COLUMN
THE STARBEMS 日高 央の激トーク!! 第四回
インタビュアー:村岡 俊介(DJ ムラオカ) Photo by 石原 慎
日高 央(THE STARBEMS)がラウドロック・シーンを賑わすバンドマンとガチで語り合う、その名も"激トーク"! 日高と親交の深い、もしくは彼が注目するバンドマンをゲストに迎え、"激ロックの読者にぜひ聴いて欲しい1枚"として、お互いが1枚オススメのCDを紹介しあい、音楽談義に花を咲かせる熱いロック対談だ。第4回目となる今回の対談相手は、パンク・ロック・シーンで今最も勢いのあるバンド、HEY-SMITHの猪狩秀平。バンドのルーツや音楽観について語り合った、世代を越えた濃密対談は必見!
-激トーク第4弾はHEY-SMITHの猪狩さんですが、おふたりはすでに何度か対バンなどされてますか?
猪狩:フェスとかではやったことがあるけど、ライヴハウスでやったのは1回だけですね。
日高:そうそう。イベンターのしがらみがあってかぶらないんですよ(笑)。俺らGREENSのとこのRUSH BALLは呼ばれないんだけど、清水温泉のOTODAMAは呼ばれたり。OTODAMA呼ばれないでしょ?
猪狩:俺らはRUSH BALLもOTODAMAも呼ばれません(笑)。
日高:自分たちでやっちゃったから?
猪狩:分かりません。そういうのもあるのかもしれませんね。
-もちろんお互いのことはご存知でしたよね?
猪狩:話したのは大分の8月末のイベントのときが初めてですね。
日高:そうだね。大分T.O.P.S Bitts HALLっていうライヴハウスに名物店長がいて。坪井さんっていう面白おじさんなんですけど。
猪狩:日高さんからしたら面白おじさんなんですね。俺からしたらものっすごい怖い人ですよ。今はだいぶやわらかくなりましたけどね。
日高:(ライヴハウスに)行くとまず説教から始まるんですよ。昔ながらのライヴハウスっていう感じで。ちなみにヘイスミ(HEY-SMITH)は最初なんて怒られた?
猪狩:昔、TOPSの楽屋にいっぱい"やってはいけないリスト"があったんですよ。"ドラム・セットの上に乗ったらあかん"とか。
日高:あるね。"マイクを投げるな"とか。基本的なことっちゃ基本的なことだけどね。
猪狩:で、俺、勢いづいてドラム・セットの上に乗ってしまったんですよ。そしたらライヴ終わって20秒くらいでスタッフさんに"坪井さん呼んでるんで"って。シールド巻いてたら"それやっとくんで坪井さんとこ行ってください"って。
日高:坪井さんはルックスもARBのメンバーみたいな、昔ながらのレジェンド・ロック系な感じなんだよね。
猪狩:初めてお会いしたときスーツ姿に金のネックレスしてて。で、すごい怒られて、ものっすごい怖かったです。
-違うところの思い出話になってきてますけど(笑)。そんな場所で出会ったということで。対バンのときに打ち上げもご一緒に?
猪狩:そうですね。でも、あんまりお話しなかったですよね。
日高:怖いおじさんたちに捕まっちゃってあまり話せなかったよね。怖いおじさんたちは通訳がいるんだよ(笑)。俺は坪井さんとかSAとか怖い人たちを若手に紹介する役割なんです(笑)。
日高:でもやっぱ関西は未だに縦社会なイメージ俺すごいあるよ。
猪狩:ありますよ。やっぱ先輩最初みんな怖かったですもん。
日高:やっぱ常に誰かが説教するって言ってるもんね(笑)。"そろそろ締めなあかんな"とか。俺も"そうだね、そろそろ締めた方がいいな"とか言っといたもん。そういう共通のバンドの話題も多かったしね。HEY-SMITHはバンドの成り立ちがすごい不思議なんだけど、最初はどうやって始まったの?
猪狩:最初はほんま学生の友達とか、友達の友達とかよくある感じやって、みんなNOFXとかRANCIDとかそのへんが好きで。そん中でもNOFXとかRANCIDとかがたまにやってくるスカ曲が好きなんですよ。で、そのあとすぐメタルが好きになって。"スカとメタル合わせたら楽しそうじゃない?"みたいな。
日高:本当にそういうノリなんだ。合わせようと思ってたんだね。メタルとスカを融合してるバンドだな、とは思ってたけど、そんなにあからさまに狙ってたんだ(笑)。
猪狩:そうなんです、あからさまに。それこそMETALLICAの『S&M』とか聴いて、"なんだ、クラシカルとメタル合うやん"とかそういうのもあって。もうちょっとハッピーな方が良かったんで、管楽器ええんちゃう?みたいな。
日高:そこで管楽器もOKになったんだ。自由だね~、ヘイスミ。
猪狩:たしかに。みんな好きな音楽もバラバラですね。
日高:まずメンバーのルックスがバラバラだもんね。ベースの奴とか全然違うもん、オールドスクールだし。ホーン隊に至ってはもう何が好きかわからない。ほとんど服着てないし。
猪狩:(笑)そうですね。
日高:でもなんか俺たちの世代からするとちょっとLÄ-PPISCHっぽい。ホーンもいるけどホーンのある音楽に寄せる気が最初からない、みたいな。そこは狙ってるところなんだよね、きっと。
猪狩:そうですね。全然寄せる気ないです。
日高:しゃべってみて猪狩君は意外に頭いいっていうか、ちゃんとしてたから。
猪狩:どんなイメージ持ってたんですか?
日高:言いかた悪いけどほら、関西のバンドって雑じゃん。
一同:(笑)
【日高 央の1枚】
Ian Dury
『New Boots And Panties!!』
(1977)
【猪狩 秀平の1枚】
NO USE FOR A NAME
『Hard Rock Bottom』
(2002)