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INTERVIEW

ELECTRIC CALLBOY

2024.06.11UPDATE

2024年06月号掲載

ELECTRIC CALLBOY

Member:Kevin Ratajczak(Vo/Key) Nico Sallach(Vo)

Interviewer:村岡 俊介(DJムラオカ) Translator:安江 幸子

-9月にはコラボレーションが決まっていたんですね! だいぶ前ですね。

Kevin:彼女たちのボストンでのライヴ("BABYMETAL WORLD TOUR 2023 Live in Boston")の前日がオフで、ELECTRIC CALLBOYがいるから観に行こうかってことになっていたんだよね。

Nico:そのときにマネジメントとコラボレーションとかの話をしたんだ。

Kevin:どんな曲が作れるのかとかね。だけど「RATATATA」を書いている段階では他のもっとシリアスなバージョンもあったんだけど、BABYMETALとELECTRIC CALLBOYがコラボレーションするなら楽しくてポジティヴな、夏向きで、フェスティバルで聴きたいものになるべきだと考えていたよ。

Nico:それに、日本の人もそれ以外の世界中の人もみんなが楽しめる曲になることが重要だったんだ。

Kevin:あとは違う文化の要素を入れられたのが良かったね。例えばあの"Fu! Fu!"っていうのを入れたら、日本の人が喜んでくれるって教えてもらったんだ(笑)。

Nico:ミュージック・ビデオにはカラオケのシーンを入れたりしてね。

Kevin:それぞれアイディアを持ち寄って、すごくクールだったよ。あと、どちらのバンドもすごくディテールにこだわりを持っていて、すぐに満足せずにいろいろなことを試してみたから、最終的に素晴らしい曲ができたんだ。

-普通、コラボレーションと言うと例えばELECTRIC CALLBOY Feat. FINCHとか、BABYMETAL feat. Tom Morelloのように、まず主体のグループがあってそこにフィーチャリングする形じゃないですか。「RATATATA」はBABYMETAL x Electric Callboyという形で、なかなかそういうパターンはないと思うんですよね。面白いですよね。

Nico:まさにそう。これは50-50のコラボレーションなんだ。

Kevin:それが重要だったんだよ。普通はフィーチャリングだと片方が音楽を作って、"ここは君のパートだから歌ってくれ"って感じになることが多いけど、今回はBABYMETALの3人を含めたプロダクション・チームとの共同作業で作ったんだ。例えば向こうがヴォーカルのヴァースを作って送ってきたら、Daniel(Haniß)がそこにギターを足して戻したり。

Nico:お互い完璧主義だから何度もやりとりをして、たしか結果的に20バージョンくらいできたんだ。

Kevin:こんなコラボレーションの仕方は初めてだったから面白かったよ。

-すごいですね。他のバージョンも、ひとつ、ふたつは世に出てほしいです。

Kevin:もちろんアウトテイクはあるよ! ビハインド・ザ・シーン映像も用意してるしね。彼女たちにドイツ語を教えたんだ。撮影でシーンが終わってカットしてOKが出たときに使うような言葉で、日本語では"もちろん"っていうのも教わったよ。

Nico:ミュージック・ビデオの撮影のときには、カメラマンのChristian(Ripkens)に"両方のバンドのいいとこ取りだね"って言われたね。本当にその通りのものになったと思う。

Kevin:ビデオが公開されてからコメントを見ていたら、プロフェッショナルにダンスしているBABYMETALにELECTRIC CALLBOYがちょっと歩み寄って踊っていたり、逆にいつもはシリアスに踊っているBABYMETALのカジュアルなシーンもあるのが素晴らしいと言っている人を見かけてね。

Nico:SU-METALの笑顔が観られて嬉しいっていう日本語のコメントも見たよ。最近は真剣な表情をしていることが多かったみたいだからね。

-僕もそのコメント見ました(笑)。どちらか一方がメインで作ってそこにもう一方がつけ加えるほうが圧倒的に簡単だと思うんですよ。さらに両者ともこだわりだったり完璧主義なところがあると思うんで、簡単じゃなかったというか、いい意味でこの曲を作るのにすごい時間がかかったと想像していますが、いかがですか?

