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INTERVIEW

ESKIMO CALLBOY

2014.01.14UPDATE

2014年01月号掲載

ESKIMO CALLBOY

メンバー:Kevin Ratajczak (Vo/Key)

インタビュアー:ムラオカ

-ジャパン・ツアー後にあなたがたバンドの夢の1つでもあったラスベガス公演を含む全米ツアーを行っていますね。全米ツアーはいかがでしたか?

初めてのアメリカ・ツアーで、対バン相手のビッグさに正直ビビっちゃったね。それに、他のメンツはみんなヒップホップやミクスチャー系だったからね。"Fight To Unite"というツアーで、いろんなジャンルのアーティストを集めたものだったんだ。俺たちがメタル代表みたいな感じでね。観客に気に入られないんじゃないかって少しビビってたよ、正直。ドイツの小さなバンドがこんなビッグなアーティストたちをサポートしていいのかって。でも何の問題もなかった。アメリカ人はとてもオープン・マインドで......そりゃ最初は"こいつら何やってるんだ?"みたいな感じだったけど、最終的にはギャングスタ・ラッパーみたいな格好をしたヤツらが俺たちのメタルのグルーヴに乗ってくれたんだ。あれはマジでクレイジーな経験だったね。普段ヒップホップしか聴いていなさそうな黒人のヤツらが、俺たちのメタルを気に入ってくれたんだ。ちょっとあり得ない体験だったけど、嬉しかったよ。仕事として音楽をやる以上の経験ができたというか、それまで会ったこともないようなタイプのヤツらと出会って、アメリカという国を少しは知ることができたからね。

-またUKのメタル専門誌、METAL HAMMERが主催するMETAL HAMMER AWARDSのアップ・アンド・カミング賞(新人賞)を受賞していますが、これは凄いことですね。メンバー一同、大喜びしたんじゃないですか?

プロとして音楽をやっていることについて、両親は俺のことを信頼してくれているけど、世の中にはもっとシリアスで親が好みそうな職業がいろいろあるだろ?親が子供に就いて欲しい職業っていうかさ。医者とか弁護士にもなれたかも知れないけど、俺はミュージシャンになった。俺の両親は俺のやっていることを信頼してくれているけど、俺は自分のやっていることが正しいって証明できるものがなかったんだ。俺たちの音楽を好きだって言ってくれる人が何千人もいるって言っても、親はそれを目で確かめる術がなかったんだ。でもこの賞をもらって、家に持って帰ることができた。トロフィーを見せて、"ほら!スゲエだろ!"って言えたんだ。これが俺の音楽の証だってね。両親もとても誇りに思ってくれたよ。

-そして2枚目のフル・アルバム『We Are The Mess』が完成しました。ライヴハウスとダンスフロアを融合させたような、最高の作品に仕上がっていますが、完成した作品には自分たち自身では満足していますか?

そういう風に言ってもらえるのはマジで嬉しいね!実際、俺もとても満足しているんだ。自分のやっていることを気に入るのは仕事の一環ではあるけど、スタジオに1人でいて何のプレッシャーも感じないときというのは、あんまり周りの評価や意向を考えないからね。それが少しビッグになってくると、自分たちを特定のジャンルに引き込もうとする周りのたくさんの声に振り回されないで音楽を作ることも少し難しくなってくるんだ。俺たちはESKIMO CALLBOYである前に自分たち自身でありたいだけなんだ。スタジオでビールをたらふく浴びながらヤバい音楽を作っている6人の男たち、それだけでいいんだ。実は最初はちょっとばかりジレンマがあったんだ。サウンドに気に入らないところがあったり、歌やリフを試してみてもうまくいかなかったりしたからね。でもいつからかそういう状態を脱して、全てを忘れて自分たちらしい音楽を作ることに専念できるようになったんだ。そこからは曲作りがうまくいくようになったんだ。最終的には大満足だよ。『Bury Me In Vegas』よりバラエティに富んでいるんだ。俺個人の印象だけどね。「Is Anyone Up」みたいなディスコ・ビートは健在だけど、今回はもう少しメタルやロック寄りなんじゃないかな、ちょっと幅を広げようとチャレンジしたんだ。例えばスクリームしかない曲もあるし、6弦だけじゃなくて8弦ギターを使った曲もあるんだ。1つのジャンルに固執したくなかったからね。やりたいものを全部試してみたら、今回はとてもうまくいったと思う。早くステージでやってみたいね!ステージにいろんなギターを置けるし。7弦、8弦、6弦ギターがあるんだ。マジで新年が楽しみだね。

