INTERVIEW
ステミレイツ × TRiDENT
2023.11.24UPDATE
2023年11月号掲載
ステミレイツ:ゆきっぺ(Vo) 輝星(Gt) あやのん(Key/デスボ) あきら(Ba) ごみちゃん(Dr)
TRiDENT:ASAKA(Vo/Gt) SERINA(Ba/Cho) NAGISA(Dr)
Interviewer:山口 哲生 Photographer:Kanda Yukiya
こんなにしっかりとして、すごく志があって、楽しそうに活動している方たちが 先輩バンドにいて、すごく希望になりました(輝星)
-では(笑)、最後の質問にいきましょうか。ごみちゃんさん、お願いします。
ごみちゃん:ステミレイツはこれから対バンしたいとか、フェスに出たいとか、いろいろあるんですけど、ガールズ・バンドならではの大変だったことや、悩んだことがあったら聞きたいです。今後私たちが直面するんじゃないかな? っていうところを聞けたらなと思って。そういえばあのとき教えてもらったな! みたいな。
ASAKA:ガールズ・バンドっていうだけで煙たがれるというか......。
NAGISA:うん。敬遠されるところはあるかもしれないですね。自分たちの音楽性も、例えばチャットモンチーとかそういう感じではないので、そういうところではやってもらえなかったりするんですけど。でも、だったらもう自分たちは自分たちでやればいいかと思っているし、むしろ得することも多いんですよ。
ASAKA:たしかに。
NAGISA:バンドって男同士のほうが多いので、あまり目に留まらないこともあるかもしれないけど、その点ガールズ・バンドっていうだけで目につきやすいところはあるので、自分たち的には結構得しているなって思います。あとは、ちょっと下心がある感じで来る人たちの判別はしたほうがいいと思います(笑)。
ASAKA:上手にかわしていく方法を(笑)。
NAGISA:"いいねぇ"みたいに来てくれたけど、これは下心の人だったとか、本当にいいと思ってくれている人だったとか。
ごみちゃん:大変だなぁ......。
輝星:TRiDENTのみなさんってヴィジュアルがすごくいいですから、曲とか音楽性とか、ロックとしてすごくいいなと思ってくれる人もいる反面、アイドルとして見てくれている人たちもめちゃくちゃ多いと思うんです。そういう人たちに対してはどういう気持ちだったりするんですか?
ASAKA:自分たちは、いわゆるおじさんというか......。
ステミレイツ一同:おじさん(笑)。
ASAKA:いや(笑)、そういう男性の方をすごくいいなと思っていて。来るもの拒まず系なので。それで、今年から自分たちのワンマンの企画で"TRiDENT おじ祭り"っていうのを始めたんです。オーバー35(歳)の人しか入れないんですけど。
ステミレイツ一同:へぇー!!
ごみちゃん:面白い!
ASAKA:だからむしろおじさん集めてます。おじ狩りぐらいの感じで(笑)。
ステミレイツ一同:おじ狩り!!
SERINA:"おじ祭り"の日は、煽りも"おい、おじ!"みたいな(笑)。
輝星:それはもうお客さんも、自分を"おじ"として受け入れていて?
TRiDENT一同:そうです。
NAGISA:MCも"なんかちょっと臭いけど!"みたいな。
ステミレイツ一同:えぇー!?
輝星:めっちゃロックや!
ごみちゃん:気軽に応援しやすくなってめちゃくちゃいいですね! やっぱりちょっと歳が上がってくると"応援していいのかな?"って考えちゃうと思うから、すごくオープンに広げているっていうのは真似したいなと思いました。
あきら:うん、いいね。
ごみちゃん:なんなら一緒に"おじ祭り"したいです! 混ぜてほしい!
あやのん:おじ狩りしたいなぁ。ステミレイツは若い子も多いので。
ASAKA:ですよね? もちろん若い子も嬉しいんですけど、たまたまそういう方が多かったので、それを広めていこうぐらいの感じでそのライヴはやっていて。
NAGISA:だから自分たちとしては、アイドル的な見られ方の導入でも全然構わなくて。窓口はなんでもいいんですよ。
輝星:そうですよね。"私たちは音楽でやってるんで"っていうこだわりを持つガールズ・バンドも多いじゃないですか。でも、"ガールズ・バンド"と言った時点でアイドル要素で見られることは多少なりともあると思うので。そのなかで、そうやって窓口を広くしているのは、めちゃくちゃかっこいいなって思います。
ごみちゃん:私たちがYouTubeをしてるのもそういう理由だもんね? 窓口をより広くして、コアに音楽を好きではない人にも知ってもらいたいっていうところもあるから、やっぱり広げる工夫はしていきたいです。
ASAKA:たしかに、この間の大阪のワンマン("ステミレイツ 2nd ワンマン『轟雷リベレーション』")の写真を見たんですけど、ライヴハウスで見かけないような人とか、本当にいろんな人がいてすごい! と思いました。
あやのん:それもあって煽りが結構難しかったりするんですよ。
SERINA:たしかに慣れていない人もいますからね。
-SERINAさんは、悩みや困ったことはありました?