Nico:どちらのグループも個性が強くて、それぞれにどうしたらファンが喜ぶかを知っているから、その中間地点を見つけるのが大変だったけど、そのプロセスは普段の曲作りと変わらないんだ。今回はいつもより関わる人が多かっただけだね。

Kevin:自分たちのバンドだけでもメンバーが6人いるから、普段の制作でも6人それぞれの意見がある。今回は95パーセントぐらいまではわりとスムーズに行っていたけど、残り5パーセントが大変だったね(笑)。だけどそれが音楽を作ることの醍醐味なんだ。意見が多ければ多いほどそれをひとつにするのは大変だけど、そのぶん大切なものになっていくんだよ。ダイヤモンドを磨くような感じ。そうして最終的に形になったんだ。例えばBABYMETAL側が細かく"こういうものも入れるべきじゃないか?"って言ってきたとき、最初は"えぇ、そうかな?"ってあまり乗り気じゃなかったこともあったけど、実際にそれらを曲に入れてみたら素晴らしくて、もうそういうアイディアは逃したくないと思ったね。自分たちにとって居心地のいい範囲を抜け出すためには、こういう新しい意見が必要だから。そうやって成長していくんだ。

Nico:例えば Kevinやギタリスト兼プロデューサーのDanielが言っていることが気に入らなかったら、そこで言い合いになったりして、最終的にソリューションを見つける。だけど今回はお互いに距離があるからコミュニケーションを取る方法が違ったし、時々1歩下がってみて、少し心に余裕を作ることを学ぶ必要があった。簡単ではなかったけど、結果的にはいろいろな意味で報われて本当に良かったよ。

-本当に両者のいいところがしっかりクロスしたすごくいい曲になったので、本当に苦労の甲斐があったというか、ファンの方も大満足なんじゃないかなと。SNSを見てても肯定的な意見しかなかったんで、すごいと思います。

Kevin:この4年間は特に頑張ってきて、おかげでいろいろ成功してきているけれど、作品をリリースするときは毎回1からやり直しのような感覚なんだ。ファンの人がついてきてくれるのはわかっているけど、それでも新しいチャレンジをしたり、ちょっと違うことをしてみても受け入れてもらえるかは実際わからないからね。昨日はホテルの部屋でミュージック・ビデオ公開のカウントダウンをしてたんだけど、みんな"この夏のヒットになるね"みたいなコメントをしてくれて、俺たちがこの曲を作っていたときに考えていたことを理解してくれていて、本当に嬉しかったよ。俺たちのしていることを好きでいてくれる人がいるって知れるのはプライレスだね。

Nico:俺たちは自由に活動し続けられるようにいろいろ頑張っているんだ。例えば『Tekkno』ひとつ取ってみても、全然違うジャンルの11曲が入っていて、みんな気に入ってくれていると思うけど、Kevinが言ったようにリリースするときは毎回超楽しみだし超ナーバスだよ。でもそのナーバスな気持ちもわりと好きだったりするから、忘れたくはないね。

Kevin:何か大事なもの、例えばすごく高価な腕時計をつけて出掛けたとき、その腕時計に思い入れがあればあるほど、なくしたらどうしようと不安になる。それは俺たちにとって、音楽や人生も同じだと思うんだ。だから今の活動は楽しくて仕方ないし、右肩上がりで来てるから、みんなにいつまでも好きでいてもらえるように、これからも頑張っていくよ。

-では最後の質問です。明日、明後日と"FOX_FEST"に出演されますが(※取材は5月24日)、あなたたちELECTRIC CALLBOYはどういったライヴを繰り広げたいですか?

Kevin:今回はフェス・セットを持ってきたんだ。40分しかないし、ヘッドラインじゃないからね。自分たちがヘッドラインのときはいろいろ緩急があってアコースティックを入れたりもするんだけど、今回は40分しかないからフル・スロットルで、最初から最後までベストな曲を持っていくよ。

Nico:日本のオーディエンスの心を掴まないといけないからね。フェスはいつもそんな感じでやってるよ。あとは「Pump It」(2021年12月リリースのシングル)とか「We Got The Moves」(2021年9月リリースのシングル)、「Hypa Hypa」のミュージック・ビデオで使った衣装も着るよ。すべてはステージ上で起きるから、日本のファンの心を掴んで、また早く帰って来れるように全力を尽くすよ。

RELEASE INFORMATION

BABYMETAL x Electric Callboy
DIGITAL SINGLE
「RATATATA」
BABYMETAL x Electric Callboy - RATATATA - Single Cover.jpg
[Century Media Records]
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