MENU バンドTシャツ

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

COLUMN

TeddyLoid presents DANCE × ROCK CHRONICLE Vol.5

TeddyLoid presents DANCE × ROCK CHRONICLE Vol.5

-日高さんの世代だと、"セカンド・サマー・オブ・ラブ"や"マッドチェスター"の時代から......。

日高:ばっちり見てました。

-で、2000年に入るとPRIMAL SCREAMの『Xtrmntr』(2000年リリースの6thアルバム)がバっと出て、エレクトロクラッシュ・ブームがきてみたいなところもリアルタイムで見てきたと思うんですけど。そのころって、ダンス・ミュージックとロックがこんなふうに結びつくんだって、すごく興奮しました。

日高:そうそう、あのころはダンスとロックが仲良かったですよね。でも最近急に仲が悪くなってませんか(笑)? 90年代後半にみんな仲良くなってたのに、メロディック・パンクが盛り上がると、ダンスものを横に置いちゃうみたいな人がすごく多かったんでしょうね。THE PRODIGYとかはみんな全然聴けるはずなのにもったいないですよね。

-THE PRODIGYは激ロックのお客さんは盛り上がってくれますけどね。Fear, and Loathing in Las Vegasみたいなダンサブルなラウド・バンドがバっと流行ってっていう流れもあるのかもしれないですけど。

日高:そう、融合してる人も増えてきてますよね。ラスベガス、POLYSICSという順番でかけても盛り上がってくれる気がします。それは激ロックのおかげかと(笑)。そこを並列で聴いて、アイドルをかけても盛り上がるし、すごいことだと思いますよ。ミックス具合は世界でここか、フランスのアニメ・オタクのパーティーくらいしかないかも。あと激ロックの場合、そんなに"激"だけじゃないというか。みんないい意味でライトに音を楽しんでくれてるかなという感じが。すごく嬉しいですよね。

-Teddyさんは日高さんのような"セカンド・サマー・オブ・ラブ"的なものは世代的に通っていないと思いますが、憧れのようなものはありますか?

日高:いや、今でも体験できると思っているので、それはないですね。僕が本当に幸運だったのは、DAFT PUNKを日本で観ることができたのと、JUSTICEを2005年当時から、自分が中学3年のときに知れることができたっていうことですね。

日高:もうあれから10年か。怖っ(笑)。

TeddyLoid:そうですね。僕はJUSTICEみたいな存在になりたいし、繋ぐ橋になりたいですね。

日高:たしかにJUSTICEはみんな聴いてたよね。タイトルがまたかっこいいんだよね。『†(Cross)』(2007年リリースの1stアルバム)で、『A Cross The Universe』(2008年リリースのライヴ・アルバム)っていう、THE BEATLESのパロディってのがまた気が利いてるなと思ったし。内容は全然THE BEATLES関係ないんだけど(笑)。古き良きものにリスペクトがあって、ロック・オタクっぽくて良かったですよね。

TeddyLoid:ライヴ盤の内容自体も良かったですよね。

日高:そう、映像もいいし、変なオネエチャンたちをツアー・バスに連れ込んで遊んでるっていうロードムービーっぽい内容ね(笑)。本来のイメージにないことをわざとやってるみたいなユーモアも良かったし。

-JUSTICEも、さっき言ったようなダンス・ロックのカルチャーを吸収してできた新しい世代のDJっていう感じですよね。だからJUSTICEを媒介して、間接的にTeddyさんの世代もそのころの音楽を体験しているのかもしれないですね。

TeddyLoid:そうかもしれないですね。

日高:当時の人は、もっともっさりしてたんですよね。

-あとアシッド・ブームっていうのがあって。アシッドをやってヘロヘロになって作った曲なんだなーみたいなのはイメージでわかりますし、そういう憧れみたいなものがあったんですよね。今はEDMもロックも健康的なイメージがありますから、そこがだいぶ違いますね。

日高:ヘルシーになりましたよね。昔はクズみたいなのしかいなかったですからね(笑)。申し訳ないけど、ロック・ファンってダメ人間しかいなかったし。

-そうそう、THE STONE ROSESをリクエストしてくる人とか大体クセがあって(笑)。

日高:ははは。HAPPY MONDAYSとかね。俺みたいなクズが多かった(笑)。俺も仕事が終わると、新宿のバーに行って飲みながらそういうのかけてくれ!みたいなことしてました。"いいからストーンズかけろよ!"みたいな(笑)。

-日高さんのコラムでは、激ロック読者にぜひ聴いて欲しい1枚として、対談相手と1枚ずつオススメのCDを紹介し合っていますが、その企画をこのコラムでやってみるとしたら何を挙げますか?

日高:難しいなぁ。ターンテーブル寄りなね。でもTHE STONE ROSESじゃないし、THE PRODIGYもベタだし。

TeddyLoid:Jerry Lee Lewis......。

日高:Teddy君はそっちだよね(笑)。だとしたらミクスチャーなのかな。踊るってことと、パンク・ロック的な要素で言うと、INCUBUSの『Morning View』(2001年リリースの4thアルバム)ですね。ジャンベを持ちながら歌うミクスチャーというか。あれでみんなジャンベ買ったからね(笑)。

-大名盤ですね。

日高:ラウドロック的には物足りないかもしれないけど、アーシーでトライバルで、電子音じゃなくても踊れるし、リズムが気持ちいいじゃないですか。しかもいい男だし(笑)。結局人を踊らせているものはビートだと思うんだよね。でも日本人って、どうしても歌が、メロディがって言いがちなんですよね。そんなに細かいコード進行とかメロディの美しさを分析して聴くわけじゃないから、どれだけ身体を動かせるかっていう意味では、 INCUBUSがすごくいいなと。最近は地味ポジションというか、トライバルでもないし、ラウドでもないんだけど。

-結構ああいう人たちって、最終的には普遍的なロックをやりたがるんですよね。例えばBRING ME THE HORIZONとか、もともとめちゃくちゃヘヴィなメタルコアをやっていたバンドも、時間が経つと、いわゆるFOO FIGHTERS的なスタジアム・ロックをやりたくなる傾向があるような気がします。

日高:ラウドで速い曲だと、ラジオでかからなくなっちゃうらしいですね。だから"パンク・バンドたちもエアプレイを気にしておとなしい曲ばっかり作るようになってしまってけしからん"みたいなことを誰かが書いてましたね。そういう事情もあって、かわいそうなところもありますけどね。スタジアム・ロックから外れると、メディアから外されちゃうっていう。なるべく踏み出ないように、保守的になっちゃうっていうか。

-それでは、Teddyさんのオススメしたい作品を教えてください。

TeddyLoid:最近だと、DIGITALISMが、1回テクノとかアシッド寄りにいったんですけど、また最近ロックの要素を取り入れた作品を出していて面白いですね。最近活発にDJもやっているので、DIGITALISMはオススメです。あとは、CASH CASHが逆に超EDMになってて。パンク・ロックの要素があったCASH CASHを知っている人でも、新しいCASH CASHを聴けるので。「Surrender」(2015年1月リリースの『Take Me Home』収録)とかは女性ヴォーカルのEDMで、全然ギターも入ってないし、それが逆に面白いですね。

日高:CASH CASHって久しぶりに聞いたな。

TeddyLoid:もうEDMユニットになっちゃったんですよね。あと、KNIFE PARTYは最高ですよね。PENDULUMが活動を休止して、まぁちょこちょこライヴはやってるんですけど、KNIFE PARTYの新作『Trigger Warning』(2015年11月に配信リリース)が出て、それが面白いですよね。