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COLUMN

THE STARBEMS 日高 央の激トーク!! 第六回

THE STARBEMS 日高 央の激トーク!! 第六回

日高:鳴りとか音が良くても、ダメな人多いしね。それは海外の人でもそう。悪口じゃないけど、PUNKSPRINGとか出ると"意外と大人しいじゃん、このパンクス"みたいのもあるしね(笑)。BAD RELIGIONは逆にものすごく知的だったりする。ライヴでは荒くれものっぽいのに、Greg(Graffin/Vo)なんて楽屋で挨拶させてもらうとものすごく知的で、まっすぐな瞳で。
JESSE:だからこそ、熱くなれるんですよ。

日高:握ってるコブシの力がハンパないっていうか。そこに込められてるものっていうのは、俺たちが憧れるもので。そういう熱量は、The BONEZもすごい。ライヴを観ていても思うし。だって、あんなダメなZAX(Dr)がライヴでは輝いてるもんね。

JESSE:(笑)彼のオフステージのダメさって言ったらないですからね。うちの娘も、"なんでZAXってドラム叩くとかっこいいの?"って言う(笑)。

日高:普通の大阪のおっちゃんになっちゃう(笑)。いやあ、面白いな。なかなか知られざるヒストリーが聴けましたね。

-RIZEについても、The BONEZについてもそういった流れがあって、始まっていたとは。

JESSE:The BONEZはバンドになって3年ですけど、9年前からあったんですよ。それはDJと1MCで"JESSE and The BONEZ"っていう名前でやってたんです。

日高:ああ、メインはそっちだったんだ。

JESSE:そのヒップホップをバンドにアレンジしたのが最初だったんです。そこからバンドになったんです。

日高:かなりの歴史があるんだね。本当なら、ポッと出のバンドとは思われたくないよね。

JESSE:3年前とかはそれこそSiMとか、coldrainのオープニングをやらせてもらって。最初は"チキショー、なんでオープニングやらないといけないんだ"と思ったけど。ファンの子があまりにも若すぎて、物販やってたら俺のところきて、"最初に出てたバンドに人だよね?名前何ていうの?"って。"JESSE"って答えると、"JESSE、かっこいいね。俺めっちゃファンになったからさ"とかを高校生くらいの子に言われたりして。

日高:はははは、嬉しいっちゃ嬉しいよね。

JESSE:そう、めっちゃ嬉しいの。俺がJESSEだからとかじゃなくて、イチから人を魅了させられるんだなと思って。それはちょっと頑張ろうってなった。

日高:そこは逆に、業界がそういうふうに考えてくれないんだよね、今まで積み上げたものの延長として考えてる。でもこっちはゼロでいいっていう覚悟でやってるから。そこもこの2バンドはすごく似てるっていうかね。かといって、過去が嫌いなわけじゃない。

JESSE:もちろん。それはものすごく似てますね。

日高:まずは伝わらないんだけど(笑)。コツコツとやるしかないっていう。

JESSE:ファンがひとりできて、かっこよさに気づいちゃったっていう子が隣のファンに伝えて、っていう感じで徐々に広がっていくものだと思うので。

日高:そういう熱量は、こういうバンドに限らずいろんな仕事でもそうで、根っこの情熱を商品でちゃんと伝えて行くっていうことを、もう1回日本はしたいよね。して欲しいなって思う。

JESSE:メジャー・レーベルだと、お客さんとして考えると思うんだけど。"お客さん"と"ファン"って僕は違うと思うんですよ。例えば、AとBという牛丼屋があって、Aで食ってて、Bの方が100円安いぜってなって、Bで食うでしょって人は"お客さん"。けど、俺はAの牛丼が300円高くても味がいいから食いたいんだよっていうのが"ファン"じゃないですか。うちらはこのファンを対象にしているから。ファンになれば、すごく情熱的ですからね。

日高:値段じゃないからね。ベテランの世界なんかまさにそうじゃないかな。そういうことでは、親父さん世代にもらったものはでかいね。俺も普通にリスナーとして観てたけど、あの当時ああいう音楽をやれてたっていうのはすごいことだし。あれがないと今の俺たちはない。そもそも、いち早く英語で歌ってるしね。全然理解されないだろうなっていうのは、わかってやってる。

-あくまで音楽ありき。自分のやりたいことを貫いている。

JESSE:90年代にあの年でインディーズを作ったのもすごいかな。それを俺に継いで欲しいっぽいんです。今、"Zicca"っていうんですけど。

日高:最初の、"江戸屋Record"といい"Zicca"といい、ネーミングのセンスはどうかと思うけど(笑)。そこはもうちょっとかっこつけてもいいんじゃないの?って思うよね。

JESSE:スペルでかっこつけてるから。Z、I、C、C、Aで"ズィッカ"っていう。

日高:はははは。

JESSE:梱包も配送も自社でやってますよ。

日高:そうなんだ!今度頼もう(笑)。それいい話だね。そういうロックンローラーでありたいね。

JESSE:いつか、Ziccaレコードからスプリット出しましょう(笑)。

-では、ディープな今日の話もありつつ、キッズに伝えたいこの1枚をそれぞれ教えて下さい。

JESSE:俺、ライヴ盤を聴かせたいんですよね。今はちゃんとしたパキッとした音を聴いて、いいってとらえていると思うけど、昔はライヴ盤が出たらまず買ってたな。

日高:ブートでも買ってたもんね。

JESSE:ライヴ盤で想像しまくってましたからね、きっとこうやって弾いてるんだろうなとか。映像もなかったし、最初は。

日高:そういう意味では、俺はDAVID BOWIEの映画にもなった『Ziggy Stardust』のライブかな。最初は音楽だけを聴いて、すごくDAVID BOWIE好きで。ギター練習して、Mick Ronsonみたいに弾きたいとかあったけど。いざ映像観たら、DAVID BOWIEの山本寛斎の衣装がすごすぎて、ドン引きして(笑)。こんな格好でやってたんだと思って(笑)。

JESSE:見た目知らなきゃよかったって(笑)。

日高:それでも好きなんだけどね。今のキッズにも逆に、勉強で観て欲しい。ああいうので、耐性をつけて欲しい(笑)。

-これがロックスターだと(笑)。

日高:面白いとかっこいいの紙一重の感じをね。でも当時はあれがヒップだったんだけどね。だけどもハイレグみたいので、頭は関西のおばちゃんみたいで。ということで、『Ziggy Stardust: The Motion Picture』を。

JESSE:俺は、初めて親父に聴かされたウッドストックのライヴ盤(Jimi Hendrix/『Live At Woodstock』)かな。レコードで聴ければぜひレコードで。レコードを開くとアートワークがステージからお客さんを見た写真になってて。それをピアノの上に置いて、レコードをかけていたんですよね。ジミヘンの出演時間はほんとは夜の10時にやるはずだったのが、1日半押して、朝方にやってるライヴらしいです。

日高:朝のテンションとは思えないよね(笑)。

JESSE:そういう話も大人になってから聞いて、"1日半押し!?"っていう。

日高:みんな帰らないんだね(笑)。常識が覆されてる。

JESSE:(笑)あのアルバムに僕は1番、やられたので。ぜひ、レコードで聴いてみて欲しい。映像もあるけど、映像なしでもレコードで聴くとその場にいるかのようにヴァイブスが高くなる。

日高:まずは音で、確認して欲しいね。



【日高 央の1枚】

  DAVID BOWIE
『Ziggy Stardust:The Motion Picture』
 (1983)

【JESSEの1枚】

  Jimi Hendrix
『Live At Woodstock』
 (1999)