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INTERVIEW

ELECTRIC CALLBOY

2024.06.11UPDATE

2024年06月号掲載

ELECTRIC CALLBOY

Member:Kevin Ratajczak(Vo/Key) Nico Sallach(Vo)

Interviewer:村岡 俊介(DJムラオカ) Translator:安江 幸子

ドイツが誇るパーティー・バンド ELECTRIC CALLBOYが、BABYMETALの主催フェス"FOX_FEST"で約7年ぶりの来日を果たした! 2020年にリリースした楽曲「Hypa Hypa」のミュージック・ビデオは現在4,000万再生を突破、2022年に発売した6thアルバム『Tekkno』ではドイツのアルバム・チャート1位を獲得した彼らだが、フェス開催直前に発表したBABYMETALとのコラボ楽曲「RATATATA」も大ヒット中だ。今回はKevin RatajczakとNico Sallachのヴォーカル・コンビに、フェス出演やコラボの経緯などについて直撃取材した。


真面目にふざけるのがこのバンドの基本
そしてノーは絶対に言わない。どうやって実現するかを考えるんだ


-ふたりとはすごく久しぶりの再会になります。ELECTRIC CALLBOYの初来日("激ロックTOUR VOL.5")と2回目の来日("激ロックTOUR VOL.9")は僕が招聘させてもらいました。NicoはTO THE RATS AND WOLVESで、約9年前に同じように日本に招聘しています("激ロックGIG VOL.5")。

Kevin:そうそう、覚えてるよ。

Nico:激ロックのショーを2回やったのを覚えてるよ。たしか3日間滞在したのかな。もう10年近く前のことなんだね、びっくりだよ! でも帰って来れてとても嬉しいし、本当に感謝しているよ。

-Kevinは初来日が2012年なんで、当時はまだ26歳の若者でしたね。

Kevin:あれから結婚して、家も買って、子供もふたりできて、いろんなことがめまぐるしく進んでいったけど、本当にいい思い出だよ。ヨーロッパ以外で大きなツアーをやったのはそのときが初めてだったんだ。日本という遠い異国で、人はみんなすごくフレンドリーだったし、カルチャーもすごく好きだし、東京はすごく活気づいていたのが印象に残ってて、大好きだよ。そのときは大阪や名古屋にも行くことができたしね。本当に居心地のいいところだから、日本はいつもツアーをやるたびに行きたいところのひとつなんだ。

-大柄なメンバーさんもいらっしゃるなか、当時は小さいバンにぎゅうぎゅうに乗って名古屋、大阪と回ってもらって、不便をかけて申し訳なかったです(笑)。

Kevin:信じてほしいんだけど、ああいう小さいバンはたしかに窮屈なときもあるけど、大切な経験だったんだ。今はバスが大きくなったり、いいホテルに泊まれるようになったりしたけど、そういう経験があったからこそ、裏でこんなにたくさんの人が動いてくれていることに感謝の気持ちを持つことができているし、本当に楽しかったから、不快に感じたことはないよ。Nicoも同じ考えだと思う。

Nico:うん、そうだね。そういう経験をたくさんしていなかったら、今はもっといい待遇になっていることを謙虚な気持ちで受け止められていなかったと思う。

Kevin:それに、ああやってみんなでバンに乗ってツアーをするとバンドとしても一体感が生まれるし、あの頃は会場も小さかったぶん、いろんな人とコミュニケーションを取ることができて、すごくプライスレスな体験ができたよ。

-ELECTRIC CALLBOYとTO THE RATS AND WOLVESの2バンドは、もともとすごく仲のいい師弟関係にあったと思うんですけど、コロナ禍でのメンバー募集でNicoがELECTRIC CALLBOYに入って、今回こうして一緒に来日するというのは僕としても本当に感慨深いです。ちょっと感動するというか。

Kevin:俺たちとしても、もともと長い付き合いで、お互いのバンドで一緒にEUツアーをしたりしていたんだけど、Nicoに加入しないかって声を掛けたら、ものすごく乗り気になってくれて本当に嬉しかったよ。正直、前任ヴォーカルが脱退したときはバンドにとって本当に大変な時期で、このバンドを続けていけるのか、それとももう終わりなのかとすごく悩んでいたから、Nicoとスタジオに入って新曲を作ったときは生き返ったようだった。2012年の頃に戻ったような感じがしたんだ。彼が加入して、音楽への情熱を取り戻すことできたよ。今は彼と一緒にすごくユニークでスペシャルなものが作れていて、一緒に音楽を作るのがすごく楽しいし、今回日本に一緒に来られたのは俺たちにとってもすごく感慨深いものがあるよ。

