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INTERVIEW

THREE LIGHTS DOWN KINGS

2014.07.04UPDATE

2014年07月号掲載

THREE LIGHTS DOWN KINGS

Member:Glielmo Ko-ichi(Vo) u-ya(Screaming/Guitar/Programming)

Interviewer:村岡 俊介(DJ ムラオカ)

-なるほど。SEを聴いてると、お客さんもテンションがアガりつつ、演者側もテンションがアガるようなアッパー感を感じました。
そしてTrack.2の「REASON」はまさにサンエルの特徴を凝縮したような楽曲だと思いました。まずはこれで俺たちを知ってくれと言っているような。この曲を2曲目に持ってきた理由とかは?

u:勢いを見せたかったっていうのはあります。もちろん、おっしゃる通り、自分たちが今までやってきた音楽と近い部分もありつつ、さらにもう一歩踏み出している部分もある......。あとは勢いですね。今作の勢いを最初から出したかったという感じです。

-実際のライヴでもSEの次の「REASON」がきてもいい感じですね。

G:そうですね。Track.1のSE~Track.2「REASON」の流れは、ライヴのイメージも1番湧きましたし、パンチあるイントロから入って、テンポ感あるAメロがきて、みんなで騒げる、声が出せるBメロで落として、でもサビは疾走感がありつつ、爽やかなポップ感もある......そういう点ではサンエルっぽいですね。SE後の「REASON」の流れは良かったんじゃないのかなと思います。

-この曲でMVを制作しているとのことですが、MVはどんな感じに仕上がってますか?

G:いいと思いますよ、ものすごく。凝ってます。

u:前まで撮ってもらっていた監督ではない、初めて撮影をお願いした監督なんで、今までとは違う感じですがいい感じになってるんじゃないかな。

-どんな方向性なのかな?

G:ラウド感やライヴ感がありつつ、サンエルのエレクトロっぽさやカラフルな要素も含んだ、バキっとしたグラフィックを駆使したMVに仕上がってます。自分たちが求めていた理想的な形になった映像作品ですね。

-どんなアーティストを撮っている監督なんですか?

レーベル担当:ラウド系でいうとFACTの「Disclosure」も撮ってます。ONE OK ROCKや9mm Parabellum BulletとかSPYAIRなどをやっているフカツマサカズさんの下で助監督をやっていたりする方ですね。

-「BRAINWASH」のMV撮影時のエピソードは"u-ya君が2日酔いだった"ことなどもありましたが(笑)、今回のエピソードは?

G:今回はほんと真面目でしたね(笑)。大概MVってしっかり準備してても、ドラムの音を抑えるパットがなかったり、いろいろトラブルが起こるもんですけど、今回まったくそういうことがなく撮影自体はものすごくスムーズに進んだんですけど、撮影ショット自体がすごい多くてそういう点では大変でしたね。

-今までで1番凝った作品になりそうだね。

G:そうですね。ものすごく凝ったものになりそうです。今までの撮影より2倍くらい大きいスタジオで撮って、メンバー同士の距離感もものすごくあったので撮影中にはあまりイメージができなかったんですが、初めてラフで上がってきたときは、"うわ、すげえ!こういう風になるんだ"って。

-Track.3「KillStream」は展開がめまぐるしく、複雑且つカオティックな曲で攻めの姿勢を感じましたが、コンセプトなどがあれば教えてください。

u:「KillStream」の発端はもともとポップな曲が欲しいよね、って話から作り始めました。でも制作途中でなにがポップなのかわからなくなってきて、その時自分のやりたいものを形にしていったら、カオティックな感じになっていったんです。それをそのまま突き進めた結果、この「KillStream」ができました。

-じゃあ最初はポップな曲を作ってと言われて作り始めたのに、結果としてカオティックな「KillStream」が生み出された、ということであってる(笑)?

u:そうですね。

-ポップに対して生まれた反発?

u:そういう感じだったかもしれないですね。

G:ポップな曲という的(まと)とはかけ離れつつも最終的にこれもサンエルらしい曲になったかなとは思いますね。

-この「KillStream」はある意味サンエルが考えるひとつの新しいポップ像でもあるのかな?

G:いやさすがにポップではなく相当カオスですけど、その中に垣間見えるポップ感はあるかなと(笑)。どこがサビなのかすらも自分でもわからないんですけど(笑)。"オッオオッ~"ってパートにはポップ・パンク的な要素がありつつ、前のセクションのスタスタスタっていう日本語詞のところは、J-ROCKの生バンド感もありつつ、クラブ・ミュージックだったりとか、ビルボードっぽさとか、そういうのもミックス感じの楽曲なので、ポップという括りには当てはまらないかもしれないですが、サンエルの魅力を凝縮した曲かなと思います。

-激しい曲の中でもキラッと光るメロディって、ポップでキャッチーなものがずっと並んでいる楽曲より、逆に際立って聴こえることがあるよね。サンエルがカオティックなことをやっても、BETWEEN THE BURIED AND MEみたいにまんまカオティック・サウンドにはならずに、きっちりとポップ感が残っているという点はさすがだなと思いました。

u:ありがとうございます。

-ポップっていう面ではインタールードを挟んでのTrack.5「ONE」。これは、アルバムの中でも、キャッチーとかポップネスという点では最も秀でているかなと。今までのサンエル曲にもポップ・パンク的な要素はたくさんあったけど、そういうものとはまた一線を画した歌モノ感を表現した点で振り切ってる曲だなと感じました。実際作り手側としてどういう意識で作ったんだろう?

G:まさに、その通りです。コード感ももちろんですけど、やっぱりすっと聴けるものをサンエルらしく表現したいなって。歌詞も今まで書いた曲の中で最も日本語の割合が多いとか、1番わかりやすい言葉を使ってたり......そういう意味ではチャレンジではありましたね。あそこまでキャッチーに振り切っちゃうと、"シャウトはいらないよ"、"英語はいらないよ"みたいな意見もあるんですよね。でも僕的にはシャウトがあるからこそ、クリーンが際立つし、英語の歌い出しで語尾を日本語にすることで、日本語が映えたりと、そういうバランス感も意識して聴いてもらえたらと思います。

-確かに「ONE」はスクリームがあるからこそ、Ko-ichiくんのクリーン・パートが際立ってるし、もともと激しいアッパーな曲をやっているサンエルだからこそ作り得た、王道のポップ・ソングではないポップでキャッチーな曲だよね。面白い。

G:まさにその通りだと思います。僕らがメッセージ性を持たせて、歌モノに寄せるとこうなるんだよっていう、"他と違うでしょ?"ということを示したかったというのはありました。それこそさっき話した『ALL or NOTHING』の次の作品への架け橋というところも踏まえつつ、サンエルを聴くきっかけ作りにもなる、サンエルらしさにこだわった歌モノになってます。スクリームがあって、日本語詞の割合も多いけど、楽曲の幅の広げ方は正解だったなって思います。

-サンエルの歌詞って英語詞メインで日本語詞が少しある......英語詞に2~3割の日本語詞がまぶしてあるバランス感がポイントになってると思う。だけどその点、この曲は比率が真逆なので、今までのサンエルにはない斬新さを感じます。

G:そうですね。YouTubeで「ONE」のミュージック・ビデオだけみたら、"あれ、サンエルそっちの方向いっちゃったんだ"って思った人もたくさんいると思うんですけど、でもキャッチーだけに振り切ることもなく、ライヴでキッズたちが楽しんでくれるようなタイプの曲も押さえつつバランスよく進化できればと考えてます。

-「KillStream」からインタールードを挟んで「ONE」の並びは、1番激しいところから、1番ポップなところへという高低差のある並びが面白いね。この並び順は意識したのかな?

u:あんまり考えずに曲順を決めると「ONE」は後ろの方の曲順で置かれた曲かなと。でも後ろには置きたくなかったし、なるべく前のほうに置きたいなと考えたときに、インタールードを入れたらうまいこと繋がるし、インタールードもライヴでも使えたら面白いなっと思い入れました。