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COLUMN

THE STARBEMS 日高 央の激トーク!! 第四回

THE STARBEMS 日高 央の激トーク!! 第四回

日高:ちゃんと習ってたんじゃ結構叩けるんだ。ツー・ビートとかもいけるの?

猪狩:いけましたよ。今はダメですけど。

日高:ドラム上手いやつって(バンド活動で)ドラムにうるさくなると思うけど。

猪狩:うちのドラムが最初ノイローゼになってました(笑)。小学校から高3くらいまでガッツリやってて、そっからギター始めたんで、ギターのが全然遅いっていうか。

日高:ドラムからそっち(ギター・ヴォーカル)に転身しようと思ったきっかけは何だったの?

猪狩:高2くらいのときにHi-STANDARDとかのコピバンやってて、"オリジナルでライヴしたい!"って言ったんですよ。そしたら当時のギターが"曲作ってきたで"って言って録音したテープ持ってきたんです。でもそれが実はSABOTENの曲で、俺はまったく知らなくて。

日高:騙されたんだ(笑)。

猪狩:騙されて"めっちゃええやん!"ってなって練習しまくってライヴでやったのに"実はあれ違うねん"て言われて俺がキレて。で、"もう俺が曲作る!"ってなって、じゃあこれギター始めなあかんな、と思って始めました。

日高:すごいちゃんと理知的だよね。バンドで曲作るなら音程のある楽器やらなあかんと思ったわけでしょ? 頭いいんだね。

猪狩:そうなんですかね? まずは歌ってみたんですけど"で、だからどうするん?"ってなって(笑)。あ、ギターやギターや、って。

日高:和音がなきゃダメだってことに、誰かに教わったわけでもなく自分で気づいたってことでしょ? バンドやってなかったら天才だよね、たぶん(笑)。

猪狩:なんでバンドやっちゃったんですかね(笑)。

日高:そうだね、そこが残念ちゃ残念だけど(笑)。ヘイスミって悪い言いかたすると"いびつだな"って思ってたんだよ。いわゆるスカから出てきた感じとも違うし、猪狩君のルックスからしてメタルだけどスラッシュ・メタルじゃないし。かと言ってメロディック・パンク風の曲ではあるけどメロコアじゃないし。このいびつさは何だろう? って。逆に言うとビークル(BEAT CRUSADERS)との共通点をすごい感じてて、何でも好きだからこそ力技で全部ミックスしてみた結果どこにもいない孤高の存在になって、悪く言うと友達の少ないバンドみたいになってんだろうな、と予想してたんだけど。あながち間違ってない?

猪狩:大正解ですね(笑)。

日高:だいたい2、3バンドはかたまりになって東京に聴こえてくるというか。AIR JAMもそうで、ハイスタやらハスキン(HUSKING BEE)、SHERBETらが固まって情報がきたりしてたけど、ヘイスミはヘイスミだけポンっといきなり情報がきたから、最初は東京も"このバンドはなんなんだ"って掴みかねてたんだと思う。

猪狩:そうなんや。たしかに大阪ですごく仲よくて一緒にやってた人はあんまいなかったかもしれないです。だから俺は真逆のSiMとかcoldrainとかといる感じですね。

日高:その方が相性いいんだろうね。逆に東京のモダンの人たちも、そのスクリーモでもベタなラウドロックでもないって感じがあったんだと思うし。

猪狩:そうですね。SiMにしてもレゲエとかスカ色もあるし。

日高:かと言ってレゲエど真ん中でいったら絶対浮いちゃうだろうしね。coldrainもスクリーモに入っちゃうとちょっと違うってなるだろうし。世代もあるのかもしんないけど。

猪狩:あと仲良かったのはSHANKとかですね。そんでみんなほんまにちょうどよく長崎、大阪、名古屋、東京でそれぞれイベントとかやって、お互い呼ばれたりしてたんで。

日高:同時多発的な"ミュータントたち"みたいなね(笑)。俺らみたいな世代からするとそれはちょっと脅威というか。我々も"どこにも属してやんねえぞ"ってつもりでやってた、半分意地みたいに。80年代、90年代はベッタベタなビート・パンクみたいなのが流行ってて、"ベタなパンク・バンドはやめよう"って。パンクじゃなくてもテレビに出るようなバンドが1番面白くない時期だったから、俺たち。悪口じゃないけど、口あたりいい感じだとバンドとしても面白味がなくなっちゃうんじゃないかってやってたけど、それが結果AIR JAMみたいないい空気になってたからね。

猪狩:俺、あの時代に生きてたらどんなんなんやろ~ってすごいうらやましいな、って思ってて。当時、"AIR JAM 2000"の存在は知ってたんですけど。うちのベースは2000年に行ってるんですよ。だから"どんなんやった? どんなんやった?"ってもう聞きまくる感じで。

日高:聞くよね。BRAHMANのときにフェンス倒れた話とか、何十倍も膨らんで"すげえ暴動だったよ"みたいに伝わる感じね。冷静に見てたら70人くらいがなだれ込んで警備員とちょっともみ合いになってただけだったんだけど(笑)。

猪狩:そうなんや(笑)。やらしい話、時代的にCDも売れたりしてるやろうし、その時代の人ってどんなんやろ、ってめっちゃ思ってて。"その収入は果たしてどれくらいなんだ?"とか、すごく興味あるんです。

日高:たしかに俺もBRAHMANのロンちゃん(RONZI/Dr)にラーメンしかおごってもらったことないけど、もうちょっといいもんおごってくれって(笑)。なんかそれの焼き直しじゃなくて、結果同じような空気になってる感はすごい感じるから。ヘイスミにはサウンドに"異種格闘技始めます"感があるから、先輩たちもHEY-SMITHに対して認めてる感じすごいあるし。

猪狩:ほんまですか? めっちゃ嬉しいな。

日高:だからこその孤独感も感じるけど。楽屋で意外とみんな暗くない(笑)? ホーン隊とか、上半身裸で黙々と運指の練習してたりして、こういう感じなんだ、って。

猪狩:暗いってことはないですけど(笑)、彼ら真面目なんですよね。俺とベースは結構ちゃらんぽらんなんですけど。あとドラムはやばいくらい真面目です。あれだけ3つ年下なんですけど、あいつが1番大人で面倒見がいい(笑)。

日高:3つ年下? そんな歳でさ、万単位のイベントをやったわけでしょ? 大変だったと思うけどどうでした?

猪狩:めちゃくちゃ大変でした。始まる前くらいまでは"もうこんなもん2度とやるか"ってくらい嫌や~って感じだったんですけど、始まったら一瞬で来年もやりたいと思いました。

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【日高 央の1枚】

  Ian Dury
『New Boots And Panties!!』
 (1977)

【猪狩 秀平の1枚】

  NO USE FOR A NAME
『Hard Rock Bottom』
 (2002)