COLUMN
THE STARBEMS 日高 央の激トーク!! 第四回
日高:拳で会話するっていうバンドが多い中で(猪狩君は)ちゃんと理知的に話してるから。関西のバンドたちにはほんと申し訳ないんだけど(笑)。
猪狩:全然いっすよ(笑)。あのきったないアメ村がそうさせるんですよ。
日高:京都のバンドは頭がいいイメージなんだよね。くるりとかさ。10-FEETもああ見えて大学行ってるし(笑)。なんなんだろあのゲットー感。堺とかさ。
猪狩:そうなんですよ。あ、俺それを言いたいです。堺の彼ら、彼らっていうかUZUMAKIとかグッフォー(GOOD4NOTHING)とかああいう汚いのは南の人で。僕は北摂っていうちゃんと高貴な場所なんで。あの南の岸和田とかあっち系の人とは......。
日高:岸和田すごいよね。女の子でも言葉遣い全然汚いしね。あとは清原番長育てた町だから。ヘイスミもそういうタイプだとずっと思ってたんだよ。パッと見汚いから。
一同:(笑)
猪狩:ハッキリきましたね、ほんとすみません。
日高:ロン毛とかヒッピーとか裸だからね。関西南部特有の奴なんかなと思ったら、猪狩君すごいちゃんとしてたから"あれ?"と思って。ちゃんとサンプルとかくれるし(笑)。もともと対バンは誰とやってたの? ああいう音だと親和性が悪いというか、もろスカとも違うし、メロディックとやるのも違うってなっちゃうんじゃないかなって。
猪狩:最初ほんまどっちつかずでしたね。メロディックの方にいったらホーンってよくわかんないからちょっと毛嫌いされるし、スカの方いったらスカの曲がないから踊れない。結構スカの方でやってたんですけど"ん? これはまったく意味ないな"と思って。なんか、スカは文化祭みたいなんですよ。"自分たちのショーをやるぞ!"っていうよりはわいわいきゃっきゃっしてて。"あ、苦手かも"って。
日高:これ悪口になっちゃうけど、ガールズ・スカとかね。特にガールズ・ヴォーカルとか、ホーン隊が女子とか、どうしても男女がいるから和気あいあいとしちゃうというかね。
猪狩:そうなんですよ。まさにそう。そんでやっぱ基本がメロディック・パンクやしパンクとかハードコアの方でやりたいってなって、完全にそっちに振り切った感じですね。
日高:なるほどね。それで独自のスタンスになっちゃったみたいな流れがあるんだ。年齢はいくつだっけ?
猪狩:今2○歳です。
日高:思ったより若いね、だいたい30半ばくらいかなって思った(笑)。だいたい20代でJames Hetfield(METALLICA/Gt)好きな奴なんていないよ。いてもコスプレまでしないでしょ。
猪狩:コスプレじゃないですから(笑)!
日高:今の20代の子がJames見たらただの汚いおじさんでしょ(笑)。だからそれが意外だなあ、と思って。
猪狩:JamesどころかDave Mustaine(元METALLICA/Gt、MEGADETH/Gt/Vo)とかも好きですよ。
日高:おかしいおかしい(笑)。うち(THE STARBEMS)のギターで元毛皮のマリーズの越川 和磨も、今年33かな? やっぱりMEGADETH大好きで。なんかこう時間軸が違うんだろうね、俺らみたいにリアルタイムで見てるとDave MustaineがMETALLICAをクビになったとか可哀想なストーリーがあったうえで聴くから愛おしく感じるんだよ。それがあと追いで聴くと普通にかっこいいと思っちゃう。俺は先に"MEGADETHなんてMETALLICAにはじかれたカッコ悪いやつ"みたいなストーリーを見ちゃうから。なんか素直に"Mustaine好きです"って言いにくい空気があったりね。
猪狩:そうなんですか!?
日高:そうそう。で、METALLICAいいって言うとミーハーだからちょっと外してANTHRAXにするみたいな、丁々発止のやりとりを先輩たちとしなきゃいけないっていう(笑)。そういう遠慮がないのはうらやましいよ。
猪狩:全然ないですね。だからそういうのわかんないです。メンバーに"ほんまこれヤバいから"ってDVDとか見せてもイントロが長すぎて"いつ曲始まんの?"みたいな。今から!って言ってももういいってなっちゃう。メンバーにすら受けないです。
日高:そうすると曲作りはどうしてんの?
猪狩:ほぼ俺が作るんで。でも俺PCとか弱いんで、歌いながら弾いたやつを録音して聴かすとか、スタジオで弾いて聴かせたり。
日高:メタル系の曲ってホーンが乗りにくいじゃん。そこはどうしてんの?
猪狩:そこはホーンに諦めてもらってて......(笑)。だからやっぱソロとかフレーズの取り合いになるんですよ。俺はギター・リフ弾きたいし、向こうはホーン入れたいし。だからふたりともそのコード内で試すんですよ。どっちも聴かして"こっちの方がかっこええな"って決まります。
日高:そこは民主的なんだ(笑)。すごい時間かかりそう。
猪狩:そうなんですよ。めっちゃ時間かかります。特にアレンジには時間かけますね。レコーディングはめっちゃめんどくさいです。で、全員我関せずなんで。俺は聴きたいし全体の音決めたいからずーっといますけど。みんな"猪狩が決めるやろ"みたいな感じで普通にどっか行っちゃいますね。THE STARBEMSは日高さんだけで作るんですか?
日高:基本俺がPCで現代風に作ります。バッキング・ギターとドラムと歌しか入れないから、そっから先は西君(越川)に任せてるね。ギターが3人いるから、中音、低音、高音に分けて。俺、ギター・ヴォーカルやってたけどギターにあまり興味がなくて。語弊があるけど(笑)。ロック・バンド上ギターって1番どうとでもなっちゃう。レコーディングの順番にしてもあとからいくらでも直せるけどドラムってあとから直しづらいし、ベースとドラムの絡みが面白いかどうかっていうリズムのとこから、まずはロックを聴いてるね。ソング・ライターって最終的にそこにたどり着いちゃうじゃないですか。だから猪狩君もそういうところあるんだろうなあ、と。
猪狩:俺、初めてやった楽器がドラムだったんですよ。だからギター始めたのが高3くらいで。
日高:すごいな、何でもアリだね。ちなみに最初は何のコピーやったの?
猪狩:X JAPAN です。俺、小学校のときからドラム初めたんですけど、そのときはミスチルとかスピッツを借りて聴いてて。で、ある日ミュージックステーションでXを見て"これなんだ!?"ってなって。ドラムってこんなんなんや、ドラムやりたい! 習いに行きたい!って、習いました。
【日高 央の1枚】
Ian Dury
『New Boots And Panties!!』
(1977)
【猪狩 秀平の1枚】
NO USE FOR A NAME
『Hard Rock Bottom』
(2002)