COLUMN
TeddyLoid presents DANCE × ROCK CHRONICLE Vol.5
-Teddyさんはサラブレッドですからね。ご両親はTHE ROCKATSとも交流があるとか。
TeddyLoid:そうですね。THE ROCKATSは日本に来たらツアーを一緒に回ったり。
日高:そうなんだ! なんでそんな怖い人ばっかり(笑)。でもその経歴でDJっていうのは逆にいいかもね。もちろん、ホワイトファルコン(※GRETSCH社製のエレキ・ギター。ロカビリーのギタリストが多数使用していることでも知られる)を持つのもかっこいいけど、ターンテーブルが現代のギターみたいな感じだもんね。
TeddyLoid:そうそう、そうなんです。
日高:俺はリアルタイムの音楽も好きなのでわかるんですよ。当時と同じことをなぞっても意味ないもんね。
TeddyLoid:その通りですね。
日高:まだまだ往年のアーティストが現役でやってるし、それには絶対かなわないから。
TeddyLoid:当時はそのスタイルが1番新しかったんですよね。僕も同じスピリットで、今1番新しいものをやっていますし。
日高:ギター担ぐのとターンテーブルを回すのは、気持ちとしてはそんなに変わらないよね。でもロック・ファンってなかなか住み分けが激しかったりするんですけど。
-最近特に細分化されてますよね。
日高:そこはぜひ、リスナーは分け隔てなく聴いて欲しいですよね。逆にSTRAY CATSとかもどんどん聴いて欲しいし。ダンスもの好きな人でも全然聴けると思うので。
TeddyLoid:日高さんには、時代の立会人みたいな印象を持ってます。
日高:無駄にいろんなとこに顔出しますからね(笑)。
-ちなみに日高さんは今47歳で、Teddyさんが26歳ですよね。
日高:俺が本当のお父さんかもしれない(笑)。
TeddyLoid:あはは(笑)。
-TeddyさんはBEAT CRUSADERSも通っていますか?
TeddyLoid:もちろん。BEAT CRUSADERSで日高さんの存在を知りましたし。YouTubeでレジェンドのひとりとしてあと追い的に知りましたね。
日高:AIR JAM世代とかも並列で聴けちゃうっていうのは逆にうらやましいよ。こっちもなるべく年配者として分け隔てなく、先入観なしに聴こうと思ってるんですけど、前情報ってどうしても強くなっちゃうときがあるから。
-日高さんは、Teddyさんに対してどのような印象を持っていましたか?
日高:激ロックのイベントで知り合ったときにCDをいただいて、イマドキのダンスDJ的な印象だったんですけど、聴いてみたら意外とロックだったんですよね。今回も、ロックをやるつもりで制作したんだろうなっていうのは感じました。ただ楽屋ですごく大人しかったんで(笑)。その日はたまたま、バックドロップシンデレラ、NoGoDの団長(Vo)、元this is not a businessの加藤小判とかがいて。あとほぼ素っ裸なレゲエ・ダンサーのお姉ちゃんもいて。そこにTeddy君がぽつんといたんです(笑)。
TeddyLoid:結構カオスな状況だったんですよね(笑)。
日高:だからあのときは、すごく大人しくて暗い、帰ったらゲームしかしないみたいな子だと思ってたんです。でも実はすごくアクティヴな人だったのでびっくりしました。
-日高さんもTeddyさんも、ジャンルは違えど、お互いにシンパシーを感じていたのですね。
日高:俺もアニメ好きだし、いわゆる最初のオタク世代で。当時はオタクって周りから石を投げられてたけど(笑)、今は石なんか投げられないじゃないですか。むしろオタク的な感性を持ってない人の方が肩身が狭いというか。Teddy君はそっち側の世代として育ってきたと思うんで、1周したって感じはありますね。
TeddyLoid:今アニメ好きっておっしゃってましたけど、THE STARBEMSさんの怪獣のジャケのアルバム(※2014年リリースの2ndアルバム『VANISHING CITY』)があるじゃないですか。あのジャケットに対して日高さんが"昔のMETALLICAの時代とかのリヴァイヴァル的なもので、何十年後に見たら、新しいかっこいいものになっている"みたいに語っていらっしゃる記事を読んだことがあって。"あ、この人すごく考えてるんだな"と思ったんですよね。実際に僕も、昔の漫画"AKIRA"を読んでかっこいいなと思ったし、当時から30~40年後に触れた人にとっても、かっこいいものを作りたいという思いは僕の中にもありますね。
日高:この前マキシマム ザ ホルモンのマキシマムザ亮君(歌と6弦と弟)とFacebookで やりとりしていたんですけど、何かをキッカケに、"またLED ZEPPELIN聴き直しまーす、John Bonhamのドラムは神!"みたいなことをやり取りしてて。やっぱり、お互いの作品が何十年後かに聴かれるってすごいことだなと。LED ZEPPELINにしろ、THE BEATLESとかTHE ROLLING STONESはもう別格で。ずーっと聴かれてる。本人たちがいなくても聴かれてるってすごいことで。ミュージシャンとしてはそれが理想だけど、これだけの情報量の中ではなかなか難しい。それはアニメとかも然りで、"巨人の星"が刺さる人もいれば、"あんなスポ根はイヤだ、「タッチ」がいい!"みたいな人もいるけど、昔はその住み分けってそんなになくて。"タッチ"が好きな人は"巨人の星"も好きみたいな、みんな一緒くたに知っておかないとまずいでしょって感覚だったけど、今はすごく細分化されていますよね。そこに関してはTeddy君なんかは理解度が高いのかなと思ってて。GAINAXってひとことで言っても、"エヴァンゲリオン"はいいけど○○は――みたいな人が出てきちゃうんですよ。そこはね、おじさんとしてはめんどくさいというか(笑)。
-Teddyさんは細分化されたものを幅広く観て聴いて、そこからいいところをとり入れて自分のものに昇華していますよね。
TeddyLoid:そうですね。細かなところからいいもの、自分がいいなと思うものを全部とってくるみたいなところはありますね。
日高:Teddy君って長時間デスクトップの前に座っててもイヤじゃないタイプだよね。
TeddyLoid:そうですね。常にパソコンの前にいますね。
日高:40歳超えるとずっと座ってるのつらいもん(笑)。そろそろ外行ってタバコ吸いたいってなってくるし(笑)。
TeddyLoid:Skypeを繋いで友達と飲んだりしますからね。
日高:飲み屋じゃなくてね。Skypeでうだうだしながら。
TeddyLoid:例えばトーフ君(tofubeats)は神戸に住んでるので実際に会うよりも、テレビ電話してる回数の方が多いんですよね。
日高:そういうの得意そうだね(笑)。イマドキだー(笑)。