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LIVE REPORT

SABLE HILLS

2024.11.30 @渋谷CLUB QUATTRO

Writer : フジジュン Photographer:Leo Kosaka

"死ぬまでメタル続けていこうぜ!"

メタル愛に溢れたオーディエンスに向けて、本編ラストに力強く告げたTakuya(Vo)。この夜のワンマンは、そんな彼等の死ぬまで続く"Odyssey=長い冒険"の1つのハイライトを観るようなライヴだった。今年7月にリリースした3rdアルバム『Odyssey』を掲げ、自身初となるワンマン・ツアーを行ってきたSABLE HILLSが、東京 渋谷CLUB QUATTROにてファイナル公演を開催した。

Rict(Gt)とWataru(Gt)の高揚感煽るギター・イントロから、Takuyaの咆哮で始まったOPナンバーはアルバム・タイトル曲である「Odyssey」。Keita(Dr)の強靭なビートとUEDA(Ba)の重厚なサウンドがどっしり土台を固める、ヘヴィ且つ美しく壮大なバンド演奏と、Takuyaのパワフルなシャウトで、オーディエンスの気持ちをグッと引き込む。

「Misfortune」で熱い拳が上がるフロアに、"『Odyssey』を味わい尽くす準備はできてますか?"とTakuyaが意思確認すると、「Battle Cry」へ。アルバム同様、Koie(Crossfaith/Vo)がゲスト参加し、圧巻のツイン・ヴォーカルとさらにヘヴィさを増すバンド・サウンドでブチアゲて、「A New Chapter」でフロアをぶっかき回す。

"お前等のことぶっ潰すつもりでやるんで、俺等のことを殺すつもりでかかって来てください!"という物騒ながら、この日に懸ける想いが伝わるMCから、「Anthem」を披露。続いて、"このツアーで初めてやる曲です"と「Carry The Torch」が始まったところで、ようやく気付いたのは、"あ、アルバムの曲順通りのセットリストなんだ!"ということ。気付くの遅いっつうの。

ツアー初下ろしの新曲も多いであろう、この日のセトリ。改めてそう考えると新曲たちの完成度の高さとオーディエンスのノリの良さに驚かされるばかり。ダイブやクラウドサーフが続出した「No Turning Back」から、極悪サウンドにヘドバンの荒波が起きた「Bad King」へと続くと、アルバム再現パートは大詰めへ。

フロアを埋めるスマホのライトが美しく光るなか、イントロ的な「Forever」から"俺たちの故郷、地元、東京! 任せたぞ! お前たちの曲だぞ!"と始まった曲はアルバム・ラストに収録された「Tokyo」。野太いサウンドに和テイストのギター・フレーズやわびさびを織り込んだ、日本のメタルコア・バンドとしての矜持を感じる楽曲で、ライヴ前半戦を激しく、美しく締めくくった。

「The Path」、「Embers」で始まった後半戦は「Recapture」と続き、"え、ここから1stアルバムの全曲再現!?"と思わせたが、そんなことはなく。最新曲が並んだ前半戦から、初期楽曲が続く後半戦への流れに感じたのは、SABLE HILLSが全くブレることなく独自のメタル道を貫き、今も昔もカッコいいということだった。

"Wataruが入って初めて作ったアルバムが『Odyssey』なんだけど、Takuyaも謎に声がタフくなって。何が言いたいかっていうと、SABLE HILLSが歴史上、今一番カッコいいと思ってて。これから最高を更新し続けていくんで、これからも付いて来てもらえますか?"とRictが自信満々に告げ、「Crisis」、「On My Own」とライヴ定番曲が続いた終盤は、もはや彼等の独壇場。

ラストは"ずっとメタル1本でやってきました。俺は自分が愛してるこの音楽が最強だし、最高だし、一番カッコいいと思って信じてきました"とTakuyaが告げ、渾身の歌と演奏で「The Eternal」を披露。ダイブが飛び交う、アンコールの「The Envy」、「The Chosen One」まで異常な熱気を放ち続けたワンマンは、まだまだ続くSABLE HILLSの長い冒険を勢いづけたはず。

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