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2010.09.10 17:46 | アーティストニュース

DIR EN GREY+APOCALYPTICA、北米ツアー速報!京とAPOCALYPTICAとの共演が実現!

DIR EN GREY+APOCALYPTICA、北米ツアー速報!京とAPOCALYPTICAとの共演が実現!


去る8月23日より北米各地を巡演中のDIR EN GREYから、驚愕のニュースが届いた。今回のノース・アメリカ・ツアー(全16公演)はフィンランド出身の異端的バンド、APOCALYPTICA(アポカリプティカ)とのダブル・ヘッドライナー形式で行なわれているのだが、現地時刻の9月8日に行なわれたロサンゼルス公演のステージ上、ヴォーカリストの京とAPOCALYPTICAとの共演が実現したのである。

まず念のため基本情報を捕捉しておくと、APOCALYPTICAは3人のチェロ奏者と1人のドラマーからなる変則的形態によるバンド。過去の作品ではSLIPKNOTのコリィ・テイラーをはじめとする数多くの著名ヴォーカリストたちがゲストに迎えられているが、ライヴでは原則的にサポート・メンバーのティペ・ジョンソンがすべてのヴォーカルを担当している。そして今回、京が歌ったのは、アメリカで先月末にリリースされたばかりのAPOCALYPTICAの最新アルバム、『7th SYMPHONY(セヴンス・シンフォニー)』に収録されている「Bring Them To Light」と題されたハードコア・チューン。作品中ではフランス出身の人気バンド、GOJIRAのジョセフ・デュプランティエが歌っている。

実はこの「Bring Them To Light」は、今回のツアーではずっとセットリストに組み込まれてこなかったナンバー。前述のティペ・ジョンソンのヴォーカル・スタイルとは掛け離れたタイプの楽曲ということもあり、メンバーたちは今回のツアーでこの曲を披露することについては当初から諦めていたようだ。が、いざツアーが開始されてみると、DIR EN GREYのステージを目撃したAPOCALYPTICAのメンバーたちは、そこに京という“適材”の存在を発見。「是非このツアー中に、京にこの曲を歌って欲しい」とメンバー直々に申し出てきたのだった。

実際、DIR EN GREY結成後はもちろんのこと、それ以前にも、自身が籍を置くバンド以外で歌った経験が皆無だという京にとって、そうした要請は驚きを伴うものでしかなく、しかも彼にはツアーの日常のなかで新たな楽曲をマスターしなければならないという難題を与えられることになったわけだが、APOCALYPTICAのメンバーたちは、9月4日、デンバー公演のサウンドチェックの際に初めてこの楽曲の合同リハーサルを行なった時点から、京の完璧なヴォーカル・パフォーマンスを絶賛。「今晩すぐにでもやりたい!」と興奮気味だったが、結果、満を持してそれから4日後のロサンゼルス公演で公式に初披露されることになったというわけだ。

ちなみにロサンゼルス公演の会場となったのは、約2,500人を収容するクラブ・ノキア。当日は両バンドの熱心なファンのみならず、現地の音楽関係者やミュージシャンたちも数多く詰め掛け、この想定外の出来事に誰もが興奮を隠せずにいる様子で、「原曲よりもこちらのほうが良いのではないか?」との声まで飛び交っていたという。この両バンドによる北米ツアーは、今後、サンフランシスコ、シアトルの各都市を巡演したのち、9月12日にポートランドで幕を閉じることになる。が、今回の一件を機に急接近を果たした両バンドの関係は、間違いなく今後、さらに発展的展開を見せることになるに違いない。

なお、APOCALYPTICAの『7th SYMPHONY』はビルボード誌アルバム・チャートにおいて初登場で31位を記録。日本盤は9月22日にリリースを迎える。そしてDIR EN GREYには、このツアー終了を経て帰国後、10月から11月にかけては今年2度目の国内ツアー、そして国内最大級のメタル・フェス、『LOUD PARK 10』への出演が控えている。双方の今後に、よりいっそうの注目を! 

文●増田勇一