひとつの物事に対しての考え方が変わってきて。それが4人集まったとき、バンドとしての変化に繋がっているんじゃないかなと思います。

yo-ka:近年、作品のクオリティもより上がってきているし、それぞれの視野も明確になっている。そんな自負があります。俺たちは細かく"ああしよう、こうしよう"と話し合うのではなく、作品を各自の力でどれくらい変えていけるか、という形で歩みを進めてきているバンドなんですけど、そのなかでひとりひとりの歩幅も大きくなってきて、それがライヴにも出るし、作品にも出る。そういった意味では、変わってきていると言えますね。

翔也:個人的な変化で言うと、今年に入ってからライヴでコーラスをするようになりましたね。毎年1月の誕生日にライヴをやっているんですけど、そのときに何か新しいことに挑戦したくなったんです。もともと(※激ロックのマガジンを指しながら)こっちサイドの音楽を聴いて育ってきた人間なので、パソコンからコーラスを流すよりもメンバーがコーラスをやっている方がしっくりくるし、やってみようと。表現も豊かになるし、それ以降続けてやっていますね。

達也:今年前半は、レコーディングも多かったんですけど、終わるごとにレベルアップしていると感じています。いろんな曲に向き合うことで、自分のドラムの音に関しても、いろいろと考え直すことができますし。

-そして、10月24日に約1年半ぶりのシングル『MALICE』がリリースされます。

yo-ka:約1年半ぶりのシングルということもあって、誰がなんと言おうと"これがDIAURAだ"ということを、この作品で提示したかったんです。作品として薄いものにはしたくなかったし、前提としてトゲのあるものにしたいと考えていました。

-表題曲の「MALICE」は、直訳すると"悪意"ですね。

yo-ka:はい。俺は、この世の中自体が"MALICE"だなと思うんです。みんな大小は異なれど、それぞれに"悪意"を抱えていて、それが生きていくなかでぶつかり合って増幅したり、逆に小さくなったり。ましてや、この情報化社会、嘘も本当もわからないようなたくさんの情報に触れながら、自分の意志や信念も揺らいでしまうような日々を過ごしているじゃないですか。そんななかで、自分が自分であろうとする葛藤こそが、この「MALICE」を作る原点になっているんです。

-例えばSNSを開くと、そういう情報が否が応でも入ってきますしね。

yo-ka:バンドも同じで、"今の時代、これが主流だ"だとか"今はこれが世の中に受けている"みたいな、そういった意見もひとつの"情報"だと思うんです。でも、それに対しても自分の中では違和感があって。そんなふうに流されていいのかっていう。DIAURAは結成以来、自分たちが疑問に思うことをずっと作品にしてきているし、2017年にリリースしたフル・アルバム『VERSUS』も、自分の言いたいことを言いまくったアルバムなんですが、もっと明確な形で表現したのが『MALICE』なんです。

-「MALICE」はスパニッシュなギター・フレーズが印象的な曲です。作曲は佳衣さんですが、どのようなイメージで制作されましたか?

佳衣:自分の場合、"こういう曲を作りたい"みたいに、単純な音だけでは考えてなくて、言葉の響きや意味などを、自分の頭の中で描いて音に変換するようにしています。"MALICE"という響きは、"悪意"という意味合いに反してきれいだなと感じていました。だから、ハードさの中にきれいさや哀愁を入れたサウンドにしたかったんです。ハードなサウンドと対象的なクラシック・ギターの音とかを融合させた曲になりました。

翔也:この曲は場面展開が多くて、1曲の中で全然違う曲に聴こえるところもあるくらい。これまで、こういったラテンな雰囲気もなかなか出せなかったし、ドラマチックな展開は弾いていても面白いですね。ドラムも含めてリズム隊はわりかし凝っています。

達也:佳衣の曲はデモの段階でしっかりしてるから、まずはそれを参考にして、自分なりに変えてみたりすることが多いですね。今回はレコーディング前にいろいろ決めて、レコーディング当日に"こういうの試してみたいな"と、その場でやりとりしながら試行錯誤してきました。

-カップリングに収録されている「レゾナンス」は、すでにライヴでも披露されているナンバーです。

yo-ka:今って"共感"という言葉が、非常に簡単に使われがちな気がして。すぐに"共感しました"と、人の意見を自分の意見のようにしてしまう人も少なからずいるじゃないですか。そういった風潮にずっとモヤモヤしているので、せめて自分たちの音楽を愛してくれる人、聴いてくれている人には、そうなってほしくないと思うんです。自分の意志だったり意識だったりが、誰かの言葉に毒されて、ボロボロになってほしくない。この歌詞は自分自身に対して言ってる部分もあるし、俺たちの音楽を聴く人に対して伝えたいことでもあるんです。

-安易な共感への抵抗、それは"MALICE"のテーマに通じるものがありますね。

yo-ka:俺たちは俺たちの音楽と言葉で、ネット上の文字だけじゃない、確かな"共鳴"を作っていきたい。"どうせ人間なんて......"と思うこともあるけれど、音楽をやるという道を選んで、今を生きている以上、捨てられない希望みたいなものもあるし、それが"レゾナンス"というタイトルに込められているんです。

-歌詞にも"何かを否定することで 深まる溝にはまり込んだ僕らは"とありますが、正直"否定すること"で繋がる方が簡単で、ネット上にもそういう言葉が溢れていますよね。

yo-ka:自分の正義を主張するために何かを否定するやり方って、政治から友達関係まで常套手段なんですよ。だけど、それって誰かが痛い思いをするだけで何も生まない。今の時代、そこに嘘も混じるからさらに質が悪い。そんな世の中に対して反発精神があったし、この曲はすぐにライヴで発表する楽曲だったからこそ、剥き出しの言葉で書きたかった。最初は音源にする予定も決まっていなかったけれど、ライヴを重ねるごとに大事な曲になっていって、今回音源化することになりました。

-CDに収録することを、当初は考えてなかったと。

佳衣:音源にしようとも考えてなかったし、実はライヴのこともそこまで考えずに作った曲なんです。純粋に"聴いてほしい曲"として作り上げたというか。ここまで何も考えずに作ったのは珍しいかもしれない。だから、最初はやっぱりライヴで演奏することの難しさ、もどかしさがあったんですけど。ライヴでの経験やレコーティングを通して、ようやく完成した曲だと思います。