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LIVE REPORT

DEVILOOF

2023.04.29 @渋谷CLUB QUATTRO

Writer : 杉江 由紀 Photographer:森久

邪道上等。メタルコアの世界とV系シーンの狭間に陣取りながら、独自の際立ったスタンスを提示してきたDEVILOOFは、あえての獣道を邁進してきたバンドだと言えるだろう。そして、そんな彼らがこのたび、4月19日にEP『DAMNED』でメジャー・デビューを果たしたうえで開催した渋谷CLUB QUATTROでのワンマン・ライヴには、"DEVILOOF ONE MAN LIVE「RUIN」"というタイトルが付けられていた。

"DEVILOOFが最初に『Ruin』を出したときは、案の定ぼろくそに叩かれてさ(笑)。たしかに、いわゆる普通のヴィジュアル系バンドとか普通のメタル・バンドとかと比べたら、俺らはたぶんメチャクチャ邪道なんやと思うけど、でも俺は続けとったら邪道でもほんまになると思うし、今日ここに立ってみて俺らは間違ってなかったって思いました。ここまで俺らについてきてくれたみなさん、本当にありがとうございます! こんな見た目をしとるけど、俺はメンタルわりと弱くて、強がってばっかりやし。虚勢張ってばっかりかもしれんけど、それでもみんなの前ではずっとカッコいいDEVILOOFであり続けるから、これからもよろしくお願いします!"(桂佑/Vo)

ちなみに、この夜のライヴは、『DAMNED』のリード・チューンにしてゴリゴリにヘヴィな爆音が轟く「Damn」から幕開けすることになり、そこからDEVILOOFとしての新境地を具現化した「The Blackened Sun」や、場内にワイルドなサークル・モッシュ現象が発生した「Afterlife」、ギタリスト Rayが作曲したというドラマチックなインスト曲「Terpsichore」、さらに本編ラストは、桂佑とRayのツイン・ヴォーカルが生かされた「False Self」で締めくくられ、全体的には最新EPからの楽曲を軸としたセトリで、前向きな攻めの姿勢を見せていくことになったと言っていい。

"今日はこんなにたくさんの人が集まってくれると思ってなかったので、正直ちょっとびっくりしてます。DEVILOOFとして7年やってきたけど、なかなかライヴに人が来やんくてさ(笑)。このまま音源バンドになっていくんかなと思ってたときもあったけど、今日はこれだけみんなが来てくれたんでね。改めて頑張っていこうって思いました。これは別にゴールとかそんなんじゃなくて、むしろスタートはここからなんで。まだ詳しい発表はできへんけど、来年にはDEVILOOF主催のフェスもやろうと計画してるし、他にもライヴをいろいろやっていくんで、みんなこれからもどんどん来てください!"(太輝/Ba)

このあと、アンコールでは、ドラマー 幹太とベーシスト 太輝が音の根底を支える必殺必至のラウド・チューン「拷訊惨獄」で、ウォール・オブ・デスの光景が繰り広げられたほか、「ESCAPE」ではRayと愛朔(Gt)によるツイン・ソロを拝むこともできたのだが、さらに続いたダブル・アンコールで最後の最後を飾ることになったのは、まさにこのライヴのタイトルにもなっていたいわくつきの楽曲「Ruin」。

あの『Ruin』が世に出た当時から今に至るまで、DEVILOOFは国内のみならず海外からの高い評価も得てきているうえ、V系要素を持ったバンドとしては男性支持者の比率もかなり高い。頭の硬いメタル原理主義者や、凶悪な音が苦手だというタイプのV系バンギャには邪道に見えるのだとしても、彼らが進みゆく獣道の先にあるのは彼らだけが辿り着ける絶対領域でもあると言えるはずなのだ。ここにきてのメジャー・デビューを果たした以上、DEVILOOFには邪道上等の精神でたくましく限界突破をしていってほしい。

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