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COLUMN

TeddyLoid presents DANCE × ROCK CHRONICLE Vol.5

TeddyLoid presents DANCE × ROCK CHRONICLE Vol.5

-なるほどなるほど!!

TeddyLoid:あそこは唯一生で弾いてやりました。

日高:Jerry Lee Lewisって言って何人に通じるか(笑)。(※Jerry Lee Lewisは、1950年代から活躍したロックンロールの神様的存在。ピアノを弾きながら歌う姿はあまりにも有名)

TeddyLoid:その言葉がおふたりにわかってもらえて嬉しいです。そのスピリットです。

日高:ここからみんなに広がるね(笑)。Jerry Lee Lewisって、最高のロリコンですし(笑)。すっげえ若い子と結婚したんだよね......ほぼ犯罪者(笑)。しかもまだ亡くなってないしね。(※今年で80歳)

TeddyLoid:そう、まだ生きてらっしゃいますよね。

日高: あのへんの、THE BEATLESがカバーしたロックンロールのアーティストって、意外とまだ亡くなってないんですよね......Chuck BerryとかLittle Richardとか。やっぱ絶倫なんだろうね(笑)。ロックンロールだね、生き様も含めて。これをきっかけにみんなに聴いて欲しいよね。音質は悪いかもしれないけど、車とかで聴くと気持ちいいし、みんないい曲だし、いい声してるし。あのころって、声と歌がすごい合致してるよね。

TeddyLoid:うん、たしかに。

日高:みんな本気だし。録音技術の拙さもあって本気でやんないといけないって事情もあったんだろうね。しかもほぼ一発録りだし。Elvis Presleyとか信じらんないもん。「Hound Dog」(1956年リリース)とか「Jailhouse Rock(邦題:監獄ロック)」(1957年リリース)とか、一発で録ってるって考えると恐ろしいよね。

TeddyLoid:恐ろしいどころの騒ぎじゃない(笑)。

日高:俺もかつての古き良きロックの要素は絶対曲に入れたいので、Teddy君とはそこが共通しているのが嬉しいな。さすがTeddyLoidと名乗っているだけあるなぁと。"Teddy Boy"っぷりが。

TeddyLoid:ありがとうございます。

日高:"Play Boy"っぷりだとまずいけど(笑)。"Teddy Boy"なら世間的に問題ない。

TeddyLoid:ロカビリー的な話で言うと、実は1番こだわっているのはヴァースのショート・ディレイのところなんですよ(笑)。気づかれにくいんですけど。

日高:なるほど。たしかに気づかれにくいね(笑)。

-あの時代のロックンロールって、DJで使うの難しいんですよね。テンポが一定じゃないから繋ぎづらいですし。

TeddyLoid:そうですよね。僕がかけるときは、1回パソコンに取り込んで、コンプをがっつりかけて、頭だけBPMをそろえて繋ぎやすくしてます。

-ああ、なるほど。そういうやり方が......。

日高:この対談は勉強になる(笑)。矢沢洋子ちゃんがよくDJで古いロックンロールをかけてたから、言っとくわ(笑)。洋子ちゃんからお父さんにも言ってもらって(笑)。

-この曲は全体的にダブステップでまとまってますけど、最後にこうくるとは思わなかったんで、意外性があって聴き応えたっぷりですね。

Teddy:僕も最初からこうしようと思ったわけではなくて、作りながらこういうノリになったんですよ、自然に。最初はBPMを大幅に変えて四つ打ちにしようとも思ったんですけど。日高:今風に寄せるっていうこともありだったんだね。

-原曲はラストにスクラッチ音が入ってますが、それは抜いたんですか?

TeddyLoid:いや、薄く入れてますね。

日高:あれはギターをこすって出した音なんですよね。

TeddyLoid:そうそう、データをパラでもらったとき、スクラッチじゃなくてギターなんだってわかって面白かったです。

-ダブステップあり、ガバがあり、ロックンロールがあり、本当に面白いリミックスですね。Teddyさんの中で特に工夫した点などがあったら教えてください。

TeddyLoid:ド頭の重たいダブステップから始まる感じっていうのは、新しい試みかも知れません。

-ブレイクした感じで入っていきますよね。

TeddyLoid:そうですね、そこは工夫しました。

日高:ちなみに、このリミックスは何日くらいで作業したの?

TeddyLoid:1日ですよ。

日高:1日で出来るの!? すごいな!!

-ハンパないですね......。さすがリミックス王子。

日高:1日って、ほぼ休みなく? それとも10時間かかんないくらいなの?

TeddyLoid:これは半日くらいでした。

日高:それはすごい。俺だったら飽きちゃうわ(笑)。

TeddyLoid:曲がすごくかっこよかったんで集中して。曲によっては、他のことに気が散っちゃって何日もかかることもあるし。いいリミックスができるときは、本当に3分でできることもあるし。

日高:そこは作曲の作業に近いんだろうね。たまに頭からケツまですぐできることもあるし、寝かせるのもありっちゃありだしね。曲作りに近いんだね。リミックスも。

-日高さんはEDMシーンに対してどのような印象を持っていますか?

日高:"Apple Music"でEDMをたまに流してますっていう程度には知ってますけど。でも、AVICIIがカントリーの要素をとり入れた!とかいう話を聞くと、結局一緒なんだなとは思いますよ。例えばヘヴィ・ロックの人がアコースティックを入れましたとか、逆にアコースティックの人が突然エレキを持ってやりましたみたいなことは、ロック界ではよくあることなんで、そういう意味ではダンス・シーンも今は過渡期ですよね。

TeddyLoid:そうですね。

日高:EDM的なものが出尽くしたわけじゃないけど、ビッグネームの次の動き次第でそろそろどうなるかわからないというか。無名のDJとかは淘汰されちゃう可能性があるわけでしょ。かつて良かった人がだんだん人気がなくなったり。そういう意味ではロックやパンクもまさにそうだし、なんか、みんなで一緒に盛り上げたいですよね。数字とか規模じゃなくて。本当にいいものをコラボし合ったり。 TeddyLoid:今おっしゃってたことは鋭くて。EDMもある一定の曲の手法とか曲の雰囲気は出尽くしちゃってるんで、今みんな新しいことを模索中なんですよ。ほんと、全員で盛り上げるっていう姿勢が必要だと僕も思ってます。

日高:嫌味を言うわけじゃないですけど、AVICIIがカントリーっぽい要素を入れたところで、別にそれをカントリーだとは思わないし、それはあくまで話題のためっていうか。そういう苦しさはみんな一緒だと思います。