SERINA:なんだろう......特には(笑)。着替えるときにトイレに行かないといけないことぐらいですかね。やっぱり楽屋も男性のほうが多いので。
ごみちゃん:うちらも気をつけよう!
輝星:うちら今のところその悩みに直面してないんですよ。
あやのん:気にせずに脱いでるから。
ゆきっぺ:恥じらいがYouTubeによって何もなくなってしまった(笑)。
ごみちゃん:そこは真似しよう! 着替えるときはトイレに行くか、カーテン閉めよう!
-質問はこれで以上になりますが、今後の活動についてもお聞かせください。TRiDENTは11月15日に2ndミニ・アルバム『Dream Up』をリリースされますが、どんな作品になっていますか?
ASAKA:今回もいろいろな編曲家の方に協力いただいたんですが、過去イチいろんなことに挑戦してます。よく言えば新しい自分たちで、これまで自分たちがやってこなかったことにも取り組んだ1枚になっていますね。
-今作も堀江さんがアレンジに参加されていますよね(「KICKASS」、「NEO FUTURE」)。
あきら:聴きます! めっちゃ聴きます!
ごみちゃん:今"堀江さん"って言った瞬間に頷いてたからね(笑)。
あきら:めっちゃ聴きます!!
-12月にはリリース・ツアー"TRiDENT Dream Up TOUR"があり、ツアー・ファイナルは来年2月12日にZepp Shinjuku (TOKYO)で開催されます。挑戦した音源を持ってのライヴとなると、またこれまでとは違う側面も見ることができるのではないかと思うのですが、どういうライヴにしたいですか?
NAGISA:2月のライヴは、演出をしっかりやろうということになっていて。ただライヴをするだけじゃなくて、お客さんがいかに最後まで飽きずに楽しめるかどうかを、今の段階からかなり考えてますね。Zepp Shinjukuは、TRiDENTの大きな目標の中にあるひとつのステップなので、絶対に成功させるために頑張りたいなと思ってます。
SERINA:『Dream Up』には"作っていく"、"進んでいく"という意味合いがあるんですけど、そのタイトル通り、今まで以上にどんどん成長しているTRiDENTを見せたいですし、Zeppはみんなが予想もできないぐらいのものにしたいと思っているので、それを楽しんでほしいし、感動させたいなという気持ちでいます。
-ステミレイツは、来年の2月25日の川崎CLUB CITTA'公演から全国ツアーがスタートしますが、こういう演出やってみたいなとか、現時点で考えていることはあったりするんですか?
輝星:まだ曲数が少ないので、今はMCを長くしてるんですよ。それはYouTubeでやっている喋りをイメージして、みんなでワイワイ話して、ステージの上にいる人じゃないような、みんなと同じところにいるような感じでMCをしているんですけど。新しく知ってくれた人たちも増えてきてはいるんですけど、いつも同じ曲では飽きてしまうと思うので、曲が少ないなかでどうするのか? っていうのは、今みんなで模索しているところですね。
ゆきっぺ:一応ツアー前に曲は増えるとは思うんですけど、曲が少ないときのライヴと、多くなったときのライヴでまったく違う感じになると思うし、それを初めて披露するのがCLUB CITTA'になるので、今から結構緊張はしていて。そこはこれからみんなで詰めていかなきゃいけないなって考えてます。今まで通りの感じではたぶんできないと思うので。
ごみちゃん:うん。やっぱりライヴハウスに来てくれた人たちには、何かしら感じ取って帰ってもらいたいんです。私たちもライヴハウスで感動したり、感情が動かされたから今があるので。そういうものを生み出せる工夫を話し合いながら、今からやっていかないといけないなと思ってます。
-TRiDENTのみなさんからいろいろなお話が聞けて得たものがあったと思いますし、異性のタイプの話で盛り上がったりもしましたけど(笑)、今日の対談はいかがでしたか?
あやのん:私は煽りをもうちょっと考えてやってみようかなって(笑)。結構ノリでやっちゃう派なんですよ。
SERINA:でも、ノリもめっちゃ大事やと思います。
あやのん:ですよねぇ。一回考えてみます! ありがとうございました!
-ゆきっぺさんはどうでした?
