COLUMN
TeddyLoid presents DANCE × ROCK CHRONICLE Vol.5
-めちゃくちゃアガる部分ですね。この曲に関しては、ギター・リフをどう使うかっていうのが重要なポイントだったと思うのですが。
日高:ギターはほぼ使われてないんですよね。
TeddyLoid:ギターは結構バサっとそぎ落として、EDM感を出したかったんでシンセの新しいメロディを足したんです。
-サビでダブステップになって、またシンセが入って、そのあとの間奏にはザクザクなギターのリフが入ってます。これは原曲の素材を使っているのですか?
TeddyLoid:元のギターを、チョップしたりエフェクトをかけたりして使いました。
日高:偏執狂だよね(笑)。
TeddyLoid:そうですね(笑)。今回は自分でギターの音は足してないですが、元の素材から新しいギター・リフを作るという方法です。
日高:すごいなぁ。そりゃギター弾けなくても曲作れるよね。
-その間奏からビルドアップしていって、"fuck is that"というコーラスをループして入れてますね。
日高:"ファッキン"の強調はメンバーみんな喜んでました(笑)。
TeddyLoid:DJをやるときに入れてやろうかなと。"ファッキン・ボタン"を作って(笑)。で、メンバーさんに押しに来てもらうとか(笑)。
日高:こうやって口に出すと、悪口って気持ちいいんだよね。日本語でも"バカ"とか言うと気持ちいいし。"shit"とかも言うと気持ちいい。
-00:50~00:35(※02:59~03:14)の間がとても凝ってて、Bメロの原曲のギター・フレーズを入れて、ヴォーカルもループして、さらに最後の35秒でフィードバック音も入れていて。そこがひとつの沸点になっているのかなと思います。
TeddyLoid:うんうん、そうですね。
-で、サビはキャッチーなダブステップですね。イントロとサビは同じダブステップでも雰囲気も音色も違いますし。
TeddyLoid:そうですね。あと、オートチューンをかけたのは初なんですよ。かけるかかけないか迷ったんですけど。でも入りが良かったのでかけました。
日高:「Death Of Auto-tune」歌ってるJAY-Zに怒られちゃうかも(笑)。
TeddyLoid:あはは(笑)。でも自動的にはかけてなくて、手で波形を書いています。
-原曲は1回聴いただけだとシンプルな印象なんですけど、実は凝っている構成のところをTeddy印に置き換えてるというか。原曲へのリスペクトを感じました。
TeddyLoid:そうですね。やっぱり要所要所でいいポイントがたくさんあったので、そこをさらに良くするというか、新しいアプローチで聴かせるということは重視しました。
-ラストに一瞬、原曲のドラムのフレーズが入ってきますね。この感じがニクいです。
TeddyLoid:ああ、さすが。そうです。スピードでもってくるっていう。
日高:そこだけドラムに伝えておきます(笑)。
TeddyLoid:1.5秒くらいなんですけどね(笑)。
-原曲のベースは抜いてますか?
TeddyLoid:いや、原曲のベースに、さらにディストーションをかけて使っています。
日高:リアンプしてるんだよね。卓上で? 実際にリアンプしたの?
TeddyLoid:シミュレーションです。
日高:シミュレーションでリアンプって、リアンプっていうのかな(笑)?
TeddyLoid:そうですよね(笑)。でも、今は実際にリアンプして、さらにそれをマイクで録るというシミュレーションもあるので。
日高:すごい。21世紀だなぁ。ついこの間までアナログで録ってたのに。俺らはぎりぎりアナログに間に合ってるから......アナログ録音最後の世代っていうか......なおさらビックリ。
TeddyLoid:僕は入りが"Ableton"ですからね。
日高:俺らはアナログヨンパチ(※マルチ・トラック・レコーダー"SONY PCM-3348")とかだったもん。10代後半から20代前半で。この10年でスゴい進歩だわ。
-Teddyさんて曲の終わらせ方が毎回絶妙なんですけど、ラストに16分のシンセの音を入れてますよね。それがすごく印象的で。
TeddyLoid:あれは、(※立って腕を後ろに回してピアノを弾くまねをしながら)Jerry Lee Lewisをイメージして作ったんです。 日高:おおーっ!!