INTERVIEW
ゆくえしれずつれづれ
2016.08.09UPDATE
2016年08月号掲載
Member:◎屋しだれ まれ・A・小町 英艶奴 子子子
Interviewer:吉羽 さおり
-曲としては、とてもポップ性が高曲くなっているのがまたいいんですよね。華やかなキラキラ感とメランコリーとが混じり合っていて、すごく新鮮な曲でもありました。
小町:まっすぐで素直な曲だから、余計に伝わるものがあるんだと思います。
-Track.2「ニーチェとの戯曲」は、打って変わってヘヴィなサウンドの曲です。
しだれ:そうですね。今回のシングルは両A面で、どちらもゆくえしれずつれづれを表現している曲なんですけど、「ニーチェとの戯曲」は特に激しさがあって、シャウトがすごく多い(笑)。出だしからシャウトなので、最初にライヴで披露したときは群青さんも驚いていましたね。
小町:びっくりしたと思うけど、出だしから歌とシャウトが面白く絡んでいて、惹きつけられる始まりで。でも、サビはとても疾走感があって気持ちいいですね。ライヴではこれからどんどん加速させていける曲なんじゃないかなって思います。
-「六落叫」がストーリー的に進んでいくのに対して、「ニーチェとの戯曲」は完全に言葉の強さ、インパクトで攻めるような攻撃的な曲ですしね。
しだれ:そうです。歌詞も意味がよくわからない、英語と日本語の単語交じりで面白いものになっているので、ぜひ歌詞カードを見てほしいですね。
-子子子さんと艶奴さんは、このシングルが初のレコーディング曲となりますね。レコーディングで印象深かったことはありますか?
子子子:最初に録った曲が「ニーチェとの戯曲」だったんです。いきなりシャウトからで(笑)。不安でいっぱいでしたね。どの曲を最初にレコーディングするかはギリギリまで決まってなかったんですけど、「ニーチェとの戯曲」からだよって言われたときに、"あぁ、シャウトからか......"と思ってすごく焦りました。
-初レコーディングからいきなりフルスロットル(笑)。
艶奴:なので、このときはまだ全然シャウトができてなかったですね(笑)。ほんと悔しくて。
しだれ:艶奴のシャウトは、"NYT"っていうところかな?
艶奴:何回もやり直しました。そのおかげで、いい感じにはなったのかなと思うんですけどね。
しだれ:味がある、まだ荒っぽいシャウトになってます。なので、この"NYT"にも注意して聴いていただきたいですわね。
-今はライヴも重ねて、だいぶシャウトにも慣れてきましたか?
艶奴:シャウトはできるようになりました!
しだれ:言いきりましたわ(笑)。
小町:むしろ好きだよね。いつもシャウトしてる。
-成長していますね。それ以前の初々しい時代のシャウトがCDとして刻まれているんですね(笑)。
艶奴:はい、このCDでしか聴けないと思います。
しだれ:わたくしと小町は、1stデジタル・シングル(2015年リリース)の表題曲「凶葬詩壱鳴り feat. ぜんぶ君のせいだ。」が最初にシャウトした曲だったのですが、そこでできてなかったのが、「ニーチェとの戯曲」ではしっかりできているので――
小町:リベンジできたよね。
しだれ:聴き比べていただければと思います。この「ニーチェとの戯曲」もライヴで披露していて、群青さんは首を振ったり、手を上げてくれたりして、アイドル曲というよりはバンド曲のノリで聴いてくださっていますね。
子子子:サビとかはバンドのライヴなんじゃないかみたいな。
小町:錯覚しちゃう感じで。
-内容的にはどういうものとして捉えていますか?
しだれ:まだイマイチ、意味はわからないですけどね。でも、タイトルにある"ニーチェ"を調べたら哲学者で、中でも"永劫回帰"というものを唱えていて、それは"人生は何回でも同じことが繰り返される"っていうものなんです。天国とか地獄はなくて、今良いことをしていても悪いことをしていても、同じことが繰り返されるというのを唱えているんですよね。ゆくえしれずつれづれって、毎回ライヴの前に遺書を書いてステージに立つんですけど、この曲には"何回死んでもまたゆくえしれずつれづれとして生きていくんだよ"っていうことが込められているのかなって勝手に解釈をしました。みんな、歌詞で好きな部分とかある?
艶奴:どこだろうなぁ。
しだれ:わたくしはダントツで、"苦しむ姿は貴方が見てくれるなら/光り輝やくのでしょう?"というところですね。
子子子:語りの部分だ。
艶奴:語り部分はたしかにいいですね。私は自分が言ってる"努努(読み:ゆめゆめ)"というところの響きがかわいいかな(笑)。
しだれ:艶奴は基本的に、ニュアンスだね(笑)。
子子子:語りパートは難しかったです。感情の波をつけるのが特に。
しだれ:でも、子子子が歌ってる"壊し続けて/偶像を創造し続けるわ真実を。"のところはすごくよかった。
子子子:ほんとに? 嬉しい。
小町:それぞれ個性が出ていて楽しいです。