Nico:若いときから知り合いで一緒にツアーもしていたけど、加入したこの4年ぐらいで初めて本当の友達になれたような気がしているんだ。あと俺はELECTRIC CALLBOYに加入したというよりは、生まれ変わって新しいものを一緒にやっているという感覚が強いね。

Kevin:ちょうどニュー・アルバムの制作も始めているところだから、本当にエキサイティングだよ。

-アルバム楽しみにしています! 前アルバム( 『Tekkno』)以降の曲ですと、ミュージック・ビデオもリリースされている(CASCADAの)カバー曲「Everytime We Touch」もクオリティが高くて、且つ真剣に遊んでいる曲で最高です。あの曲だけでも新しいアルバムに期待できます。

Nico:あのビデオは、周りから観たら笑えるってことをわかったうえでシリアスに演技するのが大変だったけど、めちゃめちゃ楽しかったよ。ダンスを覚えるのも簡単ではなかったし、長回しのショットもあったりして、例えば階段を降りるところは日が暮れるまでの45分の間で一発撮りしないといけなかったんだけど、すごく面白かった。

Kevin:さっき君が言った通り、真面目にふざけるのがこのバンドの基本なんだ。面白いことをして、面白いミュージック・ビデオを作るのも好きだけど、俺たちはそれを真剣にやりたいんだ。アイディアを形にするときはプロフェッショナルにやりたい。そしてノーは絶対に言わない。どうやって実現するかを考えるんだ。

Nico:「RATATATA」もそうだったね。

-「RATATATA」の話が出た流れでお聞きしますと、今回はBABYMETALが初めて主催するフェス"FOX_FEST"での来日となりました。僕が知る限り、両グループの最初の接点はBABYMETALのプロデューサーのKOBAMETAL氏が、彼女たちの1stアルバム(『BABYMETAL』)収録の「いいね!」が、ESKIMO CALLBOYの楽曲にインスパイアされたものだと語っていたタイミングだったと思うんですけど、その話は後にみなさんの耳に入ってきましたか?

Kevin:いや、初耳だ、そんな前から目をつけてくれてたなんて知らなかったよ! でも実際俺たちも、BABYMETALのことは昔から知っていたし、同じフェスに出演していたり、YouTubeで動画を観たりしていたけど、会ったことはなかったんだ。そうしたら向こうのマネジメントから連絡が来て、去年のボストンでのライヴ("TEKKNO World Tour")を観に来てくれて、初めて彼女たちに会えたんだよ。マネージャーから"BABYMETALが観に来たいって"と聞いたときは"やったー! やっと会える!"って感じだった。それで実際に会ったら本当に自然に打ち解けられて、バルコニーでショーを最初から最後まで全部観てくれたんだ。ライヴ中にちょっと上に目をやると彼女たちがすごく盛り上がっていて本当に嬉しかったし、その時点で絶対に俺たちと相性がいいってわかったよ。

Nico:初めからコネクションを感じることができたし、本当に3人とも優しくていい子たちで。それにBABYMETALは日本だけでなく世界中でも大人気で、BRING ME THE HORIZONやTom Morello(RAGE AGAINST THE MACHINE etc.)みたいなすごい大物たちばかりとコラボしてきてるから、そんなグループと俺たちもコラボができて本当に光栄だよ。

-フェスへの出演オファーがあって、それが決まってからコラボもやっちゃおうみたいな話になったんですか? どんな感じの流れだったんでしょうか。

Nico:一緒に曲を作ることになって、プロモーションの話をしているときに入ってきた話だったのかな......マネージャーに聞けばわかるかも(笑)。

Kevin:去年の9月から曲を作る話は決まっていたけど、"FOX_FEST"のオファーをいつ貰ったのかは把握していないんだ。だけど今回呼んでもらって本当に光栄だよ。俺たちもドイツでフェス("Escalation Fest")を主催していて、それに素晴らしいアーティストたちが出てくれるのがどんなに嬉しいことかわかっているからね。

Nico:それに、"FOX_FEST"のあとまたすぐにドイツの"Rock am Ring"と"Rock im Park"で彼女たちと同じ日に出演するんだ。

Kevin:大きいステージだから、そのときもまた一緒にできたら嬉しいね。