ゆきっぺ:すごくポジティヴな考え方になれました。まだ2回しかライヴをしていないんですけど、そのなかでも課題が結構見つかっていて、今まではそれをマイナスに捉えていたんです。結構頑張ったつもりだったけど、まだこんなにやらないといけない壁があるんだな......って。でも、"前はそうだった"というのを聞いて、そういう努力をして、ちゃんとステップアップしていけばいいんだなと思えたし、逆に課題が出てくることは、自分のなかにまだ伸び代があるんだなって、楽しみながらやりたいなって思えました。
ごみちゃん:普段はYouTubeの撮影をしながら練習する日々だったので、なかなか先輩にお話を聞くということができなくて。聞ける人がいない状態だったから、気になることとか、どうしているんだろうみたいな話を聞けて、自分も真似しよう! って思いました。ライヴの前に寝ることもそうだし、"おじ祭り"もそうだし、真似したいことがどんどん出てくるから、今後もお話聞きたいです! 仲良くしてください!
ゆきっぺ:本当に貴重だよね。YouTubeに上がっている講座とかで知れるような内容じゃないから。
あやのん:そんな講座あるん?
輝星:MC講座観てたんか(笑)。
あやのん:でも、画面で見るんじゃなくて、こうやって直接お話が聞けると全然違うよな?
ごみちゃん:うん。ずっと手探りだったので、お話を聞けたのがめちゃくちゃありがたかったです。
ゆきっぺ:本来であれば場数を踏んで、トライアンドエラーをしながらやっていくと思うんですけど、嬉しいことにというか、おかげさまでというか、どんどん大きいところでできるようになっていて。それはすごく嬉しいんですけど、その反面、場数を踏んでいないから、自分の実力と立てる舞台がちょっと乖離している気もして不安なんです。なのでお話を聞けて本当に嬉しかったです。
輝星:今まではYouTubeのコラボで、いろんなグループとかYouTuberの方と接することが多かったんですけど、バンドの方たちと対談するのは初めてで。ただバンドに関しては、例えば何か問題が発生したとしたら自分たちでなんとかするとか、これからどうすればいいんだろうっていう真っ暗な中ではあったんです。それが今回、和気藹々と話しながら、すごく道が開けたなと思って。今ってガールズ・バンドがマイナーになっているなかで、どうやったら売れるのかっていう不安はあったんですけど、先輩バンドにこんなにしっかりとして、すごく志があって、楽しそうに活動している方たちがいて、すごく希望になりました。みなさんもとても仲良さそうで楽しそうだなと思ったし、これからも長くお付き合いしていきたいです。
-あきらさんもいろいろ楽しそうでしたね(笑)。
あきら:日々YouTubeの撮影ばかりで、メンバー以外と話すことがないので、なんか、友達な感じがしていて......!
ゆきっぺ:早いなー! 壁がない(笑)。
あきら:自分の好きなことを話せるのが幸せすぎました! すごく有意義な時間でした、ありがとうございました!
YouTubeをしながらだと、バンドがサブみたいに思われることもあるかもしれないけど、すごく真剣なんだなって(ASAKA)
-TRiDENTのみなさんは、今日の対談はいかがでしたか? ステミレイツとしてはいろいろと模索しているなかで、質問を投げさせていただいたわけですけども。
NAGISA:すごいなと思いました。バンドをやるだけでも大変なのに、YouTubeもやるのってすごいなぁって。自分たちもバンドを長くやってきたので、当たり前になってきていたところもあったんですけど、初心に帰れた感じもしました。
ASAKA:YouTubeをしながらのバンドだと、バンドがサブみたいに思われることもあるのかなと思うんですけど、お話を聞いたら、バンドで売れていくことに人生を懸けていて、すごく真剣なんだなっていうのを改めて感じて。そのうえでYouTubeも使って、毎日毎日頑張っていることにすごく刺激を受けましたし、切磋琢磨していけるように自分たちももっともっと頑張ろうと思いました。
NAGISA:素晴らしいコメント!
SERINA:このあとかぁ(笑)。私たち、めちゃくちゃ人見知りバンドなんですけど、いろいろとほぐしてくださって、すごく楽しい時間を過ごせましたし、あと、やっぱり生でライヴを1回観てみたいなってすごく思いました。なので、ぜひ2月の(川崎CLUB)CITTA'に。
ASAKA:うん、行きたいね。
ステミレイツ一同:うわー!
ごみちゃん:来てください!!!
ゆきっぺ:ちょっと緊張しますけど(笑)。
SERINA:対バンもぜひよろしくお願いします!
ステミレイツ
TOUR INFORMATION
"STMLT STORMBREAKER JAPAN TOUR"
2024年2月25日(日)川崎CLUB CITTA'より開始
[チケット]
前売 ¥4,000(D代別)
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TRiDENT
TOUR INFORMATION
"TRiDENT Dream Up TOUR"FINAL
2024年2月12日(月・祝)Zepp Shinjuku (TOKYO)
[チケット]
前売 ¥3,500(D代別)
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