INTERVIEW
ESKIMO CALLBOY
2014.01.14UPDATE
2014年01月号掲載
Member:Kevin Ratajczak (Vo/Key)
Interviewer:ムラオカ
-2012年3月にリリースされた1stフル・アルバム『Bury Me In Vegas』はここ日本でもかなり大きな反響がありました。セールス的にも非常に好調だったのではないでしょうか?
世界中で超売れたし、評判もマジで良かったんだ。もちろん地域差はあるけど、アメリカはかなりイイ感じで評価してくれたね。日本の反応もビックリするほど素晴らしかった。ロシアもイケてたね。ヨーロッパはドイツやその周辺のスイス、オーストリア辺りもとてもイイ感じだったけど、フランスみたいにこの手の音楽がなかなか受け入れられにくいところではまあまあといった感じだった、イギリスもそんな感じだったね。でもニュー・アルバムも出るし、今度はそっち方面にもリベンジしにいくぜ。
-また同年9月に来日した際、東名阪すべての会場がパンパンで熱狂的に迎えられましたね。遠い異国の地で自分たちの音楽が受け入れられているというのは一体どういった気分でしょうか?
マジで最高だったよ。あの時初めてヨーロッパを出て、新たなカルチャーに触れた瞬間だったんだ。日本への旅自体も俺たちにとっては素晴らしいことだったけど、そんな遠いところに俺たちの音楽をちゃんと知ってくれているヤツらがいたなんてね。マジでクレイジーな経験だったね。最初の会場が大阪だったかな。そんときいろんな日本のバンドと知り合いになったんだけど、みんなとてもフレンドリーだった。しかも1曲目が確か「Is Anyone Up」やったんだっけな。最初の出だしからみんな一緒にシンガロングしてくれたんだぜ!あのときの気持ちは言葉では言い表せないね。ヨーロッパではもっと大勢の観客の前でプレイしてきたけど、本国からあんなに離れたところでみんなが俺たちの曲を歌ってくれるのを目の当たりにしたときの気持ちはね......。ホント言葉で言い表せないぜ。
-ライヴ会場でも「Is Anyone Up」が演奏されると熱狂的なファンが振り付けを付けて踊っていたのですが気付きましたか?
そう、その通り!あれは俺たちも練習したんだ(笑)。MVでそんなに大々的にフィーチャーされている訳じゃないのに、みんなちゃんと振り付けを覚えてくれていたんだよね。全くなんてクレイジーなんだ!ちなみに俺は踊れないんだけどさ(笑)。でも日本のキッズはパーフェクトだった。すげぇクールだったね。
-日本では流行っていたらしいですよ。ところで来日後にはドラムのMichael "Micha" Malitzkiが脱退し、新たにDavid Friedrichが加入していますね。メンバー・チェンジの経緯を教えていただけますか?
このバンドの結成当時、俺たちはまだ子供だったからね。それまでもずっと音楽はやっていたけど、今みたいになれるとは思ってもいなかった。こういう未来が見えていなかったんだね。で、バンドをキャリアとして本格的にやっていくのか、それとも学業に専念するのか、悩む時期がやってきたんだ。俺たちのプライベートにも影響するほどのバンドになったからね。それでESKIMOを本格的にやっていこうって話になったときに、Michaelが"俺は自分がこういう人生を望んでいるのかどうか分からない"って言ってきたんだ。ガールフレンドもいるし、大学もあるし......ってヤツには迷いがあったんだな。みんなで時間をかけて話し合った結果、ヤツは"お前たちとはずっと友達でいたい。でもこの道を俺は選べない"という結論に達したんだ。それはあいつが自分自身で決めたことだった。でも俺たちがあいつとケンカしたとか、あいつに問題があったとか、そういうことは一切ないんだ。あいつがあいつの人生のために決めたことだからね。今でもショウを観に来てくれるし、俺たちはマブダチだよ。新しく入ったDavidは俺たちよりもう少しハードなバンドでやっていて、俺たちとは5年くらい前から知り合いだったんだ。Michaelと今後のことについて話し合っていたちょうどその頃、Davidはそのバンドがうまくいかなくなって、辞めたいと思うようになっていたんだ。それで、Michaelが脱退の意思を固めた頃にDavidに話を持ちかけたんだ。ヤツは給料のいい仕事に就いていたけど、ある日俺たちが練習しているところにやってきて"お前たちが今でもその気なら、俺が新しいドラマーになりたい"と言ってくれたんだ。すごくラッキーだと思ったよ。メンバー・チェンジを経験するバンドはいっぱいあるけど......俺は、ただ音楽を作るためだけのメンバーなんて欲しくない。メンバーである前に親友であることがとても大切なことなんだ。Michaelが辞めたとき、次に入ってくるのが俺たちのよく知らないヤツになったらどうしたらいいんだって恐怖が正直あったんだ。でもDavidと話して、あいつが新しいドラマーになってくれることがはっきりしたとき、俺たちはなんてラッキーでハッピーなんだって思ったよ。曲は徐々に覚えていけばいいしね。これ以上スムーズなメンバー・チェンジは考えられないね!
-日本のエレクトロコア・バンド、ARTEMAのデビュー・アルバムにKevinとSebastian "Sushi" Bieslerの2人のヴォーカルがゲスト参加しましたね。日本のバンドの曲にゲスト参加という珍しい経験だったと思いますがやってみていかがでしたか?
ARTEMAとは日本に行ったときに出会って、ヤツらの才能に衝撃を受けたんだ。マジでクールなバンドで、優れたミュージシャンの集まりだ。ドイツでは対バンをやってもライバル意識ばかりが強くなってしまって、対バン相手より注目されようってそんなことに一生懸命になるヤツらが多い。"一緒にいいショウを作っていこうぜ!"なんて意識がなくてね。でもARTEMAのヤツらは超フレンドリーで、いろんな話をしたり、一緒に楽屋で過ごしたりする時間を大切にしてくれたんだ。ショウの後も一緒に酒をいっぱい飲んだよ(笑)。......ドイツに戻ってから半年くらい経った頃だったかな、ARTEMAからアルバムに参加してほしいって連絡をもらったんだ。送ってきた曲もとてもクールだったよ。Sushiとは練習室で落ち合って、送られてきたファイルに合わせていろいろ試してみたよ。6時間くらい作業したかな。最終的には最後のハードなパートをやることにしたんだ。マジで参加できてハッピーだったよ。地球の裏側から日本のバンドの作品に携われるなんてねっ!!