-今作は日本ではワーナーミュージックからのリリースとなりましたね。メジャーからのリリースということで今後より大きな展開も臨めそうですね?

そうだね。ワーナーとは東京に行ったときに話をしたんだ。マネージャーでもあり友人でもあるExact ManagementのJens Göddeと一緒にね。契約にはそこから1年以上かかったけど、ワーナーから出せることになってとてもハッピーだよ。素晴らしいことだと思う。

-アルバム・タイトルである"We Are The Mess"はあなたがたらしいタイトルではありますが、このタイトルに決めた経緯を教えてください。と言っても、こうやって話している限りあなたはとても地に足の付いた方ですから、ちょっと不思議な質問ではありますが(笑)。

(笑)俺たちは実際とても誠実だよ(笑)。それもこのバンドの側面の1つだね。みんなと繋がるための努力は怠らないし、俺たちと繋がりたいと思ってくれる人たちにも応えているつもりなんだ。俺自身今までたくさんのコンサートに足を運んできたけど、ただショウをやるだけであとは楽屋に引っ込んでしまうバンドはあまり好きになれないんだ。高いカネを払ってショウを観に行ったのに、ステージ上の姿しか観られないっていうのはね......。そういうロック・スター的なアティテュードはいつの時代も見られるよね。みんなのモノにはならないぜ、みたいなさ。俺たちはそういうのは好きじゃないから、俺たちはファンと友達になろうとするんだ。誰とでもってわけにはいかないけどね(笑)。俺たちはみんなとは違うぜ、みたいなスタンスではないからね。違うとしたら音楽をやっていることくらいかな。『We Are The Mess』というタイトルは......例えばドイツで俺たちはメタル・シーンから酷評されていたんだ。ドイツはジャンルの区分けが厳格だから、メタルなやつらはメタルしか聴かない。そういうやつらに"てめえ、俺のメタルになんてことをしてくれたんだ"みたいに言われてね。かと思えば俺たちの音楽にあるポップな要素についても批判される。俺たちが伝統的な音楽ジャンルを破壊しているってディスられるんだ。俺たちはすべてを破壊しているわけじゃなくて、既存の音楽に自分らしさを加えているだけなんだけど、ヤツらにはそれが理解できないらしい。俺たちは新しいものを作った、それが正しい音楽の流れだと思うし、音楽はそうやって進化していくものだと思うんだけどね。METALLICAだって最初はメタルしかやってなかったけど、今は何千ものスタイルがあるし、その中から好きなものを聴けばいい。俺たちの音楽はテイストの1つに過ぎないんだ。......で、俺たちは"(音楽を)メチャクチャにした(did a mess)"と言われたことを逆手に取って"そう、俺たちがメチャクチャにしたんだぜ!"と。もっと言えば"We Are The Mess"(訳注:自分たちがカオスそのものであるということ)だってね。俺たちがステージに上がるとマジでフロアはカオスになるからさ(笑)。今こうやって話している俺はごく普通の人間だけど、俺は他の顔も持っているからね。ステージ上ではマジキチにだってなれるんだ。毎日の生活からいろんなことを吸収している普段の俺と、その吸収の結果のアウトプットとしての、ステージ上の俺がいる。これもまた"We Are The Mess"の1つの面かも知れないね。俺たちが音楽シーンに起こした"mess"とはまた